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女スナイパーのトラブル

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第一章

               女スナイパーのトラブル
 アルフレッサ=G=シャナクタールはスナイパーだ、与えられた仕事は全てこなすことで知られている。
 だが今彼女は困っていた、何と警察の厄介になっていたのだ。
 彼女は警察署の中で警官にこう言われていた。
「じゃああんた覚えていないのか」
「そうだ」
 右目の眼帯が特徴的な顔でだ、アルフレッサは警官に取調室の中で答えた。
「私は何をした」
「ナンパした中年のおっさんに噛みついた」
「噛みついたのか、私が」
「虎みたいにな」
「酔ったから虎か」
「そこで駄洒落言うか」
 警官の方が呆れた。
「そこで」
「駄洒落になっていたか」
「気付いていないのか、それでその後川に飛び込んだんだ」
「この街の川にか」
「暑いとか言ってな」
 そうしてというのだ。
「飛び込んだっていうな」
「成程な」
「そして川の中でクロールしてな」
「それからどうなった」
「川の堤防のコンクリートに頭ぶつけてな」
 それからだというのだ。
「気絶して今ここにいるんだよ」
「トラ箱に入れられていてか」
「そうだよ、それであんた仕事は何だよ」
 警官は今度はアルフレッサの身元を尋ねた。
「一体な」
「スナイパーだ」
「スナイパー?冗談はいいからな」
 警官はアルフレッサの冗談でない言葉にこう返した。
「本当の仕事を言ってくれ」
「だからスナイパーだ」
「冗談はもういい、とにかくな」
「私の仕事はか」
「本当は何だ」
「仕方がない。メイドにでもしておいてくれ」
「ああ、眼帯のメイドか」
 それならと言う警官だった。
「マニアックだな」
「そう思ってくれるか」
「それならいい、とにかくな」
「私の仕事はメイドだな」
「ああ、それで名前は何だ」
「アルフレッサ=G=シャナクタール」
 またしても素直に答えた、裏家業だが素直に本名を言った。
「覚えておけ」
「ああ、アルフレッサさんね」
 警官は覚えておけという言葉はスルーした。
「はい、書いたよ」
「うむ、では今度はどうすればいい」
「一応免許とか見せてくれる?」
「偽造の運転免許や保険証でいいか」
「だからそうした冗談はいいから」
 また取り合わない警官だった。
「ひょっとしてまだ酔ってるの?」
「もう酔いは醒めた」
「いや、醒めてないでしょ」
 それでというのだ。
「そんな冗談言うなら」
「そう思うか」
「思うよ、けれどもういいから」
 それはと言うのだった、警官の方も。
「調書書いたら帰っていいから」
「警察署を出ていいか」
「ああ、いいよ。もう二度と来ない様にね」
 警官はこう言ってアルフレッサを警察署から出した、こうしてアルフレッサは朝の街に出たのだが。
 ふと学校をさぼってだべっている不良達を街の傍らで見付けて尋ねた。
「何をしている」
「何って学校さぼってるんだよ」
「たりいからよ」
「それがどうかしたのかよ」
「おばさん指導員か?」
「おばさんとは何だ」
 アルフレッサはその言葉にカチンときた、それでだった。  
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