| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と和歌山の海と山

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十一幕その九

「そこは」
「そうだね、そして西本さんもひょっとしたら」
「高野山にも来られていたかも知れないんだね」
「阪急だから西宮、近鉄だから三輪の神社に優勝祈願していたかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「神社もこっちでね」
「高野山もだね」
「お参りしていたかも知れないね」
「そしてこの道もだね」
「歩いていたかもね」
「そう思うと高野山は」
 しみじみと思う王子でした。
「沢山の人が入ってきた場所なんだね」
「修行、そしてお参りにね」
「そうなんだね」
「悲しいこともあったけれど」
 秀次さんのことをここでまた思い出した先生でした。
「それでもね」
「その長い歴史の中でだね」
「沢山の人が入ったこともね」
「事実だね」
「そうなんだ、そうした場所なんだ」
 まさにというのです。
「この高野山はね」
「空海さんが開かれてから」
「今までね」 
 その千数百年以上の長い歴史の中で、です。
「そうしてきたんだよ」
「そう思うと凄いね」
「そうだね、今日でこの山を降りて神戸に戻るけれど」
「まただね」
「来たいね」
 心から思う先生でした。
「是非ね」
「そうだね、また来てね」
「学びたいね」
 高野山のこと、空海さんのこと、ひいては真言宗のことをです。
「そうしたいね」
「そうだね、あと帰る時は」
 この時のこともお話した王子でした。
「もうね」
「高速でだね」
「一気に帰ろうね」
 神戸までというのです。
「そうしようね」
「うん、是非ね」
「あとね」
 さらに言った王子でした。
「夜だけれど、帰るの」
「そうだね」
「帰ったらね」
 その時のこともお話する王子でした。
「もう寝るよね」
「そうなるね」
「お風呂に入って」
「それからね」
「そうだね、僕もだよ」
「御飯はお弁当でね」
 王子はさらに言いました。
「車の中で食べようね」
「キャンピングカーの中でね」
「そこで食べようね」
「お弁当でしたら」
 トミーが言ってきました。
「ここで買えますね」
「高野山でね」
「皆の分を買って」
「そうしてね」
「お土産も買って」
 このことも忘れないトミーでした。
「帰りましょう」
「是非そうしようね」
「はい、皆の分も買いますよね」
「当然だよ、サラに学校の人達にご近所にお静さんに」
 猫又のお静さんのことも忘れない先生でした、ですがある人のことはトミーの方から言うのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧