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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2043話

 修学旅行2日目。
 班になって色々な場所を回って、京都らしい光景を多く見た。
 ……月光館学園の生徒達が、舞妓と一緒に写真を撮って喜んでいたのだが……取りあえず、それについては何も言わないようにしておいたのは、俺の優しさと言ってもいい筈だ
 まさか、自分達が一緒に写真を撮った舞妓が、コスプレ舞妓だとは思いも寄らなかったのだろう。
 もっとも、舞妓全てがコスプレしているのではなく、中には本物も何人かいた可能性はあるが。
 その辺りは、俺もあまり詳しくないので知らない。
 ともあれ、今日の見学は結構満足だった。
 特に、生八つ橋は大量に買い揃えた。それこそ、数万円単位で。
 それ以外にも、千枚漬けのように京都の漬け物を買い揃え、ハモの湯引きや天ぷらといった料理も大量に購入して空間倉庫の中に入れておいた。
 時間が経って悪くなったりしない辺り、空間倉庫はこういう時にやっぱり便利だよな。
 その日の夜も前日と同じ高級旅館に泊まり、クラスメイトと色々と話をし……

「で、こうしてゆかりと一緒に外に出ている訳だ」
「修学旅行で、アクセルと2人で一緒にゆっくり出来なかったんだもの。しょうがないでしょ。……嫌?」
「別に嫌じゃないけどな。……ゆかりにしては、珍しい事を言うとは思ったけど」

 修学旅行中の夜に、恋人と一緒に旅館を出て、2人で京都の夜を楽しむ。
 言ってみればそれだけだが、実際に実行するのはかなり難しい筈だ。
 見つかれば、間違いなく停学とかになりそうだしな。
 勿論、俺達の場合は影時間の問題があるので、そう簡単に処罰されたりはしないだろうが。

「それで? どこに行くんだ?」
「うーん、友達にちょっと調べて貰ったんだけど、京都で人気のデートスポット、それも夜だと……京都タワーとか、渡月橋とかが有名みたいよ? 後は、ちょっと美味しい料理を食べられるところとか」
「俺はまだ腹の余裕はかなりあるけど、ゆかりは大丈夫なのか?」

 今日の夕食は昨日と違ってバイキングという訳ではなく、1人ずつに色々な料理の入った皿が配られた。
 鍋物も用意されており、食べ盛りの高校生であっても十分腹一杯になるだけの量があったのだが……それを食べた後でもまだ入るのかという疑問に、ゆかりは問題ないと頷く。
 ……まぁ、ペルソナ使いになってから、毎晩のようにタルタロスで戦いを繰り返していたんだ。
 その状況で今まで通りの食事しかしていなければ、それこそ痩せる一方だっただろう。
 そうなると、食べる量が増えたのは至極当然の事と言ってもいい。
 もっとも、修学旅行中はタルタロスで戦えない以上、食べる量がいつも通りだと……うん、まぁ、その辺りの事情については考えない方がいいか。

「取りあえず何か食べるより前に、夕食の腹ごなし的な意味も込めて、京都タワー……いや、そっちの方が派手そうだし、先に渡月橋に行くか。場所は嵐山だったよな?」
「ええ、そうだけど。……珍しいわね、アクセルがそういう場所を覚えてるなんて」
「俺もたまにはな」

 友近が、クラスの男達と話していた内容を何となく覚えていたってだけで、別に俺が調べた訳ではないんだが。
 まぁ、そこまでは言わなくてもいいか。
 そんな訳で、俺はゆかりと共に嵐山にある渡月橋に向かう。……当然、電車とかタクシーではなく、影のゲートを使って。
 金も掛からないし、行くと決めた次の瞬間には既に移動したい場所に出てるんだから、影のゲートってのは便利だよな。
 便利だからこそ、習得するのにかなりの才能を必要とするんだろうが。

「わぁ……」

 ライトアップされた渡月橋の姿に、ゆかりの口から感嘆の声が漏れる。
 実際にはただの木で出来た橋なのだが、こうして見ていれば、不思議な感動に襲われる。
 俺達以外に、何人もの恋人達が渡月橋を眺めている。
 勿論渡月橋の上を歩いている者もいる。

「ね、アクセル。もうちょっと近くに行きましょ。折角なんだし、しっかりと楽しまないと」

 ゆかりが笑みを浮かべながら、俺の手を引っ張って渡月橋に近づいていく。
 周囲には家族連れも多いが……やはりライトアップしているという事もあって、恋人同士と思われる者達が多い。
 もっとも、既に夜という事もあり、殆どが20代と……いや、違うな。
 俺達と同じく、修学旅行を抜け出して来たと思われるカップルもそれなりに多い。
 影のゲートを使える俺はすぐに来る事が出来たが、他の学生のカップルと思われる連中は、よくもまぁ、この時間帯に宿を抜け出して来られたものだ。

「ちょっと、どこ見てるのよ。私といるのに、他の女に目を奪われるなんて、いい度胸してるわね」

 そう言ったのは、ゆかり……ではない。
 少し離れた場所にいたカップルの女だ。
 男の方が、ゆかりに目を奪われているのを、恋人に見咎められたのだろう。
 ……少し耳を澄ませてみれば、他にも同じようにゆかりに目を奪われて女に怒られている者がそれなりにいるのが分かる。
 まぁ、その気持ちも分からないではないけどな。
 ただ、少し残念なのは、ゆかりに見惚れている者は多いが、俺に見惚れている者は誰もいないという事か。
 別に俺に見惚れろ! とかは言わないが。
 そんな風に思いつつ、渡月橋の上に到着する。

「ねぇ、アクセル。言っておくけど渡月橋を渡ってる時は絶対に振り返っちゃ駄目だからね」
「……は? 何でだ?」

 いきなり言われたゆかりの言葉に、意表を突かれる。
 何の意味もなくそんな事を言ったりはしないので、何か理由があっての言葉だとは思うのだが、それでも今のその言葉に疑問を抱くなという方が無理だった。
 俺に視線を向けられたゆかりは、少しだけ照れくさそうにしながら……そして真剣な表情で組んでいる腕に力を入れ、ゆかりの年齢の平均以上に豊かに盛り上がった胸を、俺の腕に押しつけながら言葉を続ける。

「ここにはカップルで渡っている時に振り返ると、そのカップルは別れるってジンクスがあるのよ。だから、いい? アクセルは絶対に振り返らないでね」
「分かった」

 正直なところ、ジンクスだ何だって話は俺は特に気にしないんだが……ゆかりがそれを気にするというのであれば、わざわざそのジンクスに引っ掛かるような真似をしなくてもいいだろう。
 そんな訳で、俺はゆかりと共に2人きりで夜のライトアップされた渡月橋を楽しむのだった。





「うわぁ……渡月橋も凄かったけど、京都タワーも凄いわね」

 そう感嘆の声を上げるゆかりだったが……すぐにそのテンションは下がる。
 当然だろう。京都タワーの中に入る事が出来なかったのだから。
 ちょっと近くにいる観光客に聞いてみると、京都タワーの中に入る事が出来るのは、午後8時40分までらしい。
 それで午後9時になれば、全員下ろされる、と。
 そして今の時刻は午後10時近い。
 渡月橋で、ちょっとゆっくりしすぎたな。

「うー……」
「どうする?」

 残念そうに京都タワーを見ているゆかりに、そう尋ねる。
 尋ねられたゆかりの方は、見るからに未練があると分かる様子で京都タワーを眺めていた。
 さて、どうするか。
 少し考え……折角の修学旅行なんだし、これくらいはいいだろうと判断する。

「ゆかり」
「え? ちょっ、いきなりどうしたのよ!?」

 ゆかりの肩を抱きながら、俺は物陰に移動する。
 別にこのまま物陰で妙な事をする……という訳ではない。
 いやまぁ、ゆかりの鳴き声……啼き声は可愛いので、それはそれでいいのだが、ここでそんな真似をすれば、ゆかりは間違いなく怒るだろう。
 そんな訳で、俺はゆかりを物陰に引っ張り込むと……そのまま影のゲートを使い、京都タワーの頂上近くに姿を現す。
 勿論、展望フロアとかは防犯カメラとかがあるので、外にだが。

「ちょっ、うわっ! アクセル!? ここって一体……」
「京都タワーだよ。ただし、展望ルーム……の外だけどな」

 その言葉で、ようやくゆかりも自分がどこにいるのか……そして俺が何をやったのかを理解したのだろう。呆れの表情を向けてくる。
 普通の女なら、こういう高い場所に出ればパニックになってもおかしくはないのだが……タルタロスで毎日のように命懸けでシャドウと戦っているゆかりだ。
 いきなりこのような場所に姿を現しても、特に混乱する様子は見せなかった。
 それどころか、京都の夜景を存分に楽しんでいる。
 うん、まぁ……その気持ちは分かるけどな。
 ここから見える京都の夜景は、かなり綺麗だし。
 修学旅行の思い出としては、これ以上ないくらいのものだろう。

「綺麗で、いつまでも見ていたいけど……寒いわね」

 夜景を見始めてから10分程が経過すると、ゆかりがそう呟く。
 当然か。今は11月で、しかも夜の京都……それも京都タワーの頂上付近にいるのだ。 一応旅館から出てくる時にコートとかは着てきているが、それでもこの状況では寒いと感じるのは当然だろう。
 かといって、ここで白炎で暖まったりすれば、白い炎だけに目立ってしまうのは間違いない。

「そろそろ地上に戻るか。確か、この後はどこか美味い店に行くんだろ? そこでしっかりと暖まるとしよう」
「……うん、そうね。この景色が見られなくなるのは、ちょっと残念だけど」

 そう告げるゆかりは、本当に惜しそうに京都の夜景を眺めていた。
 こういう夜景って、写真でとっても自分の目で直接見ている時の迫力には遠く及ばないんだよな。
 だからこそ、こうして直接その目で見た光景だけを覚えておくような事しか出来ない。
 あー……でも、技術班辺りがカメラを作れば、この夜景の迫力そのままで写真に撮る事が出来る……かもしれない、か?
 もっとも、ホワイトスターと行き来が出来ない以上、今の俺にとっては無意味な仮定ではあるのだが。
 
「じゃあ、行くぞ」

 そう言い、再びゆかりの肩を抱き……影のゲートに身体を沈めていく。
 次の瞬間に姿を現したのは、当然のように地上だった。
 京都駅からそれ程離れていない、建物の物陰。
 周囲に人の姿はなく、俺達が影から姿を現した光景を見られたりもしていない。

「さて、京都タワーからの夜景も堪能出来たし……次はどこに行く?」
「美鶴先輩から教えて貰ったお店があるから、そこに行きましょ。予約もしておいてくれるって言ってたし」
「……これ、美鶴も知ってたのか?」

 てっきり、今回の一件はゆかりの独断……という表現はどうかと思うが、そんな感じなんだとばかり思っていた。
 だが、店の予約を美鶴がしたというのであれば、それは今回の一件に美鶴も関わっているという事になる。
 ……あの、規則とかには厳しい美鶴が、俺とゆかりの夜のデートを黙認する?
 ちょっと信じられない気もするが、ゆかりがそういう事で嘘を吐くとは思えない。

「ええ。まぁ、その代わり……明日、ちょっとした約束をしたんだけど」
「……約束?」

 明日は自由行動の日だ。
 つまり、そこで何かがあるという事なのだろうが……一体何があるんだ?
 若干疑問を感じつつも、取りあえず美鶴が予約してくれたという店に向かう。
 向かったのだが……

「本当にここなのか? 何だか、見るからに高級店って感じだけど」

 そう、俺が口にした通り、美鶴が予約したといってゆかりが案内した店は、見るからに老舗の店といった雰囲気を持っている。
 とてもではないが、修学旅行っでやってきた学生が寄るような店だとは思えない。

「うん、ここでいい筈だけど……取りあえず入ってみない? それで実は違ってたら、別の場所に行けばいいし」
「そうするか」

 一応金に余裕がない訳でもないので、金を払って入れるのなら、ここで食べてもいいんだが……こういう高級料亭は一見さんお断りとかだったりする。
 それこそ、誰か馴染みの客と一緒に来たとかじゃなければ、入れないなんて事もあるんだよな。
 そうである以上、もし駄目だったら大人しく別の店に行った方がいいのは確実だった。
 そう思って店の中に入ったのだが……

「いらっしゃいませ。アルマー様と岳羽様ですね。桐条様からお話は伺っております。どうぞこちらへ」

 予想外にあっさりと、俺達は店の奥に通される。
 桐条の名前を出していたし、どうやらここで間違いないらしい。
 用意されたのは、個室。
 いかにも和風、もしくは京風といった様子の部屋で、どこか落ち着くように感じるのは決して俺の気のせいではないだろう。
 そうして用意された料理は、どれもかなり美味い料理だった。
 個人的には湯葉が美味いと思った。
 それ以外にもハモの湯引きとか。
 あの旅館で食べたハモの湯引きも美味かったが、やはりここは高級料亭だけあって、どの料理もあの旅館で食べた以上の味だ。
 ハモの天ぷらとか……うん、間違いなく美味く、俺とゆかりは2人揃って舌鼓を打つのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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