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ロボスの娘で行ってみよう!

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第29話 イゼルローンへの道


職場から更新です、ここからの方がアイデアが出ますね。
取りあえず未だ調子は悪いです。

皆様、暖かいお言葉ありがとうございます。
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第29話 イゼルローンへの道

宇宙暦792年4月1日

■自由惑星同盟 首都星ハイネセン 

この日、第5次イゼルローン要塞攻略戦に参加する艦隊が密かにハイネセンを出撃した、此はイゼルローン要塞攻略戦を隠す為であるが、シトレもエーデルガルトもリーファもそしてバクダッシュも敵に情報が漏れているのは判っていた。

何故なら既にある程度の人間がフェザーンとがりのある者に接触していたからである。
又フェザーン駐在弁務官ヘンスローがルビンスキーに飼い慣らされているのを情報部が突き止めて居るが、現在はそのまま泳がせている状態だからでもあった。

参加艦隊はドワイト・グリーンヒル中将旗下第四艦隊、シドニー・シトレ大将旗下の第八艦隊、アーサー・リンチ中将旗下の第十一艦隊の三個艦隊が動員されたが、何故かその中にリーファとイブリンとスーンが居たのは作戦の言い出しっぺだから連れて来られたのであった。イブリンとスーンは謀略紛いの作戦内容自体を知らない為に大作戦参加に緊張して居たが、リーファは面倒くさい、ヤンとワイドボーンに任せておけば良いじゃないかと思いながらも仕方が無さそうに参加していた。

4月17日になると各艦隊は最終調整のために、無人のダゴン星域で集結を完了した。
既にこの星域には実艦的が集まりスパルタニアン隊が早速訓練を始めていた。
ただし、実艦的の破壊は禁止され模擬レーザーによる攻撃訓練などが行われているのである。

同じ頃、第5次イゼルローン要塞攻略戦総旗艦ヘクトル会議室では宇宙艦隊司令長官シトレ大将、総参謀長サダ中将、作戦参謀ヤン少佐、ワイドボーン少佐、臨時作戦参謀ロボス少佐が集まり話し合いが行われていた。

シトレ大将が仕切りを行う。
「全員揃ったようだな、先程情報部から連絡が入り、
帝国軍がイゼルローン要塞攻略戦について情報を手に入れたとの報告があった」

「そうしますと、敵も増援があるわけですね」
サダ中将が仕方が無いのかと言う表情で話す。

「司令官閣下、増援の総数は判るのですか?」
ワイドボーンが質問する。
「来る4月2日にオーデインを出た戦力は、ゼークト大将率いる二万隻の艦隊だそうだ」

「そうすると、駐留艦隊が一万五千隻に二万隻で三万五千隻ですか。恐らく増援の到着が4月27日前後です。それから補給と整備を行うとして1週間と言うところですから、回廊出口に現れるとして5月4日前後になります」

ワイドボーンが喋ると、サダ中将が疑問を投げかける。
「しかし、可笑しいですな、情報が漏れていたとしたら、
最低でも我々と同数の五万隻は用意するのではありませんか?」

その言葉に対して、ヤンが答えを出した。
「総参謀長閣下、恐らくフェザーンが適当に少なく報告したのでしょう」
「しかし、何故に?」

「フェザーンの立ち位置を考えれば自ずと答えは出ます。彼等は中継ぎ貿易で栄えています。
しかし商売相手の一方が消えたらどうなるでしょうか?」
「なるほど、バランスを取る為という訳か」

「そうだと思います、しかも増援の提督がゼークト大将です。
よほどの危機なら宇宙艦隊司令長官か副長官を派遣するでしょう」
「なるほどな」
「作戦参謀はこの旨を考慮に入れて作戦を立ててくれ」

この様にあくまでリーファは裏方に徹してヤンとワイドボーンが作戦の提案者であるように見せかけている為、フェザーンが手に入れた作戦計画書にも、ヤン・ウェンリーとマルコム・ワイドボーン2人の連名署名があるだけであった。その為にフェザーンの高等弁務官が密かに調べさせていた人物論評もヤンとワイドボーン2名だけになっていた。

司令部では、敵増援の報告を受けて再度作戦の立て直しが始まっており、喧噪に包まれていたが、統合作戦本部からの出向組は適当に仕事を手伝うか、御茶を飲むかかぐらいで暇をもてあましていたが、リーファは自分のオフィスで最後の詰めの準備に余念がない。

んー。やはり増援が出てきたか。しかし兵力が中途半端だから黒狐が情報操作したな。しかし時期的には最初のダミー時間がそのままのようだね。此方はイブリンのお陰で通常より速い速度で艦隊をイゼルローン回廊へ進入させられるから、本来の作戦書に記載されている5月中旬にイゼルローン回廊進入が繰り上がって4月29日頃に出来るから、敵は未だ回廊出口を確保していない可能性が高いからね。

恐らく黒狐がミサイル艦や要塞傷口にローゼンリッターを急襲させるのもばらしてるはずだ。そうなると敵が第6次イゼルローン要塞攻略戦のラインハルトの様にあの位置から進撃してくるだろから、極端に長い形で迎撃する羽目になると。

んーならば、ミサイル艦が攻撃された直後に、艦隊を8光秒程後退させて、戦場に隙間を作り敵側から丁度死角になる。この凹みに艦隊を隠して側後方から急襲させるのがベストか。

後は、4月25日に発表される、ダミー作戦書ではミサイル艦隊を追尾して無人戦艦が突入と同時にローゼンリッターが捨て駒覚悟の要塞への突入と成っているから、直ぐ後でリューネブルク、ヴァーンシャッフェ、シェーンコップに説明しておかなきゃだね。

説明しておかないと自暴自棄に成って下手すりゃ全員で亡命しかねないから、確りと幹部連中には実際に捨て駒のような突入は無いと話しておかないとね。しかも未だに連隊長はリューネブルク大佐だから、ヤンやワイドボーン両先輩じゃ駄目だからね。


帝国暦483年3月6日

■オーディン 軍務省

銀河帝国ではフェザーンからの反乱軍のイゼルローン要塞攻略作戦に対する帝国軍三長官の会談がもたれていた。
旧式の単眼鏡を掛けた軍務尚書エーレンベルグ元帥が会談を仕切っている。

「フェザーンからの情報だとまたぞろ叛徒共がイゼルローン要塞攻略を狙って侵攻してくるそうだ」
「その情報は確かなのかね?」
「情報部でも確認しているが事実とみていいだろう」

「戦力は三万〜四万程と情報が来ている」
「それならば増援を二万も送れば大丈夫であろう」
「ただ気になる情報がある」

「それは_?」
「うむ。トールハンマーの射程ギリギリの危険宙域を迂回し側方からミサイル攻撃で要塞外壁を破る作戦がとられるそうだ」

エーレンベルクの言葉にシュタイホフは反論する。
「なんと、しかしトールハンマーの射程は極秘のはずだ、叛徒共に判るとも思えんが」
ベヒトルスハイムがエーレンベルクの話を肯定した。
「いや、奴らとて馬鹿ではあるまい。四度もトールハンマーになぎ倒されていれば学習した可能性も否定できんよ」

「さらに、その穴に無気力化ガス発生装置を搭載した戦艦を突入させガスを充満させた後で、ローゼンリッターなる裏切り者共を先兵として進入させ要塞占拠を狙っているようだ」
「あの恩知らず共か!」

「良いではないか、それほど奴らが死に急ぐのであればそうしてやればいい」
「具体的には?」
「ミサイル艦を攻撃できる位置に艦隊の一部を遊弋させ潰せば良かろう」

「しかし万が一要塞に進入されたらどうする?」
「オフレッサーを要塞へ派遣すれば良いだけではないか」
「うむ、確かにそうだ、奴なら十分に撃退できるな」

「して叛徒共がイゼルローン回廊進入予定は?」
「この資料によると、5月15日前後らしい」
「そうなると、最初は回廊出口で小競り合いの後で要塞へ引きずり込めば良いな」
「早速準備にかからなければならんな」



4月2日オーディンから、ゼークト大将率いるイゼルローン要塞増援部隊大小艦艇二万隻余が出撃した。その中には、装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将の姿と共に装甲擲弾兵五万人が乗る輸送艦も追従していた。イゼルローン要塞は又血に塗られるのであろうか?

 
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