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オズのトロット

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第四幕その二

「ここに来てから色々あったしね」
「そうよね、最初に来た時も」
「オークに乗って飛んで来たよ」
「オズの国でかかしさん、樵さんと会ってね」
「ポリクロームもいて」
「最初から大冒険だったわ」
 トロット達にも歴史があります。
「凄かったわね」
「全くだよ」
「僕達はまだ平和に来られましたけれど」
 カルロス達は自分達のことを思いました。
「それで平和な冒険が続いていますけれど」
「けれど貴方達も一緒よ」
「歴史があるんですね」
「オズの国においての貴方達のね」
「沢山の冒険がそうですね」
「そうよ」
 まさにそれがというのです。
「そして宮殿や他の場所で遊んでいることもね」
「歴史なんですね」
「楽しい歴史でしょ」
「はい、とても」
 カルロスはトロットに笑顔で答えました。
「本当に、ただ」
「ただ?」
「何か時々これからどうなるのかって」
「わからなくなる時もあるのね」
「どうにも」
 そうだというのです。
「そんな時もあります」
「そうね、私もそんな時はね」
「ありますよね」
「時々でもね」
 それでも実際にというのです。
「あるわ」
「トロットさんも他の人達も」
「ベッツィもね」
 トロットにとってオズマやドロシーと並ぶ親友である彼女もというのです。ベッツィも驢馬のハンクと一緒に大変な状況でオズの国に来ています。
「これからどうなるか」
「絶対絶命って時もですね」
「あるわ、けれどそうした時もね」
「いつもですよね」
「助かってきているから」
 そうだというのです。
「最後は絶対にね」
「助かってますね」
「どんなピンチでも助かるのがオズの国だから」
「そうですね、確かに」
「絶望することはないのよ」
「そうですか」
「そうよ、じゃあね」
「今からですね」
「オズマのお家に行きましょう」
 彼女がチップだったその時のお家にというのです。
「そうしましょう」
「わかりました」
 ここでオズマのお家が見えてきました、彼女がチップだった頃のお家で今は記念館になっています。そこに入るとです。
 色々と説明が書かれています、オズマが使っていた椅子やテーブル等に。そしてオズマがここでどういった暮らしをしていたのかも。
 そうした文章を読んでです、カルロスは思うのでした。その小さな宮殿とは比べものにならない木造の一軒家の中で。
「オズの国の中では普通より小さなお家ですね」
「そうでしょ、元々はモンビさんが一人で住んでいてね」
「それで、ですか」
「そこにオズマが入れられたから」
 チップにされてです。
「一人暮らし用のお家だったから」
「だからですね」
「これだけの大きさなのよ」
「そうなんですね」
「そしてね」
 さらにお話するトロットでした、自分も記念館の中を見回しながら。 
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