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薔薇騎士団

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第一章

                薔薇騎士団
 ビクトリエ=ファラージュは国王からあることを命じられた、その命はというと。
「女だけの騎士団をですか」
「そうだ、近頃そなたを含め女騎士、女戦士と増えてきている」
 女で戦う者達がというのだ。
「我が国でもな、それでだ」
「女だけで戦える者達だけで騎士団を編成して」
「そのうえで戦える者達にして欲しいのだ」
 王はビクトリエに玉座から告げた。
「出来るか」
「王のご命令とあれば」
 これがビクトリエの返答だった、銀の甲冑で武装した姿で王の間で階段の上にある王の前で片膝をついて畏まっている。そのうえでの返答だ。
「その様に」
「そうか、ではな」
「はい、これよりです」
「女だけの騎士団、編成してだ」
「戦える様にします」
「是非な」
 王はビクトリエに告げた、そしてだった。
 ビクトリエは早速王国軍から優れた女戦士達を選びにかかった、騎士や戦士だけでなく弓兵や魔術師、僧侶にスパイとだ。ペガサスナイトやドラゴンナイトもいた。
 様々な兵種の女戦士達が集まった、だが多くの者はビクトリエと彼女達を見て笑って言った。
「女だけの騎士団なぞ役に立つものか」
「幾ら強くても所詮は女だ」
「戦いはやはり男の仕事だ」
「女は戦いに向かない」
「幾ら強い者を集めても女は女」
「それを集めてもだ」
「戦える筈がない」
 こう言うのだった、こうした言葉は騎士団の者達の耳にも入っていて当然ビクトリエの耳にも入っていた。だが彼女は毅然として言うだけだった。
「言わせておけばいい」
「言いたい者にはですか」
「そうしていいのですか」
「そうだ、我々は為すべきことを為す」
 これがビクトリエの考えであり言葉だった。
「そして結果を出す」
「それだけですか」
「我々が為すことは」
「我が騎士団が」
「周りの言葉に反応することは為すことではない」
 ビクトリエは毅然としてこうも言った。
「だからだ」
「それで、ですか」
「そうした口さがない言葉は相手にせず」
「そのうえで」
「これまで通り訓練を行い装備を整えていきだ」
 そしてというのだ。
「来たるべき時に備えるのだ」
「戦場に出て勝つ」
「その時にですね」
「皆戦は知っているだろう」
 ビクトリエは部下達に問うた。 
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