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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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ENDの正体

 
前書き
コピペされてると言う話を聞いてその作品を読んできた次第。
確かに時おりシリルやセシリーやカミューニが出てきてましたね(笑)
それならいっそソフィアも出してくれないかな?もちろんウェンディの身ぐるみ剥がす要員として。

尻冷「「絶対にやめろ!!」」 

 
剣を構えジリジリと足を動かし自分の得意な間合いに、敵に悟られないように動いていく剣士。対する神の子はそれに気付いていないのか、ただ一心に彼女の動きを見つめている。

(まるで隙がないな)

ただ立っているようにしか見えないのに、入り込む要素が見当たらない。このままでは自分の集中力が途切れてしまう。そう確信したカグラは果敢に突進を試みる。

「甘い」

攻撃範囲に入り込んできた彼女を見逃すはずがない。ティオスは腕を振ると、強風が吹き荒れカグラの足が止まる。

「くっ・・・なんて風だ・・・」

あまりの突風にその場で持ちこたえるのがやっと。彼女は腕で目にゴミが入らないようにとしていたが、それが仇となってしまった。

「氷神・永久凍土」

腹部に突き刺さる重たい一撃。それを受けたカグラは瞬く間に吹き飛ばされた。

「ガハッ・・・ゴホッ・・・」

咳き込むカグラだったが意識ははっきりとしている。それを見たティオスは感心しているように彼女を眺めている。

「俺の予想よりも防御力はあるようだ。見くびっていたな」

それでも負けることはありえないといった表情のティオスを見てカグラは唇を噛む。よほど悔しかったのか、そこからは赤いものが見えていた。

「殺す前に一つ聞いておきたいことがある」
「・・・なんだ?」

殺されるつもりはさらさらないが、そうも言っていられない状況を前に、言われたことに答えておくことにしたカグラ。人差し指を立てたティオスはすでに遠くにいる少女たちの方を指差した。

「なんであいつらを逃がした?どうせあの距離じゃ追い付かれるのに」

まだ逃げ切ったと言うにはほど遠い距離にいるラキとソフィア。ティオスは精神的にやられてしまったソフィアを除いても、少しでも戦力を補強して戦いに挑めばよかったのではないかと聞きたいようだ。

「何を簡単なことを・・・」
「??」

立ち上がったカグラは一度納刀すると、低い姿勢で構える。

「私は私の仲間を泣かせた奴を許せない。だからこそ・・・」

地面を蹴って接近するカグラ。懐に入り込んだ彼女は剣を抜き青年の首を狙う。

「あいつの笑顔を守るために勝たねばならないんだ!!」

これは彼女なりの思いやりだった。確かにソフィアたちが手を貸してくれれば勝機はあったのかもしれない。しかし、人を殺めるという行為は非常に残酷なものだ。それをたった今最愛の姉を失った少女の前で見せるのは酷というもの。

「優しい師匠だ。だが、それゆえに弱い」

カグラの渾身の一撃。それは彼の首に届く手前で受け止められてしまった。それも、わずか指一本で。

「甘さを捨てきれない剣士・・・勝負どころで勝てないのはそれが原因だろうな」
「っ・・・」

決めたかった一撃。決まらなかった一撃にカグラは敗北を覚悟した。剣を持っていた手から自然と力が抜け落ちる。

「サヨウナラ、カグラ・ミカヅチ」

指で剣を弾き飛ばしたティオス。それは宙を舞い、持ち主の手から離れたところに突き刺さる。

「絶対零度」

渦を巻くように左腕にまとわりつく冷気。それは諦めて目を閉じているカグラの腹部を貫く直前・・・

絶対領土(テリトリー)!!」

二人の間に割って入るように、大爆発が起きた。

「キャッ!!」

間近での爆発に吹き飛ばされるカグラ。ティオスはそれに驚いたものの腕を払って砂煙を吹き飛ばす。

「バカな・・・なぜここに貴様が・・・」

ティオスは目の前にいる人物たちの顔を見て驚愕した。しかし、それがなぜなのかはそこに現れた者たちにはわからない。

「ずいぶんと諦めが早いのではないか?カグラ」
「師匠!!これはどういうことでありますか!?」

お団子頭の女性に小さな体躯の少女。そしてその少女の後ろにいるのは・・・

「ねぇ・・・レオン・・・なの?」

オレンジ色の小さな猫が、変わり果てた少年の顔を不安げな顔で見つめていた。

(歴史に変動が起きてるのか?まさか他のところでも・・・)

予期せぬ来客に動揺の色を隠せないティオス。ここから戦いはどうなってしまうのか、それは彼にも全く予測できなくなっていた。



















「あら、ティオスの未来とはちょっと変わってるのかしら?」

その頃、誰もいない平地を歩いていたお団子頭の少女は、どこか遠くを眺めながらそんなことを呟いた。

「まぁ、あの子ならすぐに適応するでしょ。それにしても・・・」

手に持っていた赤い帽子を被ってポーズを決める。

「なんでも似合ってしまうなんて・・・美しいのも罪なものね」

そう言ってその場を後にするヨザイネ。彼女の後方では、息絶えている二人の虎が横たわっていた。


















得意気な顔をしている水髪の少年。彼と相対している金髪の彼女は、彼の台詞に苛立ちを募らせていた。

「弱点・・・ですって?」

誰にも破られることのない最強の魔法と謳っている自らの魔法にそんなものがあるとは認められないディマリア。

「強がりはやめなさい。私のアージュ・シールにそんなものはないわ」
「いいえ、確かにありましたよ。もっとも初歩的で絶望的な弱点が」

それと同時に突っ込むシリル。彼はディマリアが魔法を使うよりも早く、彼女の懐へと入り込んだ。

「弱点その1。奥歯を噛まなければ魔法が発動させれない」

次から次へと水を纏った拳を繰り出していくシリル。そのせいでディマリアは回避に意識を向けなければならず、魔法を発動する条件を揃えられない。

「弱点その2。強い魔法に頼りすぎて接近戦に慣れていない」

元々“戦場を駆け巡った女神”とも呼ばれていた彼女だが、それはその強い魔法があったからに他ならない。実戦で敵とぶつかり合う機会が少なかった彼女は接近戦にも優れていない。それゆえにウルティアが登場したことでウェンディたちが動けるようになった途端、早々に接収(テイクオーバー)で神の力を解放しなければならなくなったのだから。

「あなたの力がすごいのは確かですけど、それは発動させなければ全くの無意味!!」

防戦一方のディマリアをシリルは徹底的に攻め立てる。アージュ・シールのせいで激しい戦いをしてこなかったディマリアはすでに息が上がっており、動きが鈍くなっている。

「すごいよシリル!!」
「やっちゃえやっちゃえ~!!」

躍動する少年に感嘆の声を漏らすウェンディとセシリー。シャルルも彼の戦いっぷりに驚いていたが、突如頭を押さえて顔色が険しくなる。

「何・・・これ・・・」
「どうしたの?シャルル」

あからさまに様子がおかしくなったシャルルの顔を覗き込み心配そうにウェンディが声をかける。すると、シャルルは彼女の手を取りどこかへと走り出した。

「シャルルどこ行くの~!?」
「あんたはここにいなさい!!シリルは任せるわ!!」

(エーラ)を広げて有無を言わさずウェンディを連れて飛び立つシャルル。セシリーはそれに呆気に取られ、どうすればいいのかあたふたしていることしかできない。

「水竜の翼撃!!」

シャルルとウェンディがどこかへ向かったことなど知りもしないシリルは水の翼でディマリアを打ち上げる。

「これで最後だ」

両手首を合わせて魔力を溜めていく。重力に従って落ちてくる敵目掛けて彼は渾身の一撃を放った。

「雲竜水!!」
「きゃあああああ!!」

トドメの一撃が決まり動けなくなるディマリア。彼女の意識が完全に途絶えたのを確認したシリルはセシリーの方を見る。

「どうだった!!ウェン・・・」

きっと褒めてもらえると思っていた彼はウェンディに声をかけようとしていた。しかし、彼女の姿はそこにはない。

「あれ!?ウェンディは!?」
「シャルルに連れられてどこか行ったよ~」
「なん・・・だと・・・」

膝から崩れ落ちた少年はorz状態になってしまう。スプリガン16(セーズ)に勝利した喜びなど、どこかへ消し飛んでしまっていたのだった。

















「ちょっと!!どうしたのシャルル!!」

シャルルに連れられ訳のわからないままのウェンディは彼女に問いかける。しかし、シャルルは顔色を真っ青にしたまま懸命に空を飛んでいるだけでなかなか口を開かない。

「シャルル!!」
「・・・最悪の未来が見えたのよ」
「最悪の・・・未来?」

その言葉にウェンディの背筋も凍る。シャルルは小さくうなずくと、ゆっくりと答えた。

「このままじゃ・・・私たちに勝ち目が完全になくなるわ」

シャルルの見た一つの未来。それはこの戦いに何をもたらすことになるのだろうか。
















「なんでお前らがここにいるんだよ」
「この近くにちょうど飛ばされてきたみたいでね」
「アルバレス軍を大量に見かけたからな。俺たちにもやれることをやらねばならんだろ」

レオンのためにもと続けるリオン。インベルは敵が増えたことに一時は動揺したが、それもすぐに落ち着いた。

「これは・・・氷の造形魔導士に失われた魔法(ロストマジック)の使い手とは・・・天海を破った魔導士たちか」

自分たちが歯が立たなかった強敵を犠牲者を出しつつも仕留めた魔導士たちの登場に笑みを浮かべるインベル。四人は彼を見据えて魔力を高める。

「行くぞ!!リオン!!」
「あぁ!!」

グレイとリオンは兄弟弟子らしい息の合った連携を見せインベルへと迫る。しかし、彼の純粋な氷の魔法の前に二人の造形は全て凍らされてしまう。

「メルディ!!」
「ジュビア!!」

それを見たジュビアとメルディはメルディの魔法でお互いの感覚をリンクさせる。そこから放たれるのは、グレイとリオンに負けない高い連携攻撃。

「マルギティ=ウォーター!!」

二人の魔力を合わせたことにより威力が上がった水の波動。だがそれも相性が悪い。インベルの氷の魔法の前に一瞬のうちに凍らされてしまった。

「これもダメなの?」
「錬度が高い・・・だが!!」

敵が強いとわかっても引くことを知らない。リオンは上着を脱ぎ捨てると、右腕を地面に付け凍らせていく。それは瞬く間にインベルの足元へと迫っていった。

「何度やっても同じこと。あなたたちの魔法では、私に勝つことはできない」

リオンの攻撃もあっさりと凍らせたインベル。だったが・・・

「ガッ!!」

突然インベルの顔面に氷の鷹が衝突した。

「リオン・・・今のは・・・」

グレイはリオンの行った行動に驚いていた。二人は仲違いしたことにより疎遠になっていたのだが、偶然ガルナ島で再会を果たし戦った経緯がある。その際、自らの力を過信していたリオンは師匠であるウルの教えを破り片手の造形をしていた。グレイとの戦いでそれが誤りだったことに気付いた彼は再び両手での造形を行っていたのだが・・・

「確かに両手で造形すれば威力は出る。だがなグレイ」

右手は地面に付けたまま。しかし、鷹を放った左手はインベルの方へと向けられている。

「片手ならば、単純に速度を倍化させることもできるぞ」

ウルを越えるために片手での造形を行っていたリオンならではの打開策。敵に魔法を防がれるのであれば、それが追い付かない速度の連続攻撃を放てばいい。

「さぁ16(セーズ)!!これを防ぎきれるか!?」

立ち上がったリオンは次から次へと造形を放っていく。それはグレイの限界突破(アンリミテッド)の速度を裕に越えていた。

「くっ・・・私に()()を使わせますか」

怒濤の攻撃を受けていたインベルの目の色が変わる。彼の周辺の気温が著しく低下したかと思った矢先、彼の体が氷の鎧に包まれていくではないか。

「氷絶神衣!!」

見たことのない氷の鎧に身を包んだインベル。それでも突進を試みたリオンの造形たちが、彼に触れた瞬間に凍り付き、砕け散ってしまう。

「なっ!?」
「リオン様の造形が・・・」
「砕かれた!?」

ジュビアたちも続けて攻撃を仕掛けるが彼の鎧に傷一つ付けることができない。

「触れたもの全てを氷結させる魔界の氷。例えどれだけ冷気耐性があっても、この鎧は全てを凍らせることができるのです」

凍らされてしまえばもろくなり砕かれてしまう。それは人にももちろん適用されるため、迂闊に動くことができない。

「それがどうしたってんだ!!」

動けない三人。その横を走り抜けたグレイの手には冷気が纏われている。

「よせ!!グレイ!!」
「グレイ様!!」

自殺行為と思われたグレイの行動。彼は全力でインベルへと拳を突き立てた。

ドガァ

「え?」

振り切られた拳。それはインベルの鎧を破壊してしまったのだ。

「バカな!!氷絶神衣と同じ性質の氷を・・・造形した!?」

同じ性質の氷を生み出したことことによりグレイは自らが凍らされることを防いだのだ。

「俺たちはギルドを取り返さなきゃならねぇんだ!!そのために・・・止まってなんかられねぇんだよ!!」

両腕に手甲(ガントレット)を造形したグレイは目にも止まらぬ連続攻撃でインベルを叩き上げる。

「氷魔・零ノ破拳!!」

滅悪の力も融合された重たい拳。それにインベルは沈み、地面に横たわる。

「俺は絶対この戦いに勝つんだ。ENDを倒すために」
「あなたならできるでしょう。いいえ、むしろあなたにしかできません」

辛うじて意識を保っているインベルは大の字のまま口を開く。

「しかし、あなたはその正体を知らない・・・とてつもなく近くにいるというのに」
「とてつもなく近く?」
「ENDがか?」


インベルの言葉に耳を疑うジュビアたち。インベルはそれに構うことなく、言葉を続けた。

E(エーテリアス)N(ナツ)D(ドラグニル)・・・あの男こそがゼレフ書最強の悪魔。あなたの敵」
「「「「!!」」」」

そういい残して気絶したインベル。彼の信じられないような言葉に大きな動揺が広まっていた。




 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
なかなか時間を見つけられずギリ一週間での投稿。
次はティオスvsカグラたちが多くなるはずです。
そしてウェンディはどこに向かっているのか!?次ではわからないと思いますけど・・・ 
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