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おぢばにおかえり

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61部分:第十話 登校その二


第十話 登校その二

「他の部分だってね」
「余計に自信がなくなるんだけれど」
 他にも自信はありません。幼児体型だと自分では思っています。
「それ言われたら」
「脚奇麗じゃない」
「そうかしら」
 それも自覚はありません。今はじめて言われました。
「それにお尻だって」
「大きいって?」
「程よくね。ウエストだって細いし」
「つまり胸だけないって言いたいのね」
 どうも悪いように悪いようにって考えいっています、自分でもわかります。
「バランス悪いじゃない、それだと」
「そうかしら。ちっちって全体のバランスがいいのよ」
「自分ではそう思わないけれど」
「それにね。胸だって」
 ここでその胸のことを言われます。
「大きいのがいいってわけじゃないのよ」
「そうなの」
「小さいのが好きだって人も多いみたいよ」
「本当!?」
 言われてもそれが本当だとは思えません。やっぱり女の子は胸だって思うんで。雑誌とかだといつも言っていますよね。それでそうとしか思えないんですけれど。
「そうよ。そこは人それぞれ」
「そうは思えないけれど」
「ちっちが知らないだけよ。そこは人それぞれ」
 またそれぞれだって言われました。
「胸が小さいのが好きだって人見つければいいじゃない」
「自分で胸見せてどうって言うの?」
「それやったら変態だから」
 それはすぐに否定されました。
「絶対に止めなさいね」
「しないわよ、そんなこと」
 したら大変です。中学三年になってやよスポーツブラから離れられたって位なのに。今もとにかく胸が背と同じ位小さくて困ってるんですから。
「自然と向こうから寄って来るしね」
「それ言ったら虫みたいね」
「当たり前よ、女の子は花よ」
 ここで何か面白いことを言われました。
「それで男の子は蜂なんだから」
「蜂なの」
「そうよ、だから気をつけろって言われたわ」
 一体誰にでしょうか。彼女のそうしたことがやけに気になりました。
「お母さんにね」
「あんたのお母さんって何気に凄いこと言うわね」
「悪い男には気をつけろって昔から五月蝿いのよ」
「ふうん」
「うちのおじさん、今うちの上の教会の後継者なんだけれど」
 彼女のお母さんは教会の奥さんです。実家の教会のすぐ下の教会に奥さんとして入ったんです。実家の教会はお母さんのお兄さん、彼女のおじさんが継いだらしいです。
「今は全然だけれど昔は凄い女好きだったらしいから。それを見ていてね」
「碌でなしだったのね」
「昔はね。今は真面目になったけれど」
 何気に凄い話です。
「とんでもない人だったんだから」
「そんなに?」
「天理高校でも有名だったらしくて」
 私達の先輩だったようで。それを聞くと何だかなあって思います。
「大学でも遊び人で。泣かした女の百や二百って」
「最悪ね、それって」
「他にもお酒にギャンブルにって。凄かったらしいのよ」
「そんな人が教会継いで大丈夫なの?」
 他の人のこととはいえ。これは流石に無視できませんでした。
「そんなので」
「今はなおったのよ」
 だそうです。
「結婚してからね。普通になったらしいけれど」
「若気の至りってやつかしら、それって」
「どうもそうらしいわ」
 それでも酷い話ですよね。話を聞く限り最低です。そうした遊び人や家族に暴力を振るうような人は大嫌いなんです。男の人は優しくないと駄目ですよね、やっぱり。
「それにね」
「まだ何かあるの」
「結構恐妻家なのよ」
「奥さんが怖いの」
「そうなの、家に行ったらいつも奥さんの言いなりで」
 あらま。そんな凄い人をそうさせる奥さんも凄いですけれど。
「随分大人しいわよ。実質的に将来は奥さんが会長さんになるわね」
「そんなに凄いの」
「奇麗な人だけれどやり手ね」
 彼女はこうも言います。
 
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