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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第一幕その八

「一緒にいるから」
「宜しく頼むよ」
「その様にね」
「ううん、ただね」
「虫の問題は厄介だよ」
 オシツオサレツがここで言いました、その二つの頭で。
「小さいけれど数が多くてね」
「あちこちにいるからね」
「そうそう、だからだね」
「植物園の人達も駆除しきれていないのよ」
 チープサイドの家族も言います。
「隅から隅までいるし」
「それも隠れるから」
「薔薇だけじゃなくて色々なお花や草木にいてね」
 ポリネシアも困ったお顔で述べます。
「荒らすから」
「一気に駆除するなら本当に農薬だけれど」
 トートーはあえて農薬をお話に出しました。
「使えないしね、今回は」
「そうよね、制約があるのがね」
 まさにと言うダブダブでした。
「問題ね」
「さて、どうしたものかな」
 チーチーは腕を組んで考えるお顔になりました。
「ここは」
「農薬は駄目、されど相手は多い」 
 ホワイティはこの現実を指摘しました。
「厄介な問題だね」
「けれど先生は引き受けたら絶対に約束を守る人だから」
 このことを言ったのはガブガブでした。
「今回もだね」
「けれどどうしたらいいかな」
 老馬も考えていますが名案は出ません。
「植物園の害虫駆除は」
「明日園長さんとお話するにしても」
 最後にジップが言いました。
「難しい問題だよ」
「こうした問題は植物を扱ってると常ですね」
 まさにと言ったトミーでした。
「このことは」
「うん、はっきり言うとね」
 実際にとです、先生もトミーに答えます。
「避けられない問題だよ」
「そうですね」
「うん、どうしたものか」
「人類が昔から直面していることですね」
「それこそ農業をはじめてからね」
 まさにこの頃からというのです。
「対している問題だよ」
「そうですよね」
「だから農薬も発達しているしね」
「虫の問題が深刻なだけに」
「無農薬野菜は魅力的な言葉でも」 
 如何にも健康そうに聞こえる、そうだというのです。
「けれど虫にかなり食べられるリスクがあってね」
「生活の為に農業を営んでいると」
「虫の駆除だけで大変な労苦だから」
 虫を探し回って見付けて駆除するだけでもです。
「難しいよ」
「それが現実ですね」
「そう、現実はね」
 まさにというのです。
「中々そうはいかないんだよ」
「そうですよね」
「うん、だから農薬はね」
「必要ですね」
「そうだよ、よく無農薬だハウス栽培も駄目だとか言う人がいるけれど」
 先生はここでも日本の有名な料理漫画を思い出しました。
「現実を知らない人だよ」
「農業を」
「そう、だからね」
「現実を知っていますと」
「そんなことは言えないよ」
「農薬を使うなとかハウス栽培をするなとか」
「そう、言えないよ」
 とてもというのです。 
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