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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!

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ギルドの受付にて

 それから俺はギルドの一階にやってきた。
 きしむ木製の階段の音がやけに大きく聞こえて、大丈夫だろうかと思ったが特に問題はなかった。
 カードと一緒に紙を持って降りてきたはいいが、どの窓口に行けばいいのかよく分からない。

 人が空いている所、混んでいる所……どこだ、空いているところでいったん聞いてみようかと俺が思っていると空いている受付の人が、

「あ、異世界人の方ですか? こちらで登録処理などをしますので来ていただければと思います」
「あ、はい、ありがとうございます」
 
 呼ばれてそちらに向かうと、胸は控えめだが耳がとがった銀髪の……エルフのような三つ編みの女性だった。
 異世界人からはそう見えるが、この世界ではこういった容姿も当たり前なのかもしれないのでそれについては俺は言わないように努めて、

「これがギルドカードと、紙です」
「はい、では紙の方は回収です。そしてギルドカードもお預かりしますね。では、チート能力についてお聞きしてもよろしいですか?」
「水を作り出したりといった能力です」
「なるほど。今水がやや不足していますので、重宝されますよ。あそこにある以来の四分の一が水関係の依頼ですし」
「そうなのですか? そんなに困っていたのか……」
「ええ、よろしければそちらの依頼を受けていただければと思います。では、これが三か月分のお金になります」

 そういってギルドの人が俺にお金を白い袋に包んだ状態で俺にお金を渡してくる。
 それからだいたいの相場を聞いてから、

「もしもこの町にしばらく滞在するのでしたら、宿ではなく安い物件を借りる方がお得ですよ」
「そうなのですか?」
「ええ。特に水を呼び出せる人は重宝されますしいかがですか? 一月ここにいてみて合わなければ他の町に、といったように」

 そう話す受付のお姉さん。
 だが何かが引っかかると思いながらそれがわからなかったので保留して、

「ではありがたくお金はいただきます」
「はい。次は三か月後の受給ですからお気を付けください」
「……三か月ごとにいただけるのですか?」
「はい。この世界に異世界人が来ると、人間関係に適応ができない方もいらっしゃるので、そういった方はその……引きこもりのような生活をすることになりまして」
「……そうですか」
「けれどチート能力がある関係上、暴れられても困るし、野垂れ死にされてもいつ必要になるのか分からないというのもあり、そういった保証がされているのです」

 実はそんな理由で異世界人にはこのお様なお金が支給されるらしい。
 この世界、実は平和なんじゃないかと俺は思いはしたが、それは口に出さずに、

「色々とありがとうございました。また何かありましたら、聞きに来ます」
「お待ちしております。あ、ギルドカードをお忘れですよ」
「あ、本当だ」
「大切なものなのでお忘れにならないよう気を付けてくださいね」

 そういって受付のお姉さんは俺の手を包み込むように、銀色のギルドカードを渡してくれたのだった。
 
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