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英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇

作者:sorano
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第39話

RF(ラインフォルトグループ)の支社のロビーでリィン達が依頼者を待っていると、エレベーターからある人物が現れた。



~ラインフォルトグループ・クロスベル支社~



「え。」

「?……別の人か?」

「まあ……あの方は……」

「ハハ、セティ達に続いて”彼女”ともこんなにも早く再会する事になるとはな。」

「セティさん達も言っていたように、これもヴァイスハイト陛下のお心遣いなのでしょうね。」

「えっと……もしかしてあの人もリィン教官達の知り合い……?」

エレベーターから現れたティオを見たユウナが呆け、クルトが首を傾げている中セレーネやリィンは懐かしそうな表情をし、アルティナは静かな表情で呟き、リィン達の反応を見たゲルドは不思議そうな表情で首を傾げた。

「ティオ先輩……!?戻ってらしたんですか!?」

自分達に近づいてきたティオにユウナは嬉しそうな様子で駆け寄ってティオに声をかけた。

「ええ、ちょうどユウナさんと入れ替わる形でして。お久しぶりです。元気そうで何よりですね。」

「ティオ先輩こそ……あ、それじゃあ新主任って!」

「フフ、まあそういう事です。」

ユウナの言葉にティオが苦笑しているとリィン達が二人に近づいた。



「知り合いだったのか……」

「漆黒の翼………という事は貴女もセティさん達みたいな異種族の人?」

「ええ、まあそんな所ですが……どうやらその様子ですとわたしよりも先に既にセティさん達と再会していたようですね。」

「ハハ、特務活動の関係で偶然”インフィニティ”による用事があってな。」

「キーアさんやセシルさん、シズクさんとも会って話してきましたわ。」

「……お久しぶりです、ティオさん。」

ユウナとティオが知り合いである事にクルトが驚いている中興味ありげな表情で自分を見つめて訊ねたゲルドの疑問に答えたティオはリィン達に視線を向け、ティオの言葉にリィンとセレーネは苦笑しながら答え、アルティナは軽く頭を下げて挨拶をした。

「教官達も知り合いで、しかもセティさん達の知り合いでもあるという事はまさか貴女は………」

「教官達が昔所属していたクロスベル警察の”特務支援課”に所属していた人?」

「ええ。トールズ第Ⅱ分校、”Ⅶ組”の皆さんですね?ティオ・プラトー――――エプスタイン財団、クロスベル支部の開発主任を務めています。どうぞ、よろしくお願いします。」

そしてクルトとゲルドの質問に答えたティオは自己紹介をした後、リィン達と共にロビーにあるソファーに座って話し始めた。



「……なるほど、やはり貴女も”特務支援課”の所属でしたか。」

「ええ、警察の人間ではなく財団からの出向という形ですけど。しばらくの間、財団本部のあるレマン自治州に戻っていましたが……春から当クロスベル支部の開発主任を拝命して戻ってきました。」

「……なるほど、そういう事情だったのか。」

「フフ、昇進おめでとうございます。」

「ふふっ、ありがとうございます。」

自分の説明を聞いたリィンが納得している中祝いの言葉を述べたセレーネに対してティオは微笑んだ。



「しかし、開発主任というにはかなりお若いですよね?見たところユウナよりも年下に見えるんですが……」

「あ、16なので1つ下ですね。先輩と呼ばれるのはちょっと面映いんですが。」

「いえいえ、憧れの支援課メンバー―――それも初期のメンバーの一人なんですから!ティオさんでもいいですけど……やっぱり先輩って呼ばせてください!ティオ先輩は凄いんですよ!”特務支援課”の情報担当にして導力ネットの申し子なんですから!それでみっしぃが大好きで――――」

クルトの疑問に答えた後困った表情をしているティオにユウナは真剣な表情で否定した後嬉しそうな表情でティオの事について語りだしたが

「ユウナさん、ユウナさん。」

「……す、すみません。熱くなりすぎちゃって………」

ティオに制止されると我に返ってティオに謝罪し、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいた。

「はは……ティオがクロスベルに戻って来た事はランディから聞いていたが……改めてよろしく頼む、ティオ。」

「ええ、こちらこそ改めてよろしくお願いします、リィンさん。それとセレーネさんとアルティナさんも。」

「はい、改めてよろしくお願いしますわ。」

「…………よろしくお願いします、ティオさん。」

(この二人、なんだか雰囲気が似ているな?)

(あ……それは私も感じたわ。)

(うん、あたしも会った時にそれはちょっと思ったかも。でもティオ先輩は話してみると普通に冗談とかいうんだけど………)

リィン達と会話しているティオを見てティオとアルティナの雰囲気が似ている事に気づいたクルトとゲルドの小声の言葉にユウナは苦笑しながら同意した。



「さてと。―――久しぶりの再会でお互い話したい事はありそうだが。とりあえず『要請』についての詳細を教えてもらえるかな?」

「ええ、そうですね。――――こちらをご覧ください。」

リィンの問いかけに答えたティオは端末を取り出して操作し、リィン達に端末に映る映像を見せた。

「これは……」

「ひょっとして『ジオフロント』ですか?」

「ジオフロント……?」

「クロスベル市の地下に広がる、インフラ用のメンテナンス区画です。場当たり的な増設が繰り返されてとんでもない広さになっていますが……先日から、ある区画の制御端末がバグで機能不全に陥っているんです。」

「そ、そうなんですか?」

「制御端末というと”導力ネットワーク”の?」

「ええ、そのせいでネット全体に細かなバグが発生していまして。市民サービスや、株式市場にも不具合が発生しているんです。ですが、制御端末を直そうにも地下区画に魔獣が増殖していて……クロスベル軍や遊撃士も忙しいとのことなのでクロスベル帝国政府に”要請”を出したわけです。」

ティオの話を聞いてある事を察したリィン達はそれぞれ冷や汗をかいた。



「そ、それって、”三帝国交流会”関連の警備を優先するためなんじゃ……」

「可能性は高そうだが……地下に普通に魔獣が出るのか。」

「魔獣が増殖した理由も気になるわね……」

「―――なるほど、話はわかった。すると俺達の役目は魔獣の掃討と、端末の修理かな?」

ユウナ達がそれぞれ話し合っている中リィンはティオに確認した。

「いえ―――制御端末の修理は専門的な知識を必要とします。わたしが向かうので、皆さんには念の為に”護衛”をお願いできればと。」

その後リィン達はティオと共にジオフロントに潜り、端末がある場所まで時折襲い掛かってくる魔獣を倒しながら到着した。



~ジオフロント・F区画終点・端末室~



「これが端末室か……」

「……うん、あたしも入ったのは初めてだけど。」

リィン達と共に端末室に到着したティオが端末を操作している中クルトとユウナは興味ありげな表情で周囲を見回し

「それで、状況はどうなのでしょうか?」

「……見た所物理的な故障ではなさそうですし再起動すれば大丈夫でしょう。作業の間、皆さんは――――!……………………」

アルティナに訊ねられたティオは答えかけたが何かに気づくと警戒の表情で周囲を見回した。



「ティオ先輩……?」

「どうしたんですか――――」

ティオの様子が気になったユウナとクルトが声をかけたその時

「――――みんな、構えて!もうすぐ機甲兵に似た”敵”が現れるわ!」

「へ………」

「機甲兵みたいな”敵”……結社の人形兵器の一種か!?」

「機甲兵のような”敵”………リィン教官、セレーネ教官。もしかして――――」

「ええ、わたくし達も恐らくそうだと思っていますわ。」

「―――”来るぞ”!」

予知能力で少し先の未来が見えたゲルドの警告を聞いたその場にいる全員がそれぞれ武装を構えて警戒している中敵の正体にある程度察しがついていたアルティナに視線を向けられたセレーネは頷き、リィンが警告すると巨大な甲冑が出入り口付近に現れた!



「………!」

「こ、これは……!」

「人型―――幻獣ではない……!?」

「いえ……これは!」

「入学式の日に戦った”魔煌兵”の仲間……!?」

「ええ……!内戦時にも現れたタイプです!」

「端末を破壊される訳にはいかない!何としても撃破するぞ!」

「承知―――!」

「了解です!」

「「はい!」」

「ティオ先輩、行きましょう!」

「ええ――――エイオンシステム、全開!」

そしてリィン達は巨大な甲冑――――魔煌兵との戦闘を開始した!



「分析を開始します―――――水属性が弱点で、風属性に抵抗があります!アークス駆動――――」

戦闘開始早々ティオは敵の情報を分析するクラフト―――アナライザーで敵の情報を分析してリィン達に助言した後アーツを撃つ準備をし

「響いて―――――ホワイトソング!……………」

ゲルドは一定時間味方全体のダメージを減少させるブレイブオーダーを発動させた後魔術の詠唱を開始した。

「逃がさない……!ヤァァァァッ!」

「ブリューナク起動、照射。」

「――――!!」

「唸れ……オォォォッ!螺旋撃!!」

「ハァァァァ………切り刻め!!」

ユウナとアルティナがそれぞれ遠距離攻撃のクラフトで敵を攻撃している間に敵の足元に詰め寄ってリィンとクルトはそれぞれ威力が高いクラフトで攻撃し

「……………」

敵は足元のリィンとクルトを攻撃する為に持っていた斧を振り下ろして衝撃波を発生させて二人に攻撃を命中させたが、ゲルドが発動したブレイブオーダーによって受けたダメージを減少させる特殊な障壁の影響によって二人が受けたダメージは些細なダメージだった。

「聖なる水よ、奔流となり、我が仇名す者達に裁きを―――リ・カルナシオン!!」

「えい!ブルーアセンション!!」

「聖なる水よ、奔流となり、邪悪なる者達に裁きを―――リ・カルナシオン!!」

するとその時後方で魔術やアーツの準備をしていたセレーネとティオ、ゲルドがそれぞれ敵にとっての弱点属性かつ高威力のアーツや魔術を発動して敵に大ダメージを与えた。



「――――――――!!」

大ダメージを受けた敵は”高揚”状態になった後咆哮を上げる事で闘志と共に体力や傷を再生させるクラフト――――トライコンボで回復すると共に自己を強化して、更にアーツの準備を開始した。

「……!みんな、敵の視線から一端外れるように動いて!視線を向けた方向にアーツ――――ガリオンフォートを撃ってくるわ!」

「「わかった!」」

「わかりました!」

「了解しました。」

「了解!」

「え……了解しました。」

予知能力で敵の次の行動がわかったゲルドの忠告を聞いたリィン達がそれぞれ敵の視線をから逃れるように動いている中ゲルドの予知能力を知らないティオだけ戸惑いの表情で頷きながらもリィン達のように敵の視線を注意しながら動いていた。

「―――――!」

そしてアーツの準備を終えた敵はゲルドの忠告通りアーツ――――ガリオンフォートを放ったが、攻撃範囲には誰もいなかった為空振りに終わった。

「四の型・改――――紅蓮斬り!!」

「ハァァァァァァ………風よ、斬り裂け!!」

「ヤァァァァァ………ホーリーインパクト!!」

「暗黒属性付与………ダークアーム、滅!!」

「―――――――!」

「アークス駆動――――クリスタルエッジ!!」

「デミガンナー起動………アブソリュート――――ゼロ!!」

敵がアーツを放ち終えた時にできた隙を逃さないリィン達は総攻撃をし

「これで決める……!ヤァァァァァッ!!もう一丁!」

リィン達が総攻撃を終えるとSクラフトを発動したユウナが走り出して敵の目の前にガンブレイカーを叩きつけて衝撃波を発生させて怯ませた後連続攻撃を叩き込んで最後にサマーソルトキックを叩き込んで一端敵から距離を取り

「止めよ――――エクセル―――――ブレイカー!!」

最後にガンブレイカーの銃口に収束した導力エネルギーを解き放った!



「!?――――――!!」

ユウナが放ったガンブレイカーによる連携奥義―――――エクセルブレイカーによる大ダメージを受けて撃破されると思われた敵だったが、リィン達が予想していたよりもタフだった為リィン達の総攻撃とユウナのSクラフトを耐えきり、再びクラフト―――トライコンボを発動して自己再生をすると共に自身を強化した。

「嘘っ!?まさか今のを耐えるなんて……!」

「入学式の時に戦った魔煌兵と比べると相当タフだな……」

「はい。……どうしますか、リィン教官。」

自分達の総攻撃に耐えきった敵に驚いているユウナとクルトの言葉に頷いたアルティナはリィンに判断を訊ね

「……そうだな。ティオ、久しぶりに”アレ”を頼めるか?」

「お安い御用です。」

訊ねられたリィンは少しの間考え込んだ後ティオに視線を向け、視線を向けられたティオは頷いた後魔導杖を構えなおした。



「”アレ”………?」

「教官とティオ先輩は一体何を………」

「フフ、皆さんも今後の戦闘の向上の為にもお二人の戦いよく見ていて下さいね。」

二人の会話が気になったゲルドとユウナが首を傾げている中セレーネが微笑みながらユウナ達に助言をしたその時

「頼んだ、ティオ!」

「お任せ下さい!」

リィンの呼びかけに頷いたティオが魔導杖を構えて結界で敵の動きを封じ込め、そこにリィンが”疾風(はやて)”で敵の周囲を縦横無尽に駆けながら連続で叩き込み、止めの一撃を放つ為に力を溜め込んだ所にティオが自身の導力エネルギーを力を溜め込んでいるリィンの太刀に付与させてリィンの攻撃力を更に強化させ、自身の闘気とティオの導力エネルギーで強化された太刀でリィンは敵に止めの一撃を放った!



「「Ω(オメガ)―――ソード!!」」



「――――――――!?」

ティオの協力によって放たれたリィンとティオの協力技(コンビクラフト)――――Ωソードによって縦に真っ二つに両断された敵は咆哮を上げる暇もなく消滅した!

「今の技は一体………」

「――――協力技(コンビクラフト)です。」

二人の協力技(コンビクラフト)をユウナ達と共に見て呆けた様子で呟いたクルトの疑問にアルティナが答え

協力技(コンビクラフト)………?」

協力技(コンビクラフト)とはその名の通り、息の合った仲間達が協力して放つ”協力技”です。習得は厳しいですが、二人で放つ分威力はSクラフトを凌駕しますわ。」

「そ、そんな(クラフト)があったなんて………!」

「教官とティオさんが扱えるという事は、もしかしてセレーネ教官も………?」

アルティナの答えを聞いて首を傾げたゲルドの新たな疑問に答えたセレーネの説明を聞いたユウナは驚き、クルトはセレーネに視線を向け

「ええ。とは言ってもわたくしはお兄様と比べると、協力技(コンビクラフト)を扱える組み合わせは少ないですが。」

視線を向けられたセレーネは苦笑しながら答えた。



「フウ……”魔煌兵”ですか。エレボニアには今のような存在が?」

「ああ……内戦中に何体か各地に現れたし、故郷(ユミル)にも現れた事がある。どうやら暗黒時代の魔導のゴーレムらしいが………クロスベルに現れたゴーレムとは違うはずだよな?」

一方協力技(コンビクラフト)を放ち終えた後リィンとハイタッチを交わしたティオは一息ついてリィンに魔煌兵の事について訊ね、訊ねられたリィンは答えた後ティオに確認した。

「ええ………あのゴーレムは錬金術を応用した魔導兵で、今程巨大な存在はいなかったですね。一体どうして―――――」

リィンの確認の言葉に頷いたティオは答えたがすぐにある事に気づくと自分と同じようにある事に気づいたリィンとセレーネ、そしてゲルド共に違う方向に視線を向けた。すると新たな魔煌兵が現れた!

「う、うそ………」

「”もう一体”か……!」

「……先程とは別の個体みたいです。」

「わたくしとお兄様は大丈夫ですが……ユウナさん達やティオさんは体力はどうでしょうか?」

「……まだ、若干余裕はありますが………このまま、連戦に移るとユウナさん達はマズイかもしれませんね。」

新たな魔煌兵の登場にユウナ達が驚いている中セレーネに状態を確認されたティオは真剣な表情で答えた。

「リィン教官……?」

「まさか……”あの力”を!?」

一方太刀を収めた様子のリィンを見て不思議に思ったゲルドは首を傾げ、ある事に気づいたクルトは血相を変えた。

「いや――――この距離なら”彼”が呼べるかもしれない。」

「ええっ!?」

「”彼”――――ヴァリマールですか………」

「ですが演習地からでは――――」

リィンがヴァリマールを呼ぼうとしている事を知ったユウナは驚き、ティオは興味ありげな表情をし、ある事に気づいたアルティナがある事を指摘しようとした。

「………届かなければその時は”鬼の力”を解放するか、アイドスの力を借りるだけだ。――――来い!”灰の騎神”………」

そしてリィンがヴァリマールを呼ぼうとしたその時!

「その必要はないわ!」

リィンにとって聞き覚えのある娘の声が聞こえ、声を聞いたリィンが驚いたその時魔煌兵の足元に矢が撃ち込まれた!



「あ………」

「綺麗………」

「弓……?にしてはちょっと形が変わっているけど………」

「今のは……導力仕掛けの弓!?」

矢が飛んできた方向にリィン達が視線を向けるとそこにはアリサとシャロンがリィン達を見下ろしており、二人の登場にアルティナとユウナは呆け、ゲルドはアリサが持っている弓を見て首を傾げ、クルトは驚きの表情でアリサを見つめた。

「まあ……!ふふっ、ステラさんのように1年の間にとても素敵な女性に成長なされましたわね……」

「……間に合いましたか。」

一方セレーネは目を丸くした後微笑み、ティオは安堵の表情で呟いた。



「シャロン!一気に仕留めましょう!」

「ふふ、お任せください。」

アリサの号令に頷いたシャロンは跳躍した後落下しながら無数の鋼糸を解き放った。

(おそ)いですわ――――」

「鋼の………糸……?」

「鋼糸……!?」

「”死線”………」

そしてシャロンが魔煌兵の背後に着地すると魔煌兵は鋼糸によって動きが封じ込められ、それを見たゲルドが首を傾げている中クルトは驚きの表情を浮かべた、アルティナは静かな表情で呟いた。

「もらったわ……!ジブリール・アロー!!」

一方導力弓の形態を変えたアリサは矢の切っ先に凄まじい炎の導力エネルギーを集束させた後炎の導力エネルギーと化した矢を解き放ち

「秘技―――死縛葬送!!」

シャロンは拘束していた鋼糸で魔煌兵を締め付けた!すると締め付けられた鋼糸で魔煌兵が苦しんでいる所に炎の導力エネルギーが命中して炎の大爆発を起こし、それらによるダメージに耐えきれなくなった魔煌兵は消滅した!

「……………………」

「い、今の技は…………」

「………ティオ、まだ出現しそうな気配は?」

「完全になくなりました。もう一安心かと。」

魔煌兵が倒される一連の流れを見たユウナとクルトが呆けている中リィンはティオと新たな敵の出現の有無を確認し合っていた。



「………………」

その後リィン達の所まで下りてシャロンと共に近づいてきたアリサはリィンを黙って見つめ

「………はは、何て言うか。やっぱりマキアスとグルになって狙っていただろう……?」

「フフ、この様子ですとクロスベルに来ているⅦ組の方がまだいるかもしれませんわね。」

見つめられたリィンはセレーネと共に苦笑していた。

「………っ………!」

一方アリサは二人の言葉を聞くと唇を噛みしめた後走ってリィンを抱きしめ

「あはは………気の利いた挨拶をちゃんと考えてたんだけど………いざ会ってみたら全部、吹き飛んじゃったっていうか………」

「そうか………」

アリサの言葉を聞いたリィンは静かな表情で頷いた後アリサを抱きしめた。



「――――久しぶりだ。直接会うのは1年以上ぶりか。綺麗になったな……正直、見違えたくらいだ。」

「ふふっ、貴方の方こそ。………でも一目で、声を聞いただけでわかった。貴方が私達の大切な人で―――――この世で一人しかいない私の愛する人だって。」

「ハハ、それは光栄だな………」

「―――久しぶり、リィン!………ん………っ!………ちゅ………ちゅるる……れる………!」

「んんっ!?……ちょっ……アリ……ティオや生徒達も……見て………」

リィンと互いに抱きしめ合ったアリサは微笑んだ後リィンに反論を許さないかのように何度も舌を絡める程の深い口づけをした。



「うふふ、やはりフォルデ様と私のご推察通りの展開になりましたわね♪」

「な、なななななななな……っ!?ア、アルにはまだ早いから、アルは見ちゃダメ~ッ!」

「あの………わたしは今の光景どころか、教官達の性行為も見た事があるのですから、今更教官達の”らぶらぶ”な所を見せないようにしても意味がないのですが。」

「その…………もしかして彼女もエリゼさん達と同じリィン教官の……?」

「アハハ……はい。”旧Ⅶ組”の一人にして、皆さんが唯一まだ会った事がなかったお兄様の婚約者の一人ですわ。」

「フフ、今の光景を見れば少なくてもあの人がリィン教官の婚約者だって事は誰でもわかるわ。」

「……話は聞いてましたけどちょっとラブラブ過ぎません?ぶっちゃけ、ロイドさんとエリィさんのラブラブっぷりよりも凄いような………」

突如始まった二人のラブシーンに微笑んだシャロンはいつの間にか懐から取り出した携帯ビデオカメラで二人のラブシーンを録画し、顔を真っ赤にして混乱した後両手で自分の目を隠したユウナにアルティナは呆れた表情で答え、気まずそうな表情で二人から視線を逸らしたクルトの疑問に苦笑しながら答えたセレーネの説明にゲルドは微笑みながら指摘し、ティオは落ち着いた様子で二人のラブシーンとあるカップルの普段の様子を思い浮かべて分析していた。

「うふふ………思い、焦がれた日々の長さゆえでしょう。熱いベーゼの一つくらいはご容赦くださいませ。あ、ですが”本命”である再会の挨拶代わりの将来夫婦になるお二人の”愛の営み”を見るのは御遠慮くださいませ♪」

「”愛の営み”………?あ、それってもしかして愛し合っている二人が赤ちゃんを作る為にする――――」

「わーっ!わーっ!男子もいるのに女の子がそんな事を堂々と言っちゃダメよ!」

「って、さすがにそんな事を人前でする訳ないでしょう!?――――というか、いつまで録っているのよ!?そのビデオカメラのデータを今すぐ消去しなさ――――――いッ!!」

ビデオカメラで二人のラブシーンを録画しながら呟いたシャロンの指摘を聞いて一瞬何の事かわからなかったゲルドだったがすぐに察するとその内容を口にしかけ、それを聞いたユウナは顔を真っ赤にして声を上げて制止し、我に返ったアリサは慌ててリィンから離れて顔を真っ赤にしてシャロンを睨んだ。



―――その後、ティオは制御端末の再起動を滞りなく終え……アリサ達が運んできたというメンテナンス用の部品も念のため交換される事になった、



そして、駅前に戻ったⅦ組は落ち着いて話をするためもあり―――――ティオ、アリサたちと共に第Ⅱ分校の演習地に戻るのだった――――――




 
 

 
後書き


という訳でアリサとの再会は皆さんの予想通りの展開だったと思いますww
 
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