| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「冬寂月」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

四十一




 切なれど

  想い儚く

   春も暮れ

 夜に鳴く鳥の

   声にしみたる



 ひたすらに想い続けたとして、そんな想いは儚く…瞬く間に去りたる春のように、侘しく記憶に残るだけ…。

 夜更けにため息をつけば鳥は鳴き…その声音の寂しさに、ただただ染み入るしかない…。



 年経れば

  頭に雪の

   つもりけり

 とけぬ想いそ

   尚もつもりぬ



 若いつもりが…鏡を見れば白髪ばかりに…。

 もうこんな歳になったのだと、虚しくなってしまうものだ…。

 それなのに…想いは少しも変わらず、今も取り留めもなく降り注ぐ…。


 これだけ愛せたのだから…私の人生は充分なのかも知れないな…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧