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夢幻水滸伝

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第五十一話 東国からの使者その一

               第五十一話  東国からの使者
 中里達は夕食の炭焼きを神星の面々で囲んで食べていた、鍋の中には牛肉の他には葱に椎茸、しらたき、菊菜に糸蒟蒻そして麩が入っていた。
 そのすき焼きの菊菜と葱を食べつつだ、芥川は中里に言った。
「ちょっと自分に頼みたいことある」
「何や?」
「あちこちの勢力の星の奴のこと頭に入れておいてくれるか」
 自分の椀の中の野菜達を食べてから中里に言った、見れば中里はその二つの他にしいたけも食べている。
「それぞれの地域のこともな」
「戦う相手のこと、そして戦う場所のことをやな」
「そや、そうしたものを頭に入れておくとな」
「より有利に戦えるしな」
「それでや」
 まさにその為にというのだ。
「今はな」
「他の勢力の星の連中のことにやな」
「地域の地形や気候をな」
「頭に入れておくんやな」
「あと敵の軍勢のこともや」
 このこともというのだ。
「頭に入れてもらいたい」
「敵を知れば、やしな」
「そや、自分にはほんまにな」
 何といってもというのだ、六将星の一人であり関西で戦の時は中心になって戦う中里はというのだ。
「軸になって戦ってもらってるからな」
「それでやな」
「是非や」
「そうしたことを頭に入れて」
「戦ってもらいたい、ええか」
「わかったわ」
 中里は芥川に即答で答えた。
「そうさせてもらうわ」
「戦はやっぱりな」
「相手や戦う場所を知る」
「それで戦って勝つもんや」
 それでというのだ。
「そやから頼むで」
「ああ、そっちの勉強もするか」
「そういうことでな、それとやけど」
 芥川は次は綾乃に顔を向けた、綾乃はすき焼きを食べつつ酒もいつもの勢いで飲んでいる。実にいい具合だ。
「傭兵の四人やけど」
「あの娘達やね」
「雇ってるのは日本統一までやったけどな」
「それからのことはな」
「まだ決まってないやろ」
「それをやね」
「そや、今のうちにや」
 まさにと言うのだった。
「その話を決めておくべきやろな」
「そやね、あの娘達ええ娘達やし」
「ええ娘かっていうとな」
 それはとだ、芥川は綾乃のその話には笑って否定して言った。
「いい加減で怠け者の方がええやろ」
「そやろか」
「確かに人としての道は踏み外さんけどな」
 あの四人はそうしたことはしない、軍勢を率いる時も兵達に無体なことは一切許しはせず軍規軍律は他の者達と同じく徹底させている。
「今言った通りな」
「いい加減で怠け者っていうんや」
「そやからな」
 いい娘達ではないというのだ。
「どうもな、まあとにかくあの四人もな」
「これからもやね」
「契約延長というか完全に迎え入れたいわ」
 関西の勢力にというのだ。
「ずっとな」
「それがええな」
 中里も芥川のその話に同意して頷いた。
「あの四人も戦力になってるしな」
「戦も内政も出来るやろ」
「確かに適当で目を離すすぐにさぼるけどな」 
 中里から見てのあの四人はそうした連中なのだ。 
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