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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第九幕その七

「はっきりとはわからないよ」
「先生は日本の宗教を学ぶ一環として来ていてね」
「僕達は観光だけれどね」
「また違うんだね」
「そうした目的では来ていなかったかも知れないんだね」
「うん、観光ではないだろうしね」
 ハウスホーファーさんが高野山に来た理由はです。
「間違いなくね」
「それはそうだろうね」
「僕達もわかるよ」
「何かお話聞いてたら観光には興味なさそうな人だし」
「神秘的なことだろうね」
「多分ね」
「うん、僕も神秘的なことには興味があるしね」
 先生にしてもそうです。
「人間はこの世にある全てのことを知っていないよ」
「神秘的なこともだね」
「否定出来る筈がない」
「根拠も全てわかっていないから」
「それをわかっていくのが学問だから」
「そうだよ、学問はね」
 まさにというのです。
「そうしたことを調べてわかっていくものでもあるから」
「まずは否定しないで」
「調べていく」
「それが大事だってことだね」
「そうなんだ、だからね」
 神秘的なこともというのです。
「まず調べることだよ、それから否定すべきだよ」
「オカルトでも何でもだよね」
「先生はいつもそうしてるね」
「まずは否定しないで調べる」
「そしてはっきりとするまでは言わないね」
「そうだよ、あと現代の科学で未来の技術を否定することもね」
 こうしたこともというのです。
「やってはいけないよ」
「科学は常に進歩するからね」
「そんなことをしても何にもならないね」
「あと現代の科学を絶対として色々否定することも」
「それも意味がないね」
「そうだよ、それは科学ではないよ」
 主張している人が科学を根拠としていると言ってもというのです。
「最早ね、しかも科学が万能かどうか」
「神様じゃないからね、科学も」
「所詮はね」
「だから科学を万能と思って言うとね」
「やっぱり駄目だよね」
「それは中世の神学を絶対として何でも言うのと同じだよ」
 こうした人達と変わらないというのです。
「もうね」
「そうだよね」
「もうそれは同じだよね」
「科学は絶対じゃないしね」
「今の科学も」
「中世の神学も絶対じゃなかったし」
「神学も中世と比べてかなり進んでいるよ」
 そうなっているというのです。
「その時の神学でこの世の全てを定めようとしたからね」
「当時の欧州は失敗したのね」
「ガリレイさんみたいなこともあったし」
「コペルニクスさんのこともあったし」
「もっと酷いことも一杯あったし」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「そうしたことはすべきじゃないよ」
「絶対にだね」
「こうしたことはね」
「してはいけない」
「そうなんだね」
「僕はそう考えているよ、では次はね」
 先生は次に行く場所のこともお話しました。
「女人堂に行こうね」
「うん、じゃあね」
「次はそこに行きましょう」
「その女人堂にね」
「そうしましょう」
 動物の皆も頷いてでした、そうしてです。
 今度はその女人堂に行きました、そして不動坂口にあるその一階建ての木造の建物の前に行くとでした。先生はまた皆にお話しました。 
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