| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ABULHOOL IN ACCELWORID

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

a=9

「ハルを…どうする気ですか!」

「ふむ…君はたしか…倉嶋千百合君だったかね?」

「ハルが昨日殴られたのは先輩のせいです!
なのにまたハルを晒し者にして…!
何が楽しいんですか!?」

あー…なんか盛大に勘違いされてるな…

「あー…えっと…チユ?」

「ハルは黙ってて!」

おぉ…怖い…

「少々意味がわからんな…私がハルユキ君の意にそぐわぬ事をしていると?」

「違うんですか?ハルはこういう風にじろじろみられるのが嫌いなんです!」

「ふむ…たしかにそうらしいな…だがソレを選ぶのは彼だ。
それとも君に口出しする権利があるのかね?」

「あります!私はハルの幼馴染ですから!」

いや、確かにそうだけどさ…

て言うかお前が一番注目集めてるじゃないか…

端から見たら俺を取り合ってるようにしか見えんぞ?

いや、まぁ、そんな自惚れ無いけどさぁ…

「ほう?幼馴染かね?ならば私の方がプライオリティは高いな。
噂はもう聞いてるのだろう?
私達は今からデートなのでな」

マジか…

て言うかいつの間にか恋人繋ぎになってるし…

「ではごきげんよう、幼馴染君」








「あのねぇ…世の中加速で解決出来ない事は沢山あるんですよ?
この後チユの機嫌を取るのは俺とタクとナツなんですからね?」

「む?タクとナツは誰だ?」

「タクはチユの彼氏、ナツは俺の妹です
よ」

「なるほど。それは悪い事をした。しかしバースト・リンカーの極意を悟るとはやるじゃないか」

はぁ…全く…この人は…

「じゃぁ、これから祝杯をあげようじゃないか。君の初勝利のな」

そう言って連れて来られたのはコーヒーショップだった。

座ると同時にケーブルを差し出される。

うん、もう慣れたな。

『で、わざわざこんな所で直結するって事は…やっと俺をバースト・リンカーにした訳を教えてくれるんですね?』

『あぁ、無論だ…』

そして黒雪姫先輩は、俺に今のBBの事を教えてくれた。

レベルキャップ…純色の六王…サドンデスルール…

そして…

反逆者ブラック・ロータス…

『黒雪姫先輩』

『軽蔑したか?私は目的の為なら君すらも切り捨てるやもしれん。
これ以上協力出来ないというなら、私を見捨てて構わない』

見捨てる?まさか…そんな、そんな事する訳無い…

『黒雪姫先輩…俺は、貴女が間違ってるとは思いません。
ゲームはクリアされる為にあるんです。
ALO事件というのを知ってますか?
二十年以上前…フルダイブ黎明期のゲームです。
そのゲームは違法なVR実験の隠れ蓑だったそうです。
無論エンディングなんて無かった。
だけど、プレイヤー達はエンディングを見るべく攻略をしたそうです…
ようするに、ゲーマーならエンディングを目指して当然…
エンディングを見るのが怖いなんて奴にゲームをする資格はないんですよ』

『そう…か…そう…だな…あぁ…君は私よりもバースト・リンカーなんだな…』

『あ、いえ…生意気言ってすいません…』

『いや…構わんよ』

ん?という事は…

『俺は9erをぶん殴る手伝いをすればいいんですか?』

『いや…その前に手伝って欲しい事がある…』

と言って俺をバースト・リンカーにした理由を教えてくれた。

要するに身バレしたから暴いたストーカー野郎をとっちめようって訳だ。

それにしても…

『ふーん…チユがねぇ…』

なんと容疑者リストにチユの名前があったのだ。

『無いですね。まぁ、確かにチユはBBPのインストール制限はクリアしてますが…
あいつは無いです。絶対に』

『ほう?なぜかね?』

『あいつ不器用ですから…あいつがシアン・パイルならさっきの一幕で仕掛けて来てます。
あそこで挑まないなんて腹芸は出来ませんから』

チユは、そういう人間だ。正直で、純粋で…

『しかしだな…』

うーん…あ、そうだ…

『なら俺が確かめますよ』

『どうやってだ?』

『直結です。ニューロリンカーのメモリを覗けばすぐわかりますよ』
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧