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おぢばにおかえり

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78部分:第十二話 制服その四


第十二話 制服その四

「それでも。本場ものは違うのよ」
「高井先輩もそう言われるわね」
 高井先輩は甘いものが大好きです。というか果物が好きで特にその桃やマスカットが好物なんです。
「味が全然違うって」
「神戸牛だってそうでしょ?」
「多分」
 高いからあまり食べたことないからどうだと言えないです。大抵食べるっていえば輸入牛です。贅沢っていうのは宗教やっていたら駄目だと思います。
「そうだと思うわ」
「そうだって」
「食べたことあまりないの」
 それを彼女にもはっきりと言いました。
「実はね」
「やっぱりそうなのね」
「外食も少ないしね」
 教会にいるとどうしてもそうなります。教会では皆さんに御馳走することが多いんでそれで自然とそうなって外では食べないんです。他の教会で食べることは多いですけれど。
「そうよね。やっぱり」
「でしょ?まして神戸牛って本当に高いし」
 これが最大の理由なんですけれどね。
「それよりあれよ。普通の牛肉で焼肉とか」
「そっち?」
「ステーキより焼くの簡単じゃない」
「そうね。皆でできるし」
 最大の理由はここです。焼肉はだから好きです。
「だから神戸牛のステーキとかはね」
「他には関西は一杯あるけれど」
「たこ焼きとかきつねうどんとか」
 あれ、何か安いものばかりみたいな。自分で言っておいてですけれどそう思いました。
「お好み焼きとかね」
「兵庫だったら他には明石焼きね」
「よく知っているじゃない」
 実は私の好きな食べ物の一つでもあります。
「私もあれ好きだから」
「そうなんだ」
「そういえば長池先輩も兵庫の人だったわよね」
「あっ、そういえばそうね」
 言われて思い出しました。そういえばそうです。
「けれど山の方なんだったっけ」
「神戸から北にいってね」
 そう彼女に言いました。
「そこの人なのよ」
「兵庫っていっても広いのね」
「兵庫はね。結構」
 瀬戸内海だけじゃなくて日本海側にも出ていますし。かなり広い県だったりします。
「そうなのよ」
「じゃあちっちと先輩って同じ兵庫でも」
「ここではじめて知り合ったのよ」
 ただしです。おぢばで聞いた話ですが。
「けれど地元じゃ有名な美少女だったらしいわよ」
「でしょうね」
 彼女も私の言葉に頷きます。
「それはわかるわ」
「わかるの」
「奇麗だから」
 やっぱり理由はそれでした。
「けれどそれ誰から聞いたの?」
「先輩が地元でも評判だったってこと?」
「そうそう、それそれ」
 またこの言葉が出ました。何か井上敏樹さんになった気分です。
「誰から聞いたのよ」
「佐野先輩から」
「佐野先輩からなのね」
「そうなの」
 こう彼女に答えました。
「あんまり奇麗なんでタレント事務所から声がかかったこともあったらしいわよ」
「先輩だったらあるわよね」
 それも普通に。奇麗にも程があります。
「それに小野先輩もね」
「奇麗よね」
「小柄だし」
 私は佐野先輩とはじめて御会いした時まずそれが目についたんです。何か小柄で可愛いなあ、先輩なのに失礼だけれどなんて思いながら。
「佐野先輩も制服似合うしね」
「そうなのよね」
 私は彼女の言葉に頷きました。
「特にブレザーがね」
「いいわよね、本当に」
「私は全然似合わないのよ」
「そう?」
 けれど彼女は私の言葉にはあまり賛成しない感じでした。
「ちっち似合ってるわよ」
「そうかしら」
「だってちっち色白いし」
 まず言われたのはそれです。それでも長池先輩や佐野先輩に比べたら色黒いんじゃないかな、って思うんですけれどね。
「似合ってるわよ」
「そうかしら」
 自分では実感がないです。
「だったらいいけれど」
「その制服を短くしたらもっと似合うわよ」
「それは駄目よ」
 それについては私は賛成できませんでした。それには理由があります。
「私ミニは好きじゃないのよ」
「そうなの」
「脚、自信がないから」
 脚線美には全然自信がないんです。というかスタイル自体が。
「嫌なのよ」
「そうなの」
「普通のスカートかズボンならいいけれど」
「ズボンねえ」
「だから天高の体操服は好きなのよ」
 天理高校を略して天高と呼びます。私達の間では普通に呼ばれています。天理高校の学生を天高生と呼びます。おぢばじゃそれで通っています。
「あの紺のジャージがね」
「あのジャージが?」
 私の言葉に顔を顰めさせる彼女でした。
「あれの何処がなのよ」
「だから身体のライン見えないから」
「それなのね」
「そうよ。それがいいのよ」
 私にとってはそれが一番の理由です。
「そうじゃないの?だって中学とかだと」
「半ズボンとかスパッツとかよね」
 流石にブルマーはないですけれど。それでも半ズボンとかスパッツでも身体、特に脚のラインが出るんで凄く嫌なんです。
「それがどうもね」
「嫌なのね」
「ブルマーだったら死にたい気分になっていたかも」
「高校でそれやったらもうやばいでしょうね」
 それは何となく、っていうかはっきりわかります。そもそも昔はそれで問題にならなかったんでしょうか。中学生でもかなり危ないでしょうに。
 
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