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ロボスの娘で行ってみよう!

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第44話 リーファの決意


43話のクブルスリーからの許可の下りは修正しました。
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第44話 リーファの決意

宇宙暦793年1月1日

■自由惑星同盟 ガンダルヴァ星系

793年の新年を戦艦ヘクトル上で迎えたリーファ・L・アッテンボローです。一応若妻ですけど新婚早々家庭内ならぬ銀河系別居中です。ささやかですが、クリスマスとニューイヤー祭は行いましたけど、艦隊員は家族とのクリスマスを迎えられないでガッカリです。

まあ、ローゼンリッターは、相も変わらず酒飲んで騒いでいますけどね。

12月24日に宇宙艦隊総司令部からのグリーンヒル中将にだけに渡しておいた。今回限りの使い捨て符号を使った緊急暗号電で12月22日にイゼルローン回廊から敵巡航艦が出てきた後、味方パトロール艦隊と遭遇後回廊内に逃げ去り、その後帝国パトロール艦隊と交戦になったと来たのです。

その電文受けた時は、心の中で小躍りしてましたよ。ラインハルト来たーーー!!って某虹橋封鎖の山本○広風に言いたくなりましたよ。此で、訓練と称して態々1000隻もの艦船を引き連れての遠征が無駄にならなくなりましたよ。

思いだしますね。クブルスリー本部次長に説明した、あの苦労を。

『宜しいでしょうか?クブルスリー閣下』
『どうしたね中佐?』
『ヘルクスハイマー伯爵の護衛に艦隊を送りたいのですが』

『中佐、この資料によるとファザーンの民間護衛会社の護衛が付くし、フェザーン回廊から同盟領方面は、星間パトロールも居るから宇宙海賊襲撃の危機も無いのではないかね?』

『クブルスリー閣下、ヘルクスハイマー伯爵は帝国の新兵器を所持しています。それが同盟に渡るのを、帝国が手をこまねいて見ているでしょうか?』

『それはそうかも知れんが、一亡命者に艦隊を送るなど、公平性に問題が生じるのではないか』
『確かにそうなのですが、かの御仁は先頃まで帝国の有力な門閥貴族リッテンハイム侯爵の懐刀と言っても良い人物でした。そんな人物が逃げ込んで来るのです。必ずや帝国の内部事情になにかが生じたに違い有りません』

『しかし、それは中佐の憶測に基づいた事だろう』
『憶測ではなく、情報部からの連絡で先ほど判明した事があります』
『それは何かね?』

『先頃、ヘルクスハイマー伯爵夫人が何者かに毒殺されました。その際に、伯爵と伯爵令嬢も危なかったとの事です。この直後伯爵は同盟への亡命を決意しています』
『うむ、貴族では毒殺など日常茶飯事では無いのかね?』

『そこまで帝国も怖くは有りません。恐らくはよほど重要な何かを知って亡命を図ったのでしょう』
『うむー、しかしな、護衛なら、近隣の星系守備隊を送ればいいだろう』
『しかし、敵は何をするか判らないのですから』

『閣下、お時間です』
『ああ。もうそんな時間か、悪いが中佐、この兼は近隣の星系守備隊から2隻も向かわせれば、事足りだろう』

『閣下!』
『私は貴官がロボス宇宙艦隊司令長官令嬢だからと、特別扱いする気はないから、そのつもりでいて欲しいものだ。無理を通せば道理が引っ込む事はしないからね』

クブルスリー中将は公明正大なんだけど、此処では悪い方に流れたよ。しかも何故か副官がヴィオラ中佐だったから、更に最悪だったよな。副官はウィッティだったはずだけど、彼はどうしたんだと思ったね。

あーあの時は、まさか指向性ゼッフル粒子だけじゃなく、皇位継承を根底から覆るとか、追撃艦の艦長がラインハルトだとか言えないから、校長や親父みたいに我が儘通してくれ無いからね。私は、クブルスリー中将は殆ど接点無いから、杓子定規に公平性を殊更主張してきたからね。

フォークの野郎のせいで、校長と親父が撃たれて入院の結果、危うくラインハルト捕殺が出来なく成るところだったよ。今回ばかりは、贔屓されていたのが裏目に出たね。

仕方が無いので、グリーンヒル中将の元へ行って話したら、艦隊派遣に二つ返事でOkくれたんだけど。統合作戦本部の命令がないと駄目だからと言われたので、お見舞いついでにシトレ本部長に相談しに行ったら、話聞いてくれた上に、あとで色々とバックアップしてくれたんだよね。

『本部長、お疲れ様です』
『おう、ロボス中佐、いや今はアッテンボロー中佐だったな』
『一応ですけど、エヘヘ』

『それで、相談事はなにかな?』
『えっ?』
『私は、此でも教育者だったからな。生徒が何を言いたいかぐらいは判るつもりだ』

『流石校長ですね』
『煽てても何もでんぞ』
『はい、ヘルクスハイマー伯爵亡命なのですが』

『うむ、聞いている、でそれがどうしたのかね』
それから、新兵器のことや、宮廷闘争のことや、追撃の可能性が有ることを言ったんだよな。
『なるほど、中佐は亡命を阻止する為に帝国が思い切った手を行うという訳か』

『はい、一番簡単なのが、宇宙海賊の仕業に見せかけて、襲撃する』
『しかし、それなら、星間パトロールでも対処可能だな』
『そうです。それならば、フェザーンから多数の仮装巡航艦で追撃する可能性も有ります』

『その辺は正しいかも知れないな』
『はい、更に超大型貨物船内に艦艇を搭載し同盟領内で放ち襲撃する』
『伯爵の持つ新兵器と情報が重要で有ればあるほど、あり得る話だ』

『もう一つは、イゼルローン回廊側から同盟領へ侵入し辺境星域を通過しての襲撃です』
『うむー』
『回廊さえ抜けてしまえば、広大な宇宙空間です、隠れるところは幾らでも有りますし、我が軍や星間パトロールが全域を哨戒出来るはずが無いですから』
 
『確かにあり得る話だが、フェザーン回廊付近まで来て首尾良く伯爵の亡命を阻止したとして、その後どうやって帝国へ帰るのだね?』
『元来た道を帰るのは、よほどの者以外は行わないでしょう。そうなれば、艦艇を爆破処分し、人員だけをフェザーン船籍の貨物船にでも移動してフェザーン経由で帰還可能です』

『なるほど、固定観念を捨てねばならん訳だ』
『作戦の為なら、艦艇の一隻や二隻など捨てても惜しくないはずです』
『判った、中佐、私からクブルスリーに連絡を入れておこう』

『お願いします』

そうしたら、直ぐに本部長が連絡してくれたんだけど。翌日次長室へ呼び出されて、叱責されたんだよね。

『アッテンボロー中佐入ります』
入ったら、ムスッとしているクブルスリー中将と、したり顔のヴィオラが居たんだよね。
『中佐、私は昨日、ヘルクスハイマー伯爵については特別扱いしないと言ったはずだが』

『確かにそう伺いました』
『出は何故、シトレ本部長から、護衛の艦隊を出せと連絡が来たのかね?』
『次長閣下、アッテンボロー中佐の越権行為は明白ですぞ』

『幾ら本部長のお話でも、現在の統合作戦本部の行動を決めるのは小官である、本部長閣下が現役復帰までは、例え本部長閣下でも横紙破りはして欲しく無いのだよ。中佐、此が軍隊と言うものだ』

『そうですぞ、中佐は新婚でも未だに同衾して居ないそうでは無いですか、
休暇でも取って休んだらどうですかな』
セクハラ言うな、メタボのヴィオラめ!!と思いましたよ。
それに、クブルスリー中将は杓子定規すぎで、原作でフォークに撃たれたのかも知れないと感じたよ。

『中佐、以上だ、帰って宜しい』
『はっ』

はらわたが煮えくり返る思いでしたがじっと我慢で、返事して席へ帰りましたよ。
その姿見てワイドボーン先輩が来て話聞いてくれたら、悪知恵を授けてくれましたよ。

『おい、リーファどうした?』

斯く斯く然然で、今までの事を話しましたよ。

『ふむ、ヴィオラの奴が入れ知恵したな』
『なるほどね』
『向こうさんは40前で未だ中佐、俺達は20前半で中佐だ、嫉妬も有るわ』

『それでも、次長が彼処までとは』
『それは、あれだな、あの人は公明正大だから、俺達の横紙破りが軍隊組織を悪くすると考えたのだろうな』

『しかし、この時期とは、熟々タイミングが悪いですよ。下手すれば、亡命失敗ですよ』
まさかあの時、このままだと完全に失敗すると原作知識で言う訳にも行かなかったんだけど、流石はワイドボーン先輩だったね。

『其処でだ、本来艦隊派遣の決裁権は統合作戦本部長に有るんだけど、
本部長が決済しないでも動ける方法があるんだな』
『それは?』

『リーファ、忘れてないか、宇宙艦隊司令部直属の艦艇なら司令長官の命令で訓練なら可能だろう』
『なるほど』
『そう言う訳だ』

『其処で俺は、こういう物を用意した』
『それは?』
『アッテンボロー中佐、ドールトン大尉、スールズカリッター大尉に宇宙艦隊新規戦力の訓練の為、宇宙艦隊総司令部へ出張を命じた公文書だ』

『こんな物をどうやって?』
『お前が呼び出し受けて居る最中に本部長から連絡が有ってな』
『流石本部長感謝しますよ』

『おいおい、俺には無しかよ』
『先輩にも感謝致します。ワイドボーン大明神様』
『よせやい、気持ちが悪いわ』

その後、訓練と称して、グリーンヒル中将から許可を貰って、訓練目的で1000隻とカールセン少将とフィッシャー大佐をもぎ取ってきたさ。ついでにラップ先輩も連れて来たのも、訓練目的を正当化するためだったんだよね。ラップ先輩出汁にしてご免なさい。

同じ理由でローゼンリッター第二連隊を連れてきたと言う理由付けにもなってるんだ。宇宙戦闘になれていない新規連隊の訓練目的であると。我々はその訓練の監察官として参加という絡繰りですからね。

訓練艦隊が偶然、演習地点に選んだフェザーン回廊付近で亡命者を保護した、其処で何故か帝国軍が現れたので撃退したと。それに後でクブルスリー中将に何か言われても、訓練中であったと押し切ると、ありがたい事にグリーンヒル中将が言ってくれました。

今回はかなり強引なので、後が怖いですけど、ラインハルト捕殺という同盟の未来の為には、自分の経歴に傷が付くぐらいは平気ですよ。シトレ本部長やグリーンヒル中将には此からも軍を率いてもらわないと駄目ですからね。いざとなれば私が退役して責任を取るつもりですから。

早くラインハルトを捕殺して、ヘルクスハイマー伯爵を捕獲しないとですからね。マルガレータちゃんは可愛いのでしょうね。それが一服の清涼剤になるはずですから。それそろ、ラインハルト捕殺の作戦をみんなと話し合わないといけませんね。

ルグランジュ提督じゃないけど、自由惑星同盟よ栄光なれ状態なテンションになりそうですね。
 
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