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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百五話

「おぉー…すげぇ。ハリポタっぽい」

ユーロスターから降り、旅程を確認する。

「取り敢えず荷物をホテルに置いてから観光しよう」

「ホテルの場所は?」

「ホテル・アヴァロン。ここの近くだよ」

すると俺の両隣にリムとエレンがきて、俺の手に抱き付いた。

「どうした二人とも?」

「でんしゃの中では、一緒にいられなかったので…」

「一夏おねーちゃんといちゃいちゃするの!」

後ろから抱きつかれた。

「わたしもおにーちゃんといちゃいちゃする!」

円香まで…

チラと見れば、アルシャーヴィン夫婦と姉さんが上手く行ったという顔をしていた。

なるほど、たしかにコレでは俺も復讐の準備ができない。

やられたな。

「若。ウチの子をたのんだぞ」

「お前らは?」

「姫の護衛だが?」

「ならお前らも俺と来るだろうが」

「確かにそうだが俺たちゃ狙撃やら何やら警戒しなきゃいけないんだよ」

あぁ…なるほど…

「わかったよ…」

姉さんに目を向けると無言でニヤリと笑った。

箒が俺の頭に手を置いた。

「一夏。幼女ハーレムだな」

「やめろ。そんな外聞の悪い呼称をするな」

すすすす…と簪が目の前に来てしゃがんだ。

「一夏ちゃんの百合幼女ハーレム」

イラッときた。

「喧しい」

しゃがんだ簪の額にデコピンをかます。

「ふやっ!?」

「幼女ハーレムは仕方ない。だが百合だけは認めないからな」

「あっれれぇ~?ハーレムなのはみとめるんだぁ?」

刀奈が中腰で俺に視線を合わせて、ニヤニヤしていた。

「今度はお前か更識姉」

「ねぇねぇハーレムって認めるのぉ?
全員めとっちゃう?」

「リム。エレン」

「「ん」」

リムとエレンが俺の手から離れる。

右手を刀奈の後頭部に回し、引き寄せる。

そして左手に障壁をはり…

ずぼっ!

左の人差し指と中指を刀奈の鼻に突っ込む。

「ひょ!ひょっひょ!何すゆのよ!?」

「うるせぇ」

突っ込んだ指で刀奈を突き上げる。

指がぬけ、刀奈が大きくのけ反ったあと、うずくまった。

「はっはにゃがぁ!?」

と叫ぶ刀奈を見下ろす。

「大丈夫大丈夫。障壁で被ってたから爪でお前の鼻の中は傷ついてないし、お前のきたねぇ鼻水も俺の指についてねぇし」

「最悪ね!?簪ちゃんと対応違いすぎない!?」

「お前には前科があんだろうが。あぁん?」

「くっそぉぅ…!」

「円香、リム、エレン。こういう大人になっちゃだめだぞ?いいな?」

「「うん!わかった」」

「わかりました」

「お姉ちゃん…哀れ…」

「お嬢様……いえ…なんでもございません」

「お嬢様の没落~」

「ねぇみんな酷くない!?」

すると何を思ったか箒が刀奈の側に寄り添った。

そして、耳元で何かを囁いた。

すると見ていてわかる程顔を赤くした刀奈が飛び上がり、束さんの後ろに隠れた。

「あっ貴女の妹でしょ!?どっどどどうにかしてください束博士!」

「んー? 面白いからこのままでー」

「姉妹揃って鬼ですか!?」

「更識姉。言っても無駄だ。その二人は基本的に快楽主義者だからな」

ニヤニヤしている箒を見やる。

「何言ったんだお前?」

「うん?」

箒がエレン、リム、円香を見て…

「ちょっと言えない事だ」

「あぁ…なるほど…」

要するにあからさまなエロ台詞でも言ったのだろう。

そのあとも少しギャイギャイやってたのだが。

「ガキ共。おふざけはこれくらいにしてホテルに向かうぞ」

という姉さんの一言でホテルに向かう事になった。

移動は徒歩だ。

駅の近くだし人数が人数だ。

「一夏。少しこっちに来い」

駅から出ると箒に手招きされた。

「どうした?」

近づくと、箒しゃがみ、鼻同士がピタッとくっついた。

「箒?」

だが直ぐに箒がやめ、無言で歩き出した。

「なんだったんだ?」

箒の行動を不思議に思いつつ、幼女三人娘と話していると、すぐにホテルに到着した。

ホテルのロビーにて。

「若。部屋はリム、エレン、円香ちゃんと同じにしといた」

「おい。色々おい」

「ヴァナディースと姫からの要望だ。
まさか若がリム達に手を出すとも思えんしな」

姉さん…箒…

「わかったよ。わかったわかった。
なんでかって理由も予想はついているが、俺は止まらないからな。
絶対にやりとげるぞ」

「そうか。俺は若を止めない。それに殺人を否定しない。今度はただ従っただけだ」

優しいな。お前は。

「ありがとよ。ヴィッサリオン」

「なんて事はない。ただ、男の覚悟を踏みにじるような事はしたくないだけだ。
たとえその覚悟が憎悪にまみれた復讐でも」







荷物をホテルに預けた後はベーカー街へ行ってみた。

ホームズ縁の地だ。

簪に肩をたたかれた。

「あんまり楽しくなさそうだね、一夏」

俺はミステリーはあまり読まない。

途中で俺ならこうしている、とか思ってしまうからだ。

殺しの方法も、犯人を見つける方法も。

生前…前世ではミステリーもそれなりに読んでいたけど、転生してからは、読まなくなった。

傲慢だと自覚しているが、俺は現実にミステリーのような事件が起こったなら、トリックも、動機も全てを見通せる目を持っているのだ。

「俺達は、ミステリーの登場人物にはなれないな」

「あら?どうしてかしら?」

と刀奈に尋ねられた。

「完全犯罪もできるし、サイコメトリクスやテレパシーも使える。
ノックスの十戒に反しすぎている」

完全犯罪では話が始まらない。

犯人の心を読めばそこで話が終わる。

「でも、最近はそういうミステリーもあったわよ?
超能力を暴く系ミステリー」

あぁ…スペックか…。

「懐かしいな…」

こっちでも存在する物語だが、こっちでは見ていない。

だから、おれからすれば十数年ほど前だ。

「一夏はどんなスペック?」

「ん?それは魔法とか全部込みでか?」

「うん」

スペックかぁ…俺の能力をスペックで現すと?

いや…大抵の事はできるからなぁ…。

時間操作は流石にできないが、空間跳躍はまだできないけど目処が立ってるし…

「取り敢えず、死者蘇生と時空間操作以外なら大抵できるぞ」

「国を滅ぼすのも?」

「十分あればできる」

「地球を壊すのも?」

「がんばればできる」

「宇宙を壊すのは?」

「やり方を知らない」

更識姉妹がうわぁ…みたいな顔をした。

「言っとくが同じ事できる奴他にもいるからな?」

例えばキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。

彼女がその気になれば、世界は滅ぶ。

死屍累生死郎が復活すれば、さらに一人。

束さんもその気になれば全てのISコアにアドミニストレイションコールして人類を駆逐できる。

セルピヌスコードで縛っているが、カンファレンスに命令すれば3日で世界を滅ぼせる。

あと、お前もできるだろう?なぁ奏。

『今は出来ねぇがな』

「へぇ…生身の一夏とISが戦ったら?」

生身かぁ…

「世代は?」

「へ?」

「だから、世代だよ。第一と第二には絶対勝てる。
だけど第零…世間で言うところの二つの白騎士には生身じゃ難しい。
あと第三…いや第四か第五辺りからたぶん勝てなくなる」

白騎士は、束さんの最高傑作…

ナイト・オブ・トレイターはカンヘルの試作機…

両機の基本フレームはサイコEカーボン…

ナイト・オブ・トレイターは俺しか扱えないが、ISを纏った方が戦える。

第三世代は思考操作兵装を搭載し始める。

恐らくここまでなら確実に勝てる。

だが、第四世代…マルチロールハイスペックを相手にするのはキツイかもしれない。

そんな事を考えていると、簪が不思議そうな顔をした。

「一夏。ISは最近第二世代がロールアウトしたばっかり」

しくった…

「それに、どうして一夏が白騎士に勝てないって断定するのかがわからない。
あと世間で言うところの、って事は世間で言わない呼称を知ってるってこと」

んん…? あれ? もしかして刀奈って簪に言ってない?

刀奈に目を向けると、そっぽを向いていた。

「ねぇ、一夏。一夏ってもしかして…」

簪の口に人差し指を近付ける。

「簪、そこまでだ。そこから先はいけない。
知っていても、察していても、口に出してはいけない」

すると簪がコクンと頷いた。

だが素直に引く気はないらしい。

耳元に口を近づけたかと思えば…

「後で詳しく教えてね。私白騎士好きだから」

「あー…機会があれば」

「じゃぁ、今日か明日にでも」

「あっはい」






昼食は各々買い食いする事にした。

広場に屋台や出店が沢山出ていたのでそこで昼食を取る。

俺達は全員で十六人いる。

レストランとか空いてないのでこの方法だ。

「フィッシュアンドチップスでも食うかな…」

ちょうど屋台を見かけたので食べたくなった。

「イギリス名物だな」

「そそ。白身魚のフライとフライドポテトの盛り合わせ。
イギリス料理は不味いとか言うけど最近は美味しいらしいししな」

箒の呟きに答える。

「私もそれにしよう」

「おにーちゃん。ふぃっしゅあんどちっぷすってなぁに?」

と俺の後ろをついて来ていた円香に尋ねられた。

「円香も食うか?」

「うん!」

「そこの金銀も食べるか?」

「食べる!」

「たべます」

売店に行ってフィッシュアンドチップスのパックを注文する。

「<お姉さん。フィッシュアンドチップス四つちょうだい>」

俺、箒、円香、リム、エレンの分だ。

幼女三人は三人で二パックでいいだろう。

多かったらこっちで食えばいいし。

「<嬢ちゃん。そんなに持てるのかい?>」

「<こんな成りだけどもうジュニアハイだよ>」

「<ほぉ?小さいな。よっしゃ嬢ちゃん!
沢山食って大きくなりな!>」

というやり取りの結果おまけで一パック貰った。

箒達がベンチに座っていたのでそこへパックを持っていく。

「おいロリs。多かったら本音辺りに餌付けしてくるといいぞ。
あと刀奈を太らせたいなら止めはしない」

「わかった。本音おねーちゃんに持っていく」

「じゃぁ私は刀奈おねーちゃんに」

「えと…えと…」

刹那。俺の米神に向かってピックが放たれた。

ミストディスパージョンで分解し、飛んできた方を見る。

十メートルほど先で刀奈が本音の袖に片手手を突っ込んで、もう片方の手を俺に向けていた。

「棒手裏剣とか…更識って本当に忍なのかな…」

「一夏。刀奈さんで遊ぶのはそろそろやめてやれ…」

「えぇー…面白いのに…」

「棒手裏剣を投げられるほどキレているようだが…」

「やっぱ体重の話はタブーかぁ…」

「私は気にしていないが気にする者は気にするのだ」

「お前体重何キロ?」

「ふむ…そろそろ70キロだな」

「俺の倍じゃん…」

だがそれでもメリハリのあるボディなんだよなぁ…

足もウエストも細いし…

「ま、取り敢えず食べようや」

ベンチに座ってパックを開ける。

中にフォークとソースのカップが入っていた。

ソースはタルタルソースだ。

白身魚のフライをフォークに刺して、ディップする。

口に運ぶとフライがホロホロと崩れる。

ソースも美味しい。

「うん。いいな。こんど家でもやってみよう」

結局三人が食べきれなかった分は俺と箒で食べる事にした。

刀奈に持っていっても面白そうだったが流石に自重した。

次はデリンジャーが出てきそうだ。

トコトコと簪が歩いてきた。

「箒。そんなに食べて大丈夫?」

「問題ない。太りにくい体質でな」

「ずるい…」

という会話をしていた。

「簪。箒の握力知ってるか?」

「知らない。いや知ってたらむしろ怖いとおもう」

「箒の握力な。80前後なんだ」

この前試しに林檎潰させたからだいたいそのくらいのはず。

「魔法?」

「魔法とは別のオカルト。『気功』ってやつだ。
気功は肉体由来のエネルギーで代償は食事量だ」

「ふぅん…気功…ね。こんど私にも教えて」

「えー…」

これ以上体格の大きい女子がいたら俺の心が折れそうなんだけど。

「あ、第二次成長期が終わって体がしっかりしてきたらいいよ」

箒は第二次成長期…小学生高学年で気功を使いまくっていたので身長がものすごく伸びた…と俺は予想している。

俺は『素』で肉体を鍛えたかったので気功はあまり使っていなかった。

そのせいで身長が低かったのだろうか…

いや、そんな事はないか…

「ん。わかった」

簪が刀奈達の所へ戻って行った。

視線を感じたのでそちらを見ると、円香達だった。

「おにーちゃん。わたしも『きこー』ってやってみたい」

「えぇ…」

見ればアルシャーヴィン姉妹も同じように興味があるような顔をしていた。




この時箒がニヤニヤしていたのを見逃した事を後に後悔するのだが、この時は気づけなかった。
 
 

 
後書き
書きたかったもの。
『箒と一夏の鼻キス』『ノックスの十戒』
『気功の説明』『幼女三人の強化フラグ』
の四つです。  
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