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リング

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207部分:ラグナロクの光輝その六十一


ラグナロクの光輝その六十一

 彼等の祈りは通じた。ロンギヌスからの一撃は見事ファゾルトを貫いた。黒竜は断末魔の咆哮の後爆発しその姿を消した。これで竜は倒したのであった。
「やったぞ!」
「竜が倒れた!」
「総帥、六隻の僚艦から報告です!」
 続いてヴァルター達からも通信が入った。
「それぞれファフナーをミョッルニルで倒したとのことです。七匹の竜はこれで完全に姿を消しました!」
「やりましたね」
「はい!」
 皆パルジファルの言葉に応える。
「これで残る敵はニーベルングとその艦隊のみです」
「ですが」
 だがここでまた報告があがった。
「彼等は我々が竜の相手をしている間に陣形を整え終えました」
「既に迎撃態勢を整えております」
「その数百個艦隊」
「まさに互角と言えましょう」
「戦いは次の段階に進みました」
 戦いはまだ終わったわけではない。パルジファルもそれをはっきりと認識していた。
「次は敵の主力艦隊です」
「はい」
「まずは友軍と合流します」
「このままですね」
「そうです。そして合流した後」
 彼の指示は続く。
「そのまま正面から決戦を挑みます」
「正面からですか」
「そうです」
 その言葉には迷いというものがなかった。
「最後の決戦に相応しく」
「堂々とですか」
「そういうことです。それでどうでしょうか」
「我々としてはそれで異存はない」
 六人の同志達がモニターに姿を現わした。竜を倒した彼等はその英気を宿したままパルジファルに答えた。
「これが最後だ。ならば正面から決める」
 ローエングリンが最初に言う。
「そうだな。相手もそのつもりだ」
 ヴァルターがそれに頷く。
「それならば。こちらも受けて立つ必要がある」
 トリスタンも同じ考えであった。
「安心してくれ。我々はそれでも敗れはしない」
 ジークフリートもそこにいた。
「勝利を収める。その為にここいいるのだから」
 タンホイザーが言った。
「だからよ、一気に正面から叩き潰そうぜ」
 最後にジークムントが彼等の意はパルジファルのそれと同じであった。
「それでは行きますか」
「うむ」
 今七人の心は一つになっていた。
「そして私達も」
 モニターが切り替わった。九人のワルキューレ達が白銀のパイロットスーツに身を包みそこに現われたのだ。
「最後の戦いの時ですね」
「お願いできますか?」
「当然です」
「私達もまた。ラグナロクの為に生きてきた者達ですから」
「そうですか。では共に」
「はい」
 彼女達も戦士であった。覚悟はある。その覚悟を今見せようとしていた。
 連合軍は果敢な攻撃に取り掛かった。激しい砲撃の後で突進する。
「艦載機発進用意!」
「艦載機発進用意!」
 またしても号令が復唱される。そして九機のワルキューレが姿を現わした。
「わかっているわね」
 ブリュンヒルテが他の八人に対して通信を入れる。仲間達はその後ろにいた。
 
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