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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第29話 美食會との死闘!オカルト研究部、戦います!

 
前書き
 『ハイスクールD×D HERO』面白いですね、九重も可愛いです。でもこの小説に彼女が出るとしたら何時になるやら…… 

 
side:リアス


『オラオラァ!!シネシネシネーーー!!』


 私と朱乃は紫色のGTロボと死闘を繰り広げていた。相手のGTロボはどうやら遠距離型のようで肩に付いた二本のキャノンや片腕についたマシンガンで攻撃してきた。


「くっ、こちらだってやられてばかりじゃないわよ!」


 私は右腕に滅びの魔力を溜めてGTロボ目掛けて放った。


『ン?コイツハ……』


 GTロボは最初滅びの魔力を受けようとしたが途中で体をずらして滅びの魔力をかわした。かわされた滅びの魔力はGTロボの背後にあった岩山に当たると岩山を消滅させた。


「かわされた!?」
『ナンカヤバイ気ガシタカラカワシタガ何ダ今ノハ?喰ラウノハ流石にヤベーカモナ』


 野生の感って奴かしら?咄嗟に滅びの魔力の性質に気が付くなんて面倒だわ。私は連続して滅びの魔力を放つが全て交わされてしまう。


『直線ニシカ飛バセネーノカ?ナラ大シタコトハネエナ!』


 GTロボはお返しと言わんばかりにキャノンを放ってくる。魔法陣で防御するが爆発で吹き飛ばされてしまった。


「キャアッ!?」
『コイツデトドメダ!』
「させませんわ!」


 吹き飛んだ私にトドメをさそうとGTロボがマシンガンを構えるがそこに朱乃が黄金の棒『ののさま棒』をGTロボに叩きつけて攻撃をそらした。


『チィ、邪魔シヤガッテ!』
「見たところ、そのロボは遠距離型のようですわね。なら近づかれては嫌なはずですわ!」


 朱乃はイッセーに鍛えてもらった棒術を駆使してGTロボを攻めていく。


『ナメテンジャネエゾ!ミキサーパンチ!!』


 GTロボの腕が高速で回転して朱乃に殴りかかった。朱乃はののさま棒で防御するが弾かれて攻撃を喰らってしまった。


「ぐうぅ……!」
『バカメ!GTロボガソンナ甘イ兵器ナ訳ネエダロウガ!コレデ死ニナ!』
  

 GTロボはもう一度回転する腕で朱乃を殴ろうとしたが私は魔法陣から紅い籠手を出して装着しGTロボの攻撃を受け止めた。


『ハッハッハ!ソンナモンデ止メラレルト思ッテンノカヨ、バーカ!』
「受け止めたりなんてしないわ!これはこうするために使うのよ!」


 私は籠手を使いGTロボの攻撃をそらして体制を崩させた。


『ナンダト!?』
「喰らいなさい!!」


 体制を崩したGTロボの左肩についてあったキャノンを滅びの魔力で消滅させる。そのまま追撃しようとしたがGTロボに腹を蹴られてしまい逃げられた。


『ソノ籠手ハ……マサカ『ルビースネーク』ノ皮デデキテイルノカ!?』
「ええそうよ。イッセーがIGOに頼んで作っていてくれたの」


 ルビースネーク……捕獲レベル25の猛獣で体を覆う皮がまるでルビーのように輝いていることからその名前が付けられた。その皮は鋼に勝る強度がありながら非常に軽く防具として使われることもあるってイッセーが言っていたわ。


「リアスったら早速イッセー君からの贈り物を使っていますのね」
「朱乃だってイッセーから貰ったののさま棒を嬉しそうにつかっているじゃない、お互い様よ」


 研究所を出発する前にイッセーが私と朱乃にそれぞれ武器を用意してくれていたらしく私はこの紅い籠手を貰った。前から私と朱乃は接近されると弱いという弱点があったのでライザーとのレーティングゲーム前の合宿で私はイッセーに接近戦で使える技術を、朱乃は棒術を魔法の特訓の合間に習っていた。まあイッセーみたいに格闘をメインにするんじゃなくてあくまでも戦闘の際に使える補助としてだけどね。


(イッセーには本当に助けられてばかりね……)


 私は頭の中でイッセーに感謝をしながらGTロボ目掛けて滅びの魔力を放ったがGTロボはかわして距離を取った。


『チッ!雑魚ナリニハヤルジャネエカ!ダッタラコッチモ本気デイクゼ!!ピーラーショット!!』


 GTロボは高速で体毛を飛ばして攻撃してくる、私と朱乃は魔法陣で防御するが激しい攻撃で動けない。次第に魔法陣にヒビが入っていく。


『コイツデトドメダ!!』


 GTロボの顔から極太のレーザーが放たれて魔法陣を粉々に打ち砕いた。


「きゃああっ!?」
「リアス!?よくもリアスを!!」


 吹き飛ばされた私を見て朱乃が激情しののさま棒で攻撃を仕掛けたがGTロボにあっさりと防がれてしまい髪を掴まれて地面に叩きつけられた。


「がはっ!?」
『イイ加減ニウゼェンダヨ!』


 そのまま朱乃を蹴り飛ばしてトドメにレーザーを放ち朱乃を貫いた。


「あ、朱乃―――――っ!?」
『ギャッハッハ!!ザマァネエナ!所詮ハ雑魚ダ!』
「よ、よくも朱乃を……!!」
『安心シロヨ。オ前モオ友達ト同ジ所ニ送ッテヤルカラヨ』


 GTロボは私の傍に近寄ると倒れている私に目掛けてマシンガンを突きつけた。


『オ前モアノ世デ他ノ奴ラガ来ルノヲ待ッテイルンダナ』
「……ふふ、ふふふふふっ」
『ナンダ?恐怖デ頭ガイカレタカ?』
「イッセーがここにいたらきっとこう言うわ。獲物はしとめたことを確認するまで決して油断はするなってね」
『ゴチャゴチャト何ヲ言ッテ……』
「雷よ!!」
『ガアッ!?』


 突然GTロボの頭上から巨大な雷が降り注いだ。私はGTロボの気が逸れた瞬間に立ち上がりGTロボに接近した。


「喰らいなさい!新技『ビクトリールインソード』!!」


 すれ違いざまに左手の指から滅びの魔力で作った魔力の剣を出してGTロボをVの字に切り裂いた。


『ナ、ナンダトッ!?』


 油断していたGTロボは四肢を両断されて地面に転がった。


「はぁ……はぁ……土壇場でやったけど上手くいってよかったわ」


 正直GTロボが気をそらしていなかったら当たらなかっただろう。だってまだ数秒しか維持できないし射程距離も短いからね。本当に上手くいってよかったわ。


『イ、イッタイ何ガ起コッタンダ……?』
「こういう事ですわ」


 倒れたGTロボの傍に朱乃が姿を現した。


『馬鹿ナ!?オマエハ死ンダハズジャ!!』
「私が作った泥人形はいかがでしたか、よくできていたでしょう?」


 さっきレーザーで貫かれた朱乃は魔法で作った泥人形で今は元の土くれに戻っていた。


『泥人形ダト?ソンナ物イツノ間ニ作ッテヤガッタンダ?』
「私たちは魔法がつかえますの。あなたが泥人形を必死で攻撃している間、私は魔法で姿を消して見てましたけど滑稽な姿でしたわ」
『チッ、GTロボモオ粗末ナモンダ。ソンナコトニ気ガ付ケナカッタトハナ』
「いいえ、あなたが朱乃に気が付かなかったのは死んだと決めつけて注意しなかったからよ。GTロボは高性能でも操縦者が甘かったわね」
『ムカツク女ダ……ゼ……』


 私は滅びの魔力を放ちGTロボを消し去った。万が一自爆されたらマズイしコアもどこにあるか分からなかったから全部消したけど良かったのかしら?まあいいわよね、だって加減できるような相手じゃなかったし。


「それにしても強かったわね。相手が油断してくれていたのと私の滅びの魔力がGTロボすら消せたのが幸いしたから勝てたけど私たちもまだまだね」
「本当ですわね……小猫ちゃんたちは大丈夫でしょうか?」


 触れたものを一切残らず消滅させる滅びの魔力が無ければGTロボには勝てなかっただろう。私は自分が本当に恵まれていることに感謝した。


「じゃあ次は小猫たちの援護に……!?うぅ……」
「リアス!?……ぐっ、私ももう……」


 私と朱乃は地面に倒れてしまった。


「……うう……流石に魔力を使い過ぎましたわね……体が重いですわ……」
「情けない……小猫たちの援護に行かないといけないのに……」


 私たちは地面に倒れながら小猫と祐斗の事を想いながらも気を失ってしまった……



ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


side:小猫


「はあっ!」
『ホゥ、ヤリマスネ』


 祐斗先輩の魔剣とGTロボのサーベル、いやあれは包丁でしょうか?それらがぶつかり合い甲高い金属音が辺りに響きました。
 

「炎よ、敵を焼き尽くせ!」


 祐斗先輩は炎の魔剣を作り出しGTロボを炎で焼いていく。私は炎で視界を防がれたGTロボに接近して背後から殴りかかります。


『ン~、生ヌルイデスネ。料理スル際ノ火力ハコレクライナイト、バーナーキック!!』
  

 GTロボは炎を足に纏わせて私を蹴りました。ジュウジュウと肉が焦げる音がして私を苦しめていきます。


「きゃあぁぁ!?」
「小猫ちゃん!」
『気ヲ抜イタラ駄目ジャナイデスカ、ジャナイトコンナ目ニ合ッテシマウンデスヨ!ピーラーショット!』


 気を取られた祐斗先輩を高速で飛ばされた体毛が右腕の皮を剥ぎました。


「ぐあぁぁ!」
『コノGTロボハ近接戦闘ヲ得意トスルタイプデス。故ニコンナ事モ出来ルンデスヨ、ミキサースラッシュ!!』


 両手に包丁を持ったGTロボが高速で回転して私たちを切り裂きました。


「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃああああ!!」


 全身を切り刻まれた私と祐斗先輩は血まみれになりながら倒れてしまいました。


『オヤオヤ、威勢ガイイ割ニハ大シタ事ハ無イヨウデスネ。コレナラサッキノ2人ノ方ガ楽シメタカモ知レマセン』
「な、舐めないでください!」


 私は素早く起き上がりGTロボに飛び蹴りを放った。


「喰らえ!『フライング・レッグ・ラリアート』!!」
『芸ガ無イデスネ、ソンナ正面カラノ攻撃ナド簡単ニ防ゲマスヨ』


 GTロボは腕を組んで防御しようとしましたが私は蹴りが当たる瞬間に足を止めてがら空きだった顎をサマ―ソルトキックで攻撃しました。


『ナニ!?フェイントヲシテクルトハ!』
「まだまだです!」


 よろけたGTロボの顔にトマホークチョップをお見舞いしそのままGTロボを肩に担ぎあげてカナディアン・バックブリーカーを決めました。


「このまま背骨をへし折ってやります!」
『フフ、GTロボカラスレバクスグッタイダケデスヨ。ソレニコンナチャチナ技ナド簡単ニ外セマスヨ』


 GTロボは私の両手を掴み技を外そうとしました。でもこれが狙いです!私はカナディアン・バックブリーカーから逃れようとしたGTロボの頭と両足を掴みたすき掛けをかけるような形で締め上げていきます。


『コ、コレハ!?』
「普通のカナディアン・バックブリーカーが通用するなんて思っていませんよ!これが本命の『リビルト・カナディアン・バックブリーカ-』です!!」


 GTロボは私から離れようとしますが掴んだ頭と両足をガッチリと極めて逃げ出すことが出きないように力を強めました。そう簡単に逃がして溜まるもんですか!!


「私だってイッセー先輩とずっと一緒にいるために努力してきたんです!あなたなんかに負けてなんていられません!」
『ホホウ、中々ノ覚悟デスネ。コノ技カラハ絶対ニ勝ツトイウ気迫ヲ感ジマス。実ニ面白イ』
「ず、随分と余裕ですね。いくらGTロボとはいえこれ以上締め上げられたら流石にマズイんじゃないんですか?」
『新型ガソンナニ軟ナ訳ナイデショウ。ソレニアナタハモウ限界ニ近イ筈ダ』
「っ!?」


 私に締め上げられながらもGTロボは余裕そうに話し出しました。


『気迫ハ十分デモアナタノ身体ハソレニツイテイケテイナイ。現ニ技ノ掛リガヨ弱クナッテキテイマスヨ』
「はぁ……はぁ……そんなことは……」
『努力シタコトハ認メテ差シ上ゲマショウ。デスガチョット鍛錬シタカラ勝テルト思ッテイルノナラ実ニ甘イデスヨ!』


 GTロボは技を無理やり外すと私にむかってエルボードロップを放ってきました。私はそれをまともに喰らってしまい地面に倒れてしまいます。


「ぐぅぅ……」
『故ニコウイウ結果ニナッテシマウンデス。デスガ今ノ技ハ中々ニ面白カッタデスヨ。ソレニ小柄ナガラモGTロボト同ジ程ノパワーヲ出セル身体……実ニ興味深イ。チョット解剖シテドンナ筋肉ヲシテイルカ見セテ貰イマショウカ』


 GTロボは両手に再び包丁を取ると私に近づいてきました。でもそこに祐斗先輩が現れてGTロボを魔剣で攻撃しました。GTロボは特に慌てた様子も見せずに祐斗先輩の攻撃を包丁で防ぎました。


『オヤ、ソウ言エバアナタモイタンデシタネ。金髪ノ剣士サン』
「小猫ちゃんはやらせない!」
『アナタモ興味深イデスネ。ソノ剣ハ何処カラ出シテイルンデスカ?』


 祐斗先輩の魔剣を包丁で砕きながらGTロボは戦闘中だというのに呑気そうに話した。


「炎よ、氷と一つになり目の前の敵を滅せよ!『双龍牙』!!」


 祐斗先輩は炎の魔剣と氷の魔剣から炎の龍と氷の龍を生み出してGTロボに攻撃を仕掛けたがGTロボは難なく龍を包丁で切り裂いた。


「ぐっ、ああも簡単に破られるなんて……」
『ミキサーパンチ!!』
「うわぁぁぁ!!」


 唖然としていた祐斗先輩のお腹にGTロボの攻撃が決まり祐斗先輩は吹き飛ばされてしまいました。


(このままじゃ駄目だ。あのGTロボには炎や氷といった魔剣は通用しない……なら僕のもう一つの力で挑むしかない!)


 祐斗先輩は魔法陣を生み出してその中に手を入れました。するとそこから一本の白い太刀が掴まれていました。


「あれは研究所を出るときにイッセー先輩が祐斗先輩に渡していた刀……?」
「『和道一文字』……イッセー君が僕の為に用意してくれた太刀さ」
『波紋ハ直刃、造リハ白塗鞘太刀拵……間違イナクソノ刀ハ大業物21工ノ一振リデアル『和道一文字』ニ違イナイ。随分ト珍シイモノヲ持ッテイルンデスネ』


 えっ?あれってそんなに凄い刀なんですか?イッセー先輩がポンッと祐斗先輩に渡していましたから全然知らなかったです。


「祐斗は魔剣を出せるからこんなものを渡してもお荷物になるかも知れないが一応持っていてくれ……彼はそう言っていたけど僕からすれば凄く頼もしい一刀だ。イッセー君の思いに答えるためにもこの刀を使いこなしてみせる!」


 祐斗先輩はそう言うとフッと姿を消して気が付いた時にはGTロボに攻撃を仕掛けていました。気のせいでは無く明らかにさっきよりも早くなっています。


『速イ!サッキマデトハマルデ違ウ!』
「はぁぁぁ!『龍鎚閃』!!」


 上空に飛び上がった祐斗先輩は落下重力を利用した威力の高い斬撃をGTロボに喰らわせました。さっきまでは傷をつけることが出来なかったGTロボのボディに切り傷が走ります。


「まだだ!『龍翔閃』!!」


 地面に着地した祐斗先輩は、今度は刀の峰を右手で支えてGTロボの下から跳躍し刀の腹で切り上げました。飛び上がった祐斗先輩は背中から悪魔の羽根を生やしてGTロボの周囲を高速で動きながら連続して攻撃していきます。


「これでどうだ!『龍巣閃』!!」


 人間の急所と思われる場所に連続して攻撃を喰らい流石のGTロボも後ずさりしました。


『背中カラ羽根ヲ生ヤストハ益々興味深イ!是非トモ解剖シテミタイデスネェ!』
「はぁ……はぁ……効いてないのか?」
「いえ、効いてはいるみたいです。見ていて思ったんですがあのGTロボは速い動きをするためか他のタイプより装甲が薄いんじゃないでしょうか?私たちの攻撃で所々ヒビが出来ていますし……」


 私のリビルト・カナディアン・バックブリーカーや祐斗先輩の怒涛の攻撃を受けて顔や指に細かいヒビが出来ていました。体毛が切られた場所にもヒビが見えたのであのGTロボは他のよりも装甲が薄いのかも知れません。


「だとして硬いことには変わりないけどね。僕が鋼を斬れればこんなことにはならなかったんだけど……」
「私に考えがあります。祐斗先輩はあいつに隙を作ってくれませんか?」
「隙を?……分かった、やってみるよ!」


 祐斗先輩はそう言うと地面に右手を置いて大量の魔剣をGTロボの周囲に出現させました。私はその間にGTロボの背後に回り込み一気に接近していきます。


(取った!ここです!)


 だがGTロボは素早くこちら側に振り向き回転する腕を私に放ってきました。


『ナニヲスル気カハ知リマセンガ残念、読ンデイマシタヨ!』


 GTロボは私の動きを読んでいたらしく、カウンターを放ってきました。ですがGTロボの攻撃は地面から出てきた魔剣に阻まれました。


『マタ剣ガ出テキタ!?マサカ、私ニ行動ヲ読マレル事ヲ更ニ呼ンデイタノデスカ!?』
「隙が出来ましたね!」


 攻撃を弾かれて体制が崩れたGTロボのボディに私は拳を叩き込みました。でもこれはただの一撃ではありません!一撃目の衝撃が物質の抵抗とぶつかった瞬間、私は拳を折ってニ撃目をいれました。そしてニ撃目の衝撃がGTロボのボディを貫きました。


『コ、コアニマデ達スル程ノ衝撃!!チタン合金ノ装甲ト強化アラミド繊維ノ体毛ガマルデ意味ヲ成サナイトハ……』
「これが私の切り札、『二重の極み』です……!」


 よ、良かった……イッセー先輩に教わってから一回も上手くできなかったけど土壇場で成功させれました。でも前より攻撃の威力が上がったのは何故でしょうか?力が強くなったというよりは身体が進化したような感じです。


『コアヲヤラレマシタカ……私モ懲リナイデスネェ、興味深イ物ヲ見ツケルト周リガ見エナクナッテシマウ。コレデハベイ先輩ヤザイパー先輩ヲ悪ク言エナイデスヨ……マアアナタ方ハヨクヤリマシタ、デモ無駄ナ事デス。結局ハ美食會ガ勝ツノハ決マッテイル事デスカラネ』
「イッセー先輩やサニーさんがマンモスの中に向かいました。勝負は分かりませんよ?」
『イッセートサニーデスカ……彼ラモ強イノデショウガコノ作戦ニヴァーリ様ガ参加サレタノデアレバ、誰モアノ方ニハ敵ワナイ……』
「ヴァーリ?」


 私は聞きなれない名に首を傾げ、それが誰なのか聞こうとしましたがGTロボのボディから煙が上がりだしました。


『デハオ二人共、機会ガアリマシタラマタ会イマショウ……』


 GTロボは最後にそう言うと活動を停止しました。私と祐斗先輩は何とか勝てた事に安堵してその場に座り込みました。


「おーい、二人ともー」
「ココさん!」


 そこにキッスに乗ったココさんが来てくれました。キッスの背中委には部長と朱乃先輩も載っていました。


「ココさん、あの巨大GTロボに勝ったんですね!」
「ああ、それで急いで救援に来たんだけどもう終わっていたとはね。君たちには驚かされてばかりだよ」
「ココさん、部長と朱乃先輩は大丈夫ですか?」
「二人とも、疲れで眠っているだけさ。安心してくれ」
「良かった……」


 私は全員が無事だと知り心から安堵しました。そしてリーガルマンモスに向かったイッセー先輩たちを思い出しました。


「ココさん、早くイッセー先輩たちを追わないと!」
「いや、今は休憩を取って体力を回復させよう。僕も毒を使い過ぎちゃったからね」
「でも……」
「焦りは禁物だ、それに今の君がイッセーの元に向かった所で何が出来る?」
「それは……」
「君がイッセーを案じているのは分かるよ。でも無理をして君に何かあれば悲しむのはイッセーだ。あの子にようやく君という大切な人が出来たんだ。僕としては、危ない事はしてほしくない」
「ココさん……分かりました、今は休息をとって体力を回復させることに専念します」
「うん、いい子だ」


 私は地面に伏せているリーガルマンモスを見ながらイッセー先輩たちの無事を祈りました。


「あいたっ!?」
「何やってるんだい、小猫ちゃん。悪魔が祈りを捧げたらダメージを喰らうんだよ?」
「うう、忘れてました……」



ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


side:イッセー


 俺たちは小猫ちゃんたちと別れた後リーガルマンモスの口から体内に侵入した。落ちた先で偶然にも敵のGTロボと遭遇しサニー兄がそいつの相手を一人でするといい俺はそれを承諾、現在はジュエルミートを手にいれる為にマンモスの体内を捜索中なんだがアーシアとティナが流石に疲れたらしく軽めの休憩をしている。


「しっかしリーガルマンモスの体内ってどうなってるのかしら?迷路みたいに入り組んでいるし猛獣も住んでるしまるでゲームのダンジョンね」
「シチュエーション的にはよくあるけど実際に自分がこうして生き物の体内に入るなんて思ってなかったし」
「ある意味貴重な体験ですね」


 リン姉もなんやかんやでティナと意気投合したのかアーシアを交えて談笑している。確かに今の状況ってゲームに良くある光景だな。


「それにしてもサニーさんは大丈夫でしょうか、一人で残ると言われて置いてきてしまいましたがやっぱり心配です……」
「サニー兄は強い、あんな奴に遅れなんか取らないさ。問題は……」


 俺が一番心配しているのはテリーとティナが教えてくれた洞窟の砂浜で出会ったGTロボが来ているという事だ。あいつは本当にヤバい、できれば遭遇する前にジュエルミートを手にいれておきたい。


「ほら、休憩もそこまでにして早くジュエルミートを探しに戻るぞ」
「はーい、分かったわ」


 ティナが返事をして立ち上がり俺たちは更に先を進んでいく。マンモスの体内からする熟成した肉の匂いを嗅ぎながら進んでいくと腸内が眩しく思えるくらい輝いている場所に出た。


「イッセーさん、ここ何だかすっごく光ってますよ」
「恐らくジュエルミートが近いんだろう。マンモスの体内が明るいのはジュエルミートから出る輝きのお陰だろうからな」
「だから最初からマンモスさんのお腹の中が明るかったんですね。私、ジュエルミートを見るのが楽しみです!」
「ああ、もうすぐでジュエルミートに出会える……ッ!!?」


 アーシアに振り返って返事をしようとしたが俺は見てしまった。アーシアの背後の肉の壁から黒いGTロボが現れる瞬間を……


「アーシア!そこをどくんだあああぁぁぁぁ!!!」
「イッセーさん!?」


 驚くアーシアを無視して俺はホワイトフォレストで使った深い殺気をGTロボに送りながら跳躍した。既に赤龍帝の籠手は出してある。だが黒いGTロボは俺の威嚇を受けても平然としていた。


「(渾身の威嚇も全く通じないか!)5連!釘パ……」
『遅イ』


 バキィ!!


 俺はGTロボに釘パンチを放とうとしたが首に強い衝撃を受けて肉の壁に叩きつけられた。


(な、何が起きたんだ……?)


 首の骨が折れたらしく激しい痛みとは裏腹に意識が朦朧としてきた。リン姉がフラグレンスバズーカを放つがGTロボはそれをかわしてリン姉の腹を手で貫いたのが薄目で見えた。


「リンさん!!」


 アーシアの悲鳴が俺の耳に入ってくる。くそっ、俺は……何をやっているんだ……早く起きねえと……


(駄目だ……体が……)
 

 俺の意識はどんどん薄れていき意識が闇の中に沈んでいった……


 
 

 
後書き
 アーシアです。イッセーさんもリンさんもやられてしまって絶体絶命の大ピンチです……でも私は諦めません!例え死ぬことになったとしても逃げたりなんてしません、だってイッセーさんを信じてますから……!!次回第30話『死闘の果てでの進化!イッセーVSGTロボ!!』でお会いしましょう。イッセーさん、その姿は…… 
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