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ピーターラビットのお母さんのお話

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第一章

                ピーターラビットのお母さんのお話
 ピーターラビットのお母さんはお店で手袋や飾り、お薬や煙草等をご主人と一緒に売って暮らしています。
 お店自体はわりかし繁盛しています、ですがお母さんはお店を閉めてからお店の売り上げの状況を書いている帳簿をチェックしてからお父さんに言いました。
「煙草の売り上げがまた落ちてるわ」
「えっ、またなんだ」
 お店の後片付けをしているお父さんはお母さんの言葉にお顔を向けて聞き返しました。
「また煙草の売り上げが落ちたんだ」
「そうなの、何かもう煙草はね」
「どんどん売れなくなっているね」
「パイプも葉巻もね」
 普通の紙煙草だけでなくというのです。
「とにかく煙草は全部駄目よ」
「どれだけ売れなくなっているのかな」
「もう一番売れていた時と比べて九割よ」
「九割って相当だね」
「それに合わせて仕入れも減らしてきたけれど」
「そんなに売れていないならね」
「ええ、もううちで売るのを止めようかしら」
 こう言うのでした。
「煙草はね」
「そうするんだ」
「ええ、バウンサーさんは買ってくれるけれど」
 それでもと言うお母さんでした。
「けれどね」
「もう、だね」
「売れないから」
 だからだというのです。
「仕入れるのは止めようかしら」
「そう言われると僕も吸わないしね、煙草は」
 お父さんもなのでした。
「それならね」
「バウンサーさんの分だけ仕入れて」
 この人は定期的に買ってくれるからです。
「もうね」
「他の人の分はだね」
「もう仕入れないでね」 
 そうしてというのです。
「これからは」
「そうするんだ」
「他にうちで煙草買ってくれる人もいないし」
「他には誰もいないんだね」
「私の知ってる限りではね」
「ううん、じゃあね」
 お父さんはお母さんのお話を聞いてです、一緒にお店をやっている立場からお母さんに言いました。
「もう仕入れはね」
「バウンサーさんの分だけにしてね」
「それでいこうか」
「その分他のものを入れましょう」
「じゃあ何を入れようかな」
「そのことはじっくり相談して決めましょう」
 こうしてです、お二人で煙草の代わりに仕入れていくものやお店に出すものを考えていきました。そうしてお店には子供用の手袋やアクセサリーを増やしていくことになったのですが。
 バウンサーさんはお店の中に入って煙草を買おうとしてお店の中にある煙草の数と種類も減っているのに気付いてカウンターにいるピーターラビットのお母さんに言いました。
「奥さん、煙草が随分と減ったね」
「バウンサーさんの分は置いてますよ」
 お母さんはバウンサーさんにあっさりと答えました。
「ですからご安心下さい」
「ああ、わしが喫う分はだね」
「ちゃんとありますので」
「そうなんだね、しかしね」
「しかしといいますと」
「煙草のスペースが随分と狭くなってね」
 それでと言うのでした。
「寂しくなったね」
「売れないですからね」
 それでと答えたお母さんでした、ピーターラビットのお父さんはそのお店の中で品物やお店の中のお掃除をしています。
「ですから」
「それでなんだ」
「はい、もう煙草はです」
「置いていないんだね」
「そうしています」
「ううん、昔はもっとあったのに」
 バウンサーさんは残念そうなお顔でこうも言いました。 
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