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オズのトロット

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第五幕その十

「そう思わないでいられないわ」
「うん、最高の場所だよ」 
 教授は海の中の状況や様々な生きもの達を見つつ言いました。
「夜の生態系、月明りの状況もわかるから」
「やっぱり学問的にも」
「見所があるよ」
 そうだというのです。
「私も来てよかったよ」
「そうなのね」
「見どころがあり過ぎて」
「かえって?」
「困る位だよ」
「嬉しい困りごとね」
「そう言っていいね、では寝るまでね」
 その時までというのです。
「見ていくよ」
「そうするのね」
「お風呂にも入るけれどね」
「明日には島に着くし」
 モジャボロは景色を楽しみつつこれからのことも考えました。
「着いたらね」
「早速使節団のお仕事ね」
「それが待っているから」
 だからというのです。
「そちらに励もうね」
「ええ、その時は正装に着替えて」
「そうしてね」 
 そのうえでというのです。
「贈りものもしましょう」
「オズマ姫からのね」
「それも楽しみよ、今回の冒険も色々な国に行くから」
「その時は正装に着替えてね」
「そうなるわ、あとね」
 さらに言うトロットでした。
「明日の朝だけれど」
「日の出の海だね」
「ええ、それを見たいわ」
 こうキャプテンに答えました。
「その時の海もね」
「朝日の時の海ですか」
「それも凄く奇麗そうですね」
「じゃあ僕達も」
「是非です」
「一緒に」
「勿論よ、皆で見ましょう」
 トロットは五人に笑顔で答えました。
「そうしましょう」
「じゃあ明日もですね」
「日の出と共に起きて」
「皆で、ですね」
「朝日の海を見るんですね」
「そうなりますね」
「そのうえでね」
 レモンティーを飲みつつ答えるトロットでした。
「島に着くから」
「ハイランドとローランドのある」
「あの島にですね」
「そしてそのうえで、ですね」
「使節団としてですね」
「私達も働くんですね」
「そうよ、ただ使節といってもね」 
 それでもとお話するトロットでした。
「緊張することはないから」
「そうなんですか」
「ええ、特にね」
 こう答えました。
「そうすることはないわ」
「大事なお仕事ですよね、使節って」
「そうよ、けれどね」
「それでもですか」
「肩肘張らないでね」
 そうしてというのです。
「私達と一緒にいればいいから」
「そうなんですか」
「使節団って大変って思っていたら」
「そうでもないんですか」
「緊張しなくていい」
「別にですか」
「貴方達は五人共礼儀正しいからね」
 このことがしっかりしているからというのです。 
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