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リング

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85部分:ニーベルングの血脈その十七


ニーベルングの血脈その十七

「残ったエネルギーや弾薬を使ってな。それか継戦不能にして追い返す」
「それからナイティングに戻ると」
「そういうところだな。だがここまでわかっていたら話は簡単だ」
 大軍を目の前にしてもやはりその自信に満ちた様子は変わらなかった。
「この星系の地形を出してくれ」
「わかりました」
 それに従いまたローゲが操作される。そして今ジークムント達がいる場所とメーロトの軍勢がいる場所の間と周辺の地形が三次元で映し出された。ジークムントはそれを見てすぐに言った。
「一点集中攻撃だ」
「そのポイントは」
「ここだ」
 手に持つレーザーで示す。そこは敵艦隊の中心地であった。それまでの間には一切障害物はない。
「ここを一気に攻めるぞ」
「上下左右から来る帝国軍は」
「構うことはねえ。まずは一点を集中的に叩く」
 彼は言った。
「扇は持ってるか」
「扇!?」
「そうだ。持ってるかどうか聞いてるんだ」
 彼はヴィントガッセンにそう問うてきた。
「どうなんだ」
「妻が好きでして」
 何故ここで扇を出したのかわからなかったが彼はそれに答えた。
「持っております」
「そうか、だったらすぐにわかるぜ」
 ジークムントはそこまで聞いてこう言った。
「すぐにな」
「その攻撃にこそ秘密があると」
「それもすぐにわかるさ」
 ジークムントはまた言った。
「いいな、まずはあのポイントを集中的に叩け」
「はい」 
「そしてそこから次の行動に移る。それにはまず」
「攻撃ですか」
「そうだ。わかったら行くぞ」
 彼は指示を下した。
「中央への攻撃だ。一隻たりとも遅れるんじゃねえぞ!」
「了解!」
 ジークムントの軍は一気に動いた。そしてそのまま突っ込む。そこにはもう何の迷いもなかった。ただ攻める、単純であるがそれだけに勇敢な動きがそこにあった。
 帝国軍はそのジークムントの軍を覆わんとする。一気に包み込むつもりなのだ。
「敵の攻撃が来ます!」
「構うんじゃねえ!」
 だがジークムントはそれに躊躇しなかった。
「どうせ補給不足で大した攻撃はねえ!安心しろ!」
 彼はそう言って部下を叱咤し突撃を続ける。敵は大艦隊である為か動きが鈍い。ジークムントはそれも読んでいたのであろうか自軍の艦隊を全速力で突っ込ませていた。
「とにかく突っ走れ!」
 彼は言う。
「射程内に入ったら一気にやるからな!いいな!」
「はい!」
 部下達はそれに頷く。覆わんとする敵軍を潜り抜け、その目標とする中央に迫った。
「よし!」
 ジークムントはその中央に迫って眦を決した。
「全艦砲門開け!」
 突撃させながら攻撃態勢に入らせる。
「攻撃目標を一点に集中させろ!」
「そのポイントは!」
「真正面だ!」
 彼は言い切った。
「そこに思い切りぶち込むんだ!いいな!」
「わかりました!」
 戦術もその指揮も単純であった。だがだからこそ分かり易かった。すぐに全軍の将兵に伝わり動いた。ジークムントはそれを見て次の動きに入った。
「撃て!」
 攻撃命令であった。そこに至るまで躊躇した時間はなかった。
「撃て!」
 攻撃命令が復唱された。そしてジークムントが示した中央部に攻撃がぶつけられたのであった。
 
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