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オズのトロット

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第三幕その七

「やっぱりね」
「知らないんだ」
「僕達にしてもね」
「そんなものなんだね」
「そうだよ、神様でないとね」
 それこそというのです。
「全部を知っている筈がないよ」
「そういえばオズの国の神様は」
 ここでふと気付いたカルロスでした。
「キリスト教の神様とはまた違いますね」
「ええ、そうよ」
 その通りとです、トロットはカルロスに答えました。
「それも一柱じゃないわよ」
「キリスト教と違って」
「そうなの、それぞれのものに司っている神様がおられるのよ」
「何でもですか」
「そうなの」
「それじゃあ恐竜の神様も」
「いるわよ」
 そうだというのです。
「ちゃんとね」
「そうなんですね」
「そう、恐竜の神様もおられるから」
「そう言われるとどうも」
 ここで、です。カルロスはこんなことを言ったのでした。
「日本の神道みたいですね」
「日本の宗教ね」
「神道って物凄く沢山の神様がいるんです」
「私もお話は聞いてるけれど」
「それで本当にあらゆるものにです」
「司っている神様がいて」
「それと同じですね」  
 神道と、というのです。
「オズの国の神様は」
「そうなるかしら、本当にキリスト教とは全然違うから」
 宗教の在り方はというのです。
「その辺りも面白いわよ」
「そうなんですね」
「そう、それとね」
「それと?」
「神様の数が多過ぎて」
 少し笑って言うトロットでした。
「どれだけの神様がいるかわからない位よ」
「これもまたオズの国の特色だよ」
 キャプテンもこうお話します。
「神様の数が多いこともね」
「このこともですね」
「うん、そうなの」
「それも日本の神道と同じですね」
「あれっ、そうなの」
「はい、これが」
「そこまで一緒なんて」
 意外といったお顔になって言うトロットでした。
「凄いわね」
「あと中国の道教もですし」
 カルロスは今度はジョージを見てトロットにお話しました、その次にジョージも見てさらにお話しました。
「ネイティブの人達の宗教もです」
「全部なのね」
「はい、神様は一柱じゃないです」
「そのことは面白いわね」
「キリスト教とはまた違って」
「私ずっとキリスト教しか知らなかったの」
 トロットはそうだったのです。
「キャプテンもモジャボロさんもそうだったと思うわ」
「わしは海から他の国を巡って知っていたけれどね」
「僕もだよ」
「けれど信仰はキリスト教だったよ」
「アメリカにいる間はね」
「それが今はね」
 オズの国に入ってというのです。
「オズの国の神々も認めているよ」
「存在するものだってね」
「そうなんですね。僕はキリスト教徒ですが」
 カルロスはそうだとです、キャプテン達にお話しました。 
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