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ロボスの娘で行ってみよう!

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第46話 ヘルクスハイマー伯爵確保


あっさり確保しました。

次回47話でヘーシュリッヒ・エンチェンの運命が決まります?

アイマルラン号の諸元等は なぁ様の【銀河のそよ風】からお借り致しました、ありがとうございます。
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第46話 ヘルクスハイマー伯爵確保

宇宙暦793年1月18日

■フェザーン回廊同盟側出口

旗艦ヘクトルは数隻の艦艇を連れフェザーン回廊出口付近で、ヘルクスハイマー伯爵の乗るアイマルラン号と護衛船とランデブーを行いつつある。民間型に見せかけたシャトルを使い護衛船に情報部の連絡員が乗船し、レーザー通信を行いながら、航路から離れた地点まで誘導し、いよいよ合流である。

「中佐、見事に合流できたな」
「はっ、これからが、腕の見せ所です」
「そうだな、気を引き締めなければな」

ヘルクスハイマー伯爵のアイマルラン号を同盟軍の超大型輸送艦4隻が取り囲み付近から隠すと、ヘクトルからカールセン提督達の乗ったシャトルがアイマルラン号に向かったが、リーファはヘクトルでお留守番である。少しの時間でシャトルは到着しドッキングベイから移乗を開始した。

ローゼンリッターを先頭にドッキングベイを潜ると、緊張した趣でヘルクスハイマー側の警備兵が銃を向けて誰何する。
「卿等は本当に同盟軍の使者であるか?証拠を提示して貰いたい」

尤もな事であるので、次鋒を行く情報部のアーチボルト少佐が元々決められていた、
符号を言い合い更に証拠の品を比べあって納得をさせる。
「小官は、情報部アーチボルト少佐です。此が品です」

「確かに、伺いました。ヤン・タイロンはお元気ですか?」
「ヤン・タイロンは下手の骨董好きで集めた骨董品は全部偽物ですよ」
「此はどうも、小官は元帝国軍大尉デーアと申します」

その言葉を聞き握手する2人。
その合い言葉は、以前バクダッシュにリーファがちょろりと話した事が使われていた。

デーア大尉に連れられて、応接室まで行き、ヘルクスハイマー伯爵との会合が行われる。
応接室前で、インターフォンにデーア大尉がカールセン提督達の来訪を告げる。
「伯爵、デーアであります。同盟軍代表者の方々をお連れ致しました」

扉が開き、中から執事が現れ、案内をする。
「どうぞ此方へ」
応接室に入ると、一人の男がソファーから立ち上がり話しかけてくる。

「同盟軍の方々良くいらっしゃいました。私が帝国伯爵フランツ・フェルデナント・フォン・ヘルクスハイマーです。この度は亡命を認めて頂き誠に忝ない」
流石のヘルクスハイマー伯爵も帝国時代の尊大であった時と違い、若干遜り挨拶をする。それにカールセン提督が答える。

「はじめまして、小官は自由惑星同盟軍少将ラルフ・カールセンと申します。
伯爵の亡命の安全を守るために微力を尽くす所存です」
がっちりと握手する2人。

「伯爵の御家族は?」
「ああ、妻は毒殺されてな、娘は寝室で寝かしつけてあるのだよ」
「それは、おつらいでしょうな」

「此処まで来れたことを僥倖と考えますよ」
「伯爵、今からこの船を彼処にいる輸送艦に収納します。更に護衛船の人員も全て輸送船に移乗させて頂きたいのですが」

「なぜかな?」
「この船の速度では艦隊に付いてくることが出来ませんし、万が一の襲撃の際に守りきれませんので」
「襲撃とは?」

「その事については小官がご説明します」
「ラップ少佐頼む」
「はっ。小官はラップ少佐と申します。伯爵を追撃するためにイゼルローン回廊から巡航艦一隻が潜入した情報があります。目的は伯爵の殺害と予想されます。その為に早急に長距離ワープで移動しますが、敵巡航艦を撃破するために、囮として護衛船を頂きたいのです」

ヘルクスハイマー伯爵は少し考えたあとで、覚悟したように話し始める。
「判った、提督の言うとおりにしよう、デーア直ぐに護衛船に連絡を入れよ」
「御意にございます」

その後、ヘルクスハイマー伯爵側と同盟軍側で諸事の話し合いが行われ。輸送艦にアイマルラン号が引き込まれて係留された。それと同時に護衛船から人員が全て輸送艦に移乗し準備が整うと、輸送艦とカールセン艦隊から裂かれた護衛の300隻が長距離ワープで移動して行った。

移動先は惑星ルジアーナ造兵工廠で、到着したあと侵入巡航艦捕縛作戦終了後に共にハイネセンへ移動する事に成っている。

フェザーン回廊出口では、工兵隊が輸送艦内に引き込んだ護衛船に無人操縦システムの構築と、常時電波を発し続けて攻撃された場合に電波が途絶えるような装置が取り付けられた。また偽アイマルラン号もリーファアイデアの仕掛けがブリッジ、機関室、船倉、応接室など数カ所に作られおり、同じ様に電波発信装置が仕掛けていた。

突貫工事で2時間後全ての準備が済み輸送艦から偽アイマルラン号と護衛船が引き出され自動操縦でゆっくりと移動をはじめた。それを旗艦ヘクトルからカールセン提督達と共にリーファも眺めている。

「アッテンボロー中佐、いよいよ始まる訳だな」
「はい。これからが第二ステージです」
「しかし。無人でよかったのかね?」

「敵の目的は、伯爵の持つ新兵器が同盟に渡さないことです。その為なら船ごと撃沈もあり得ます。敵が拿捕する可能性があるかも知れないですが、そんなあやふやなことに、兵の命をかけることは出来ません。兵を無駄死にさせかねませんから」

その言葉に艦橋にいた皆が頷いた。
「そうだな、中佐。その心が大事だな」
カールセン提督がウンウンという感じで納得している。

「中佐、我々からも礼を言いますぞ」
「シェーンコップ中佐、大したことじゃないですよ」
「いや、中佐のお陰で、又我々は犬死にしないで済みましたからな」

「それほどでもないですけどね、その代わり、巡航艦襲撃では苦労して貰いますからね」
「お任せあれ、姫君の仰せの様に」
シェーンコップは笑いながら言うから、全然説得力が無かったのである。

「プププ。中佐、本物のお姫様は又後で会えるわよ」
「そうでしょうが。我々ローゼンリッターでは、中佐が姫であり、女神様なんですがね」
「フフ、破壊の女神《カーリー》 かしら、それとも冥王姫《ペルセポネー》かもよ」

「ハハハ。それでは我々は、獄卒ですかな」
「アハハ」
艦橋が笑いに包まれていた。

「各戦隊所定の地点で待機せよ。獲物が餌に食いついたら、速やかに所定位置にワープアウトし敵艦を包囲せよ。敵艦にはローゼンリッターが強襲揚陸艦で突撃する為沈めないようにせよ。各員の努力に期待する。以上」

カールセン提督の訓令と共に50隻ずつに分かれた14グループが各々の待機地点へワープしていく。又通常型貨客船に偽装し情報部員が乗った小型輸送艦(原作の親不孝号、アンデューティネス号と同型の小型輸送艦)が若干速度を上げた状態(経済速度)で離れた航路から監視を続ける事に成っている。

旗艦ヘクトル以下強襲揚陸艦を含む、50隻は尤も巡航艦に近い地点へワープアウトするためにドールトン大尉が航路計算を行っている。リーファはシェーンコップと突入時の話し合いの最中である。ラップはカールセン提督と作戦の詰めで相談中である。

スールズカリッターはヘルクスハイマー伯爵一行の案内人として輸送艦に移動して行った為、此処には不在である。それがスールズカリッターの今後の人生に意外な事件を引き起こすとは、この時原作とOVAを見て大概のことを知っているリーファを含めて、誰も思いつかなかったのであった。


帝国暦484年1月18日

■フェザーン回廊同盟側出口

帝国軍巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンは何の妨害も受けず当初の目的通り、フェザーン駐在武官からの連絡を受ける所定の地点へと到着した。停泊するとフェザーンからの暗号電文でヘルクスハイマーが既にフェザーンを出港したとの緊急連絡が到着した。

「既に16時間前にフェザーンを出港した模様です」
「船の細評も来ましたが、武装船一隻も付いている訳ですな」
「航海長現在の推定位置を計算してくれ」

「艦長不味いですな、既に回廊を出ている可能性が高いですな」

「推定位置でました」
「敵を避ける一日がたたりましたな」
「艦長どうしますか?」
「頭は押さえられなかったが、未だ間に合う追撃するぞ」

「航跡はたどれるか?」
「5次元レーダー細評解析を行っていますが、該当する時間帯に回廊を出た船は22隻が認められます」
「その中で単独で行動している船を除け」

「残りは7組16隻です」
「三隻で行動しているのは?」
「此と此です」

「それも除け」
「残りは5組10隻です」
「副長どれだと思う?」

「やはり一番速度の遅い船ではないでしょうか?」
「理由は?」
「目標の船以外はフェザーンの商船と思われます。商船は商品を運んでいる性格上最短距離を最速で運ぶのが普通です。逆にヘルクスハイマーには最早急ぐ理由はありません」

「そんな事はない彼等は亡命者だ、一刻も早く同盟政府・・・いや・・その・・・叛徒の首魁共の保護下に入ろうと必死だろう、一番速い船をこそ疑うべきだ。艦長はどうなのですか?」

「私は副長と同意見だ」
「艦長」
「目標はこの一番遅い船と見た。全速で追うぞ」

ヘーシュリッヒ・エンチェンは、フェザーン方面に向かう商船に合うと直ぐさま航路を変えジグザグ航路で移動していく。その先にラインハルト抹殺を計る、リーファの仕掛けた大いなる罠の口が閉じていくのも判らずに。
 
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