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ランス ~another story~ IF

作者:じーくw
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第1話 歴史

 
前書き
~一言~

あぁぁ…… これはちょーーっと悩んじゃいましたが、やっぱり載せる事にしました…… 苦笑
第二部をした人であれば判ると思いますが……、大ざっぱにあった事件や出来事をささっと省略化?して一覧表にしていたんですよね……。結構重要そうな勇者災害! とか。

つまり、何が言いたいかと言いますと……。この話は もう1つのランス ~another story~のネタバレになっちゃってますw

もしも…… 万が一、とてもありがたいですが 楽しみにしてたのに、ネタバレしちゃって~ と思ってしまった人がいらっしゃれば…… ごめんなさいww そして自意識過剰だ! って思われてしまっちゃった方もいらっしゃれば……さらにごめんなさいww

これからもガンバリマスー!

                                   じーくw 

 
RA15年 2月

 リトルプリンセスの時代。即ち魔王不在の時代は終わりを告げ、新しい魔王が誕生した世界。 

 その魔王の名はランス。

 世界を救った英雄の1人が魔王となった。魔王を拒み、逃げ続けたリトルプリンセスが魔王の力に屈しかけたその時に彼が代わりに魔王を受け入れたのだ。 そう――全ては1人の女性(・・)の為に。


 そして魔王ランスの時代となって15年と言う歳月が流れた。









~国際共同都市 シャングリラ~






 熱く焼ける様な太陽が照り付ける砂漠のオアシスに カラーの娘たちが水をかけ合い遊んでいた。

「ふふっ! リセット様ーーっ 一緒に遊びませんかー?」

 そんな中の1人がリセット・カラーに声をかける。遊びの誘いは決して断らない。いつの時代でも、どれだけの苦しい時があっても、少しでも心の安らぎになるのであれば、と率先してしてきたから。
 でも、今は違った。折角の誘い、と惜しんだがそっとかぶりを振って断りをいれていた。

 実を言うと――それは随分と昔の話だから。

 この世に生を受けてもう16年程。
 今は一緒に遊ぶよりは、遊んでいる子達を眺めている方が性に合っているのだ。平和を謳歌する姿を、自分よりも年下の子供たちを見ていると、かつての温もりが身体の中から蘇ってくるから。

 そんな時、リセットの傍に静かに近づいてきたのは 彼女の乳母でもあり教育係でもあるアカシロ・カラーだった。

「姫様、お耳に入れられましたか? なんでも第17次魔王討伐部隊が魔王城に向かったとか……」

 それは勿論耳にしている。魔王の事は必ず……。
 リセットよりも早く、話に加わるのは遊んでいたカラーたち。

「あ、それ私も聞きました! なんでも、全滅しちゃったとか……。可哀想な事に、メンバーの中にいた18歳の子が散々犯されたとか……」
「だから魔王討伐部隊には若い女の子は入れちゃいけないって言われているのに……」

 口々に現魔王の悪行を口にするカラーたちに向かって表情を強張らせるアカシロ。

「貴方達………」

 たったその一言だけで、カラーたちは自分達の失言を理解する。

「えっ……あ、す、すみません……」
「申し訳ありません……リセット様」

 リセット・カラーとは、数いる魔王の子の1人なのだ。
 つまり、娘の前で父親の悪行を語る事の意味を、アカシロの一言で理解し、謝罪した。

 リセットは、そんな彼女達に笑顔で手を振った。問題ないよ、と言う様に。……彼女自身も苦しんでいると言うのに、決しておくびに出さなかった。

 元を言えば、どう考えても悪いには―――父親のランスだ。

 思わずため息が漏れ出て、遠い空を見上げる。

 そして、次に浮かぶのは…… そんな父を止める事が出来る筈の人の事。

 父と共に世界を救い、束の間ではあったものの平和を齎してくれた英雄の1人。人物像を考えたら、圧倒的に英雄度は父親のランスを遥かに超える人。好色家の父だが慕う女の人も父に匹敵するどころか、それ以上の人。


 その英雄の1人については――少し後にしよう。

 それよりも今は世界だ。

 束の間の平和は、終わりを告げたから。



 あの日、当時世界を蹂躙し地獄に変えようとした魔人ケイブリスを筆頭にした魔軍を退け、最後に魔王になった父親ランスは、魔物たちに対して人類圏の戦争行為を禁じた。それと同時に姿も眩ませた。

 世界各国、そして魔軍も探したのだが見つける事が出来ず、その一年後また現れた。

 突如世界に新魔王軍を宣言し、翔竜山に本拠地《アメージング城》を建設した。

 あの時の周囲の人たちの混乱っぽリを想像すると少し頭痛がする。大変だっただろう、と。父は魔王になってもおおむね変わる事は無かった。好き勝手、自分本位、やりたい放題。普通の魔王と違うらしいのは、父は支配と言う考えに興味が無かったと言う点だった。
 新魔王軍――と言えば禍々しく、恐ろしく感じるものだが 規模にしては歴代においても圧倒的に少ない。精々数千程度の小規模のものだった。

 でも――やることは非常に恐ろしい。

 定期的にアメージング城から降りてきては国に攻め込み、可愛い子をさらってレイプするだけして返す。攻め込まれた国は当然成す術が無い。人類が一致団結し、1つにまとまっていたあの時とは違う。そして 英雄ももういない。
 国単独で魔王に抗える筈もないからだ。まるで異常なまでに強い盗賊団を相手にしている様で、かつての英雄のその姿を見て尊敬できる者など殆どいないのは明白だった。
 
 そんな中でも良い点は無い訳ではない。

 以前の魔軍侵攻の際には人類滅亡の瀬戸際と言う事もあり、人類は結束していたが それが無くなった途端に、国同士の小競り合いが起こる様になった。でも、大きな戦争にならなかったのは魔王のおかげでもある。

 気まぐれに世界中あっちこっちを攻めるからどこも戦争をする余裕などないから。そこだけが良い点だ。……人間は悲しい事だがなかなか仲良くできないから。其々の国の繁栄を第一に優先してしまうから……争いが生まれてしまう。でも 父の魔王がいたから大規模な争いは無くなった。

 でも、そんな戦争のない世界も長くは続かなかった。

 いつでもその気になれば 人類を地獄へと変える事が出来る存在……魔王。

 された者からすれば溜まった物じゃないが、レイプされた女の子達。
 当初こそ怪我もなく返された女の子達がまず変わった。再起不能になるまで犯され、精神を狂わされ、最後には命を落とす者も増えだした。……その被害は数年で徐々に増えつつあった。

 人間の頃のランスは、粗暴で短気で、乱暴者。男は容赦なく斬り捨てる様な男だったが、女の子にまでそんな事をする男じゃなかった。


 そう――全ての元凶は魔王の血にあった。


 魔王になった者を無条件に狂暴化させ、破壊衝動に駆り立てる存在。
 その破壊はまさに圧倒的。人類に抗えるものではない異常な力。


 そんな魔王を―――どうして止めてくれ(・・・・・)ないのか、と世界が嘆いた事もあった。 


 魔王の力は圧倒的だが対抗できる術が全くない訳ではない。

 1つは、魔剣カオスと聖刀日光。魔王をも傷つける事が出来る伝説の武器。万人に使用できる代物ではないが、それでも唯一対抗できる武器として重宝された。……色々と喋ったりする所は目を瞑ろう。

 そして、最後にもう1つ…… いや、もう1人。

 ここで もう1人の英雄について語るとしよう。

 彼は魔人の持つ無敵結界を無効にする事が出来る力を持つ。
 歴代においても使用できた者がおらず、文献も無い為、全ては本人談になるが《リ・ラーニング》と呼ばれる技能を使い、無敵結界を解析し 無効化する術を身に付けたとの事だ。更に言えば魔法全般通じないと言えるかもしれない。……魔法を斬ってしまうと言うこれまた前代未聞の技術を見せたのだから。

 この世に知らぬ事など無いと豪語する自他ともに認める人類最強の魔法使いも彼については匙を投げる程だった。
 それらの技能に加えて戦闘力、その頭脳。全てが秀でており まさに英雄の名にふさわしい。一部……欠点? みたいなのがあるのだが それは彼本人が過剰反応してるだけで 他の者が視れば実はそうでもないらしいのだが、頑なに認めず、父のランスの笑いの種になってたのが常だった。

 今思い出してもリセットは頬が緩む。大変な時代だったけど、とても楽しかったから。

 そして更に思い出すのは彼の神髄とも言えるもう1つの技能。
 その名は《神威》。神の脅威と掻いて《神威》は 神をも殺すと言われていて、まさに最強だった。その力は魔人をも圧倒し地に伏させ、その構図は 人類と魔人に似ていた。問答無用で圧倒してしまうのだから。
 勿論、その力にも制約があり 無暗矢鱈に使用すれば本人の命が無くなってしまうから、ここ一番でしか使わなかった。……と言うより、彼を慕う者達が使わせなかったと言う方が正しいかもしれない。

 それでも ゼスの解放戦とヘルマンの解放戦は世の語り草。

 魔人メディウサ、魔人ケッセルリンク。

 魔人の中でも特に危険な魔人。それらとの戦いは後々の世にまで伝わる事間違いないだろう。
 

 
 戦争終結後、暫くして 神をも殺す力であれば、必ず魔王にも届き得る。いや、寧ろ魔王を圧倒し 平和を齎してくれる、と一部の者達の狂信的に崇め、奉っていた。

 だからこそ――魔王の蹂躙の際に、その皆が声を上げたのだ。

 戻ってきてください――と。まるで AL教での信仰心をそのまま彼にシフトしたみたいだった。
 だが、それも長くは続かなかった。


 彼の印象が、伝説が、残し続けてきた恩義が、全て180度変わる事になったから。









「…………」


 彼がいなくなったハッキリとした理由は判らない。
 でも、頼り過ぎるからダメだったんだ、と言う事は今なら本当によく判る。自分達の脚で歩かないといけないから、と。例えどれ程な地獄であっても…… 全てを1人に押し付けて良い訳ないから。
 
 そして とても優しかった彼が、蹂躙されている国々をただ黙っていられる筈がない事も判る。だから 余程の事があったんだと思った。彼を知る誰もがそう思った。

 そして――誰もがまだ生きている、と信じて疑わなかった。


「……だから、私にできる事を」


 リセットは自分の手をこの青空にかざした。
 その手は、父を……あの時の父に戻す事が出来る手。……自分がするべきこと。それは、この手を届かさなければならないという事。

 必ずまた―――父に届かせなければならない。











 ここで人類の歴史を振り返ろう。









LP8年にしてRA0年


□ 第二次魔人戦争勃発・終結。

 ランス総統閣下率いる人類群と魔人ケイブリス率いる魔軍との戦いは、かなり危険な状況にまで陥ったと言えるのだが、まるで予知していたかの様に、水面下で対策を練っていたランスの奥の手や懐刀……と各国に伝えられているユーリの活躍により、魔人戦争の名を冠する戦争において、前代未聞とも言って良い程の最小限度の被害に抑えつつ、人類群の勝利で終結を迎えた。

□ 英雄ユーリの消失

 人類の勝利で浮遊しているのにまるで地震でも起きたのかと言われる程大いに揺れたランス城。そこでランスと共に称えられる筈だったユーリの姿は無かった。ランスをたてるため、と当初は思われていたのだが、何の連絡もなく煙の様に姿を消し、一部の者達が混乱し、勝利の席で不安を大いに煽った。

□ 新たな魔王の誕生

 混乱の最中……魔王に覚醒しかけた来水美樹からランスが己への魔王の血を移し替え魔王に就任。通常であればその瞬間から支配されるのだが、勝機を保ったままで魔物たちに対し、人類圏への不可侵を命じた。
 魔王の力で魔人 健太郎から魔血魂を抽出。そして人間に戻った。

□ 魔王ランスのその後

 魔王となった次の日。ランスは魔人サテラと共に忽然と姿を消した。サテラは当初はユーリの行方を追う! と魔人ホーネットや魔人シルキィ、魔人ラ・ハウゼルにも伝え協力を求めていたのだが、それを魔王ランスが許さなかった。『オレ様は魔王となったのだから魔人であるお前は絶対服従だ!』とサテラを強引に抱いて連れ去った。

 そして、主不在のまま……祝いの席でのもう1つの事件の悲しい結末、バードの襲撃によるシィル死亡後の葬儀がしめやかに行われた。シィルは奴隷の身分だったのだが、異例ともいえるほどの参列者数となり、多くの者が故人の死を悼んだ。

□ 前魔王リトルプリンセスのその後

 長い間 異世界を冒険した美樹と健太郎の2人は皆に見送られて故郷へ帰還する。

 
□ 法王

 AL教の法王クルック―がとある行動を起こす。詳細は不明。




RA1年
 魔王ランス時代が始まる。年号がRA歴となる。


□ 新魔王軍結成

 翔竜山の頂上付近にて城の建設が始まる。それが後のアメージング城。ランスの居城と判明する。
 魔人サテラ、ホーネット、シルキィ、ハウゼル、ワーグ、レイ、ケッセルリンク、ガルティア、魔物大元師学者と数百の魔物を率いて魔王ランスが現れ、世界に新魔王軍を宣言。

 人類各国、魔物の有力者が魔王ランスへ謁見を求める。
 純粋にランスに会いたい者――
 魔王に忠誠を誓い臣下になりたい者――
 魔王の力を利用する者――
 しかし、殆どの者が魔王に謁見できた者はいなかった。

□ リズナの魔人化

 魔王に謁見できなかったのはあくまで殆どである。唯一の例外がリズナ、そしてランス城メイド長 ビスケッタだった。
 リズナはビスケッタと共にランスの元へと訪れ交渉。その熱意に圧されたのか 魔王ランスは魔人となるなら、と条件を付け リズナが了承。ビスケッタは メイドには不要の代物と拒み、これまた魔王ランスは圧された様でビスケッタだけは免除された。


RA2年

□ 魔軍の分裂

 魔王に放置された魔物が集まり、各魔人や魔物将軍の下、勢力を作り始める。ハウツーモン派、カミーラ派、オルブライト派などが台頭。更に10数個の勢力が乱立し、争いを始めた。ある勢力は魔王討伐を目指してアメージング城へと攻め込んだが、魔王ランスにより撃退される。

□ 人類の分裂

 人類圏では魔王ランスに会えず、更にユーリも消え去った事で不安が増し、ついには多数の意見が多発して決裂。内容はユーリを探す事に全勢力を掛ける事こそ依存は無いものの、魔王ランスも決して無視できる存在ではない、と言う意見。

□ リーザス大戦

 リア率いるリーザス王国が他のすべての国と戦争を始める……が、元リアの側近である忍者かなみのビンタ。そして 侍女マリス、各国の代表たちに諭され、うやむやの内に停戦となる。……後にかなみは、どんな理由があれ手を上げた事実はあるのでリアとマリスにお仕置きされたらしい(軽く)。


RA3年
□ カミーラの反乱

 魔王として魔物を統治せず、堕落した生活をするランス。
 それに強い不満を感じる魔物たちが魔人カミーラを担いで魔王に反乱を起こした。元々カミーラは魔王になったランスを良しとはしていなかった。『なぜ、ランスで、ユーリではないのか』と現魔王に当初から不満を募らせていたのだ。更に追い打ちをかける様に堕落生活により魔物たちの不満が膨れ上がった。……結局それらはただの切っ掛けに過ぎず、他が動かなくとも 後々には自ら動いたとの事。

 だが、結果を見れば100万からの魔物がアメージング城に攻めたが魔王ランスはそれを簡単に鎮圧されてしまいあっけないものだった。魔王と魔人の力の差は歴然であるという事を改めて実感した瞬間でもあった。

『あんなガキの事など直ぐに忘れさせてやる』と魔王ランスのフルコースお仕置きをカミーラは受けた。

□ ダークランスの戦い

 兄であり、師であり、恩人であるユーリが消えたのは、全部ランスのせいだ。と言う強い憤りとユーリが消えた事で、母フェリスが憔悴しきってしまった姿を見たダークランスが、全ての元凶である魔王ランスを倒す! と言う行動を引き起こした。それは人類、魔軍どころか悪魔界と天界をも巻き込んだ大事件となった。
 この頃のダークランスは 師であるユーリの戦いの教えを忠実に守り、日々鍛錬に励んでいた事もあって、人間の頃のランスをも上回る力を得て、更には活動力をも引っ提げて世界の流れを1人で動かす程になっていた。

 目的の為に戦い続けるダークランス。寝食を忘れ、戦い続ける。如何に悪魔とは言え休養は必要。なのにも関わらず、ダークランスは歩みを止める事はなかった。

 その理由はランスが憎い……と言う理由もあるだろうが、それ以上に別にあった。……そう、心の何処かでは 戦いの最中もずっとユーリの幻影を追い求めているのがその姿に見て取れた。ユーリを慕っていた者達全員にそれが判り 皆が 堕ちてゆくダークランスを止めた。そして、どれだけ戦っても、戦っても、ユーリは来てくれない。傍で笑ってくれない。……もういないのだと理解した途端に、糸が切れたように崩れ落ちた。それまでの戦いのダメージを一気に思い出したかのように衰弱し、一時危篤にまで陥るも母フェリスを初めととした 周囲の献身的な看病に一命をとりとめ、今までの自身を悔い改める様になったと同時に、ランスに対する根深かった憎悪も拭い去る事が出来た。



RA4年
□ 神異変

 突如、神が人々の前から姿を消す。元々一般人には見られない存在……と言えばそうなのだが低級神さえ見なくなったので、その異常性には世界全体が気付いた。それと同時に神魔法、レベル屋、AL教の各種奇蹟、それらが新たに神託されることがなく、現状ある物しか使えなくなった。これにより世界が大きく変わっていく時代の節目となった。どれだけ蓄えていたのか判らないが、シスターロゼはその圧倒的な蓄えで色々と牛耳る様になり、ランス顔負けの怠惰を貪っていたのだが、見る者が見れば その行動理念と目的がはっきりとわかっていたので、別段口にする事は無かったのだが、AL教の失墜は目に見えていた。
 法王クルック―はその状況に何処か安堵した表情を見せたが、その表情を誰も理解できなかったのは言うまでもない。

□ 勇者災害

 新たな勇者ゲイマルクが魔王ランス討伐に立ち上がる。
 勇者とその仲間は、エスクードソードを発動させるために意図的に人類削減を決行する様に画策。いち早く察知したのは怠惰を貪っていた……と思われていたシスターロゼ。世界の異常とも言える事態。まさに光の速さで各国に伝わるが、相手は腐っても勇者。その実力はどんな戦士よりも遥か高く、人類軍は連戦連敗を続け、集められるだけ集め、匿っていた市民たちを守る大規模砦も発見され、一気に数百万の命が奪われようとしていた時、謎の男が現れ勇者を撃退した。
 その男は。

『我が名はマスク・ド・ゾロ! ばばーーん!』

 と名乗っており、民間人が多数いた砦であった為か一気にアイドルになった。赤い帽子に緑の仮面。……初見では正直ダサいと誰もが思ったのだが、大恩が出来た為誰も口にしなかったのは言うまでもない。

 勇者ゲイマルクが粋がっている、と魔王の耳に入り いざ〆てやろう……と乗り出してきた魔王ランスだったのだが、その変態仮面(魔王談)がちやほやされてて ムカついて砦を破壊し、変態仮面に襲い掛かるが、その仮面の戦士こと マスク・ド・ゾロは 勇者討伐の際にも発揮していた不思議な力を使い、魔王ランスをアメージング城まで飛ばしたとの事。(真偽は定かではないが、魔王ランスが消えたのは事実)
 この後 《マスク・ド・ゾロ崇奉集》なるものが これまた光の速さで出来上がった。(因みに マスク・ド・ゾロを崇め奉る集まりの略らしい)

□ ランスの異変

 この時、人類各国指導者たちは久しぶりにランスと会うが、魔王化の影響で以前のランスではもう無かった。


RA5年
□ 魔王の世界凌辱、ランスが魔王の本能に屈する

 魔王ランスは翔竜山を下りて人類、亜人、魔物、全てに襲撃を開始。各国を襲っては破壊と凌辱を自由気ままに楽しむ。処女ブームだったこともあり100人以上がランスにより破瓜した。それにより、まだ多少はあったランスの英雄像は完全に粉砕され、やはり人類の敵であると言う考えが一般化した。

□ リセットのビンタ

 陵辱を続ける魔王ランスを止めたのはリセットだった。
 彼女はビンタした対象を正気に戻すクラウゼンの手と言う特異体質を使い、ランスの心を取り戻した。魔王の血に屈していたランスだったが、自身の娘の事は心の何処かで判っていた様で、ビンタする隙をつく事が出来た。

 この戦いの最中、あの仮面の戦士を見た――と言う目撃情報が多数あるらしいが、その真偽は定かではない。

 再びアメージング城へと戻ったランスはそのまま引き籠る。


RA6年
□ 第1次魔王ランス討伐隊

 高名な冒険者22名からなるパーティが魔王ランス討伐に動く。
 後に東ヘルマンを建国する ホワイト、タイガー両名も参加。彼らは主要国やAL教の後ろ盾は得られなかったが、ランスに対する不満をもつ民衆、マスク・ド・ゾロ崇奉集の援助もあって 態勢を整える事が出来た。……が、人間の中では優秀とは言え、ただの人間に魔王ランスに敵う筈もなく圧倒的な力の前に返り討ちにあう。

□ 悪魔の活性化

 神異変で神は現れなくなったが、悪魔はこれまでと同じように発生。神がいなくなった事でより目立つようになった。第1級悪魔 ネプラカスが世界をより混乱させようと暗躍開始……したのだが、なかなか上手くいかない。情報によれば ここぞと言う所で、妙な邪魔が入るとの事。
 平穏を取り戻したダークランスにも何度か接触してくる事もあり、ダークランスにとってネプラカスは因縁の相手。故に再び宝剣グラムを手に戦いを始めた。

RA7年
□ 魔王の沈黙

 前年から続けて2年連続、魔王ランスは翔竜山のアメージング城から出なかった。

□ 勇者ゲイマルク再び

 3年前の勇者災害にて死んだと思われていた勇者ゲイマルクが現れる。神異変の影響か勇者交代も起こらず死ねない化け物となっていた。アメージング城へと攻め込むが 人類の数は全く減っておらず、勇者システムは動かなかった為、成す術もなくやられ身体の胴体部分に大きな穴、両足を消し飛ばされ再度死亡(疑)。

□ ランス・ユーリの子達の新年会

 リセット主導で、かつての英雄の2人の子達、そしてその親族が集まっての新年会が企画される。ダークランス、リーザスのザンス、ウズメ、れなみ、JAPANの勇義、ゼスのスシヌ、ヘルマンのレリコフ、自由都市の萌香、などなどが一同に会する。
 これ以降、英雄の子達の新年会は行えない歳もあるが、毎年の恒例行事となった。親たちの殆どは各国の指導者の為、政治的な意味合いも大いにある会となったが、それとは別に皆で束の間の平和を楽しんだ。
 
 魔王ランスも呼んでいたが姿を見せる事はなく、何故かマスク・ド・ゾロも呼ぼうと色々手を尽くしていたのだが、両名現れず。何故呼ぼうとしたのか、と崇奉集が抗議に来たが、明確な理由は判らず。


RA8年
□ 魔王化の再進行

 何とか魔王化を抑えていたランスだが、破壊衝動を抑えられなくなり定期的に周辺の人類、亜人、魔物を襲う様になり、美しい女性を見境なしに犯し始めた。リセットが再びビンタでランスを戻そうとするのだが、魔人ラ・サイゼル、サテラの妨害が入り、ランスに近寄る事さえ出来なくなる。

□ アームズが日光を手に入れる。

 ソロプレイヤーとして有名な彼女が伝説級武器の中でも最上位に位置する日光を手に入れる。意識していた訳ではないが、彼女は対抗意識を持っていた神無城 清十郎よりも早く入手できた、と小さくさりとて判りやすくガッツポーズを見せており、結構なメンバーにその姿を見られた。清十郎自体は気にした様子は見せず、寧ろ対抗されていた事にも気づいてない様子。日々色々とアタックしているアームズが可愛く見える……とまた話題になる。

□ RECO教団の台頭

 神異変依頼、AL教は影響力を大幅に失っていた。神は死に、新たな神を降臨させなければならないと言う考えの司祭ザンデブルグが新たな組織《RECO教団》を発足。いくつかの教会がそのまま鞍替えし嘗てのAL教と同等以上の勢力を持つ。



RA9年
□ 鬼畜王戦争

人類、魔物を襲う魔王ランスによる被害が比較的に増えだす。ところどころであのマスク・ド・ゾロの情報が入っているが、魔王ランスの被害そのものを抑えられる訳ではなく、広範囲である為 彼でも難しいのだろう、と言う見解となり、崇奉集が 全人類マスク・ド・ゾロの下へと言う声明を出す―――までもなく、静観していた各国も見過ごせなくなってきたため、本格的な戦争状態となった。

 人類側の主力はミラクル、彼女の下に結成された新トゥエルヴナイト。
 アームズ、清十郎、カオスを持つカーマ、勇義、パットン、アレキサンダー、リック、志津香など、過去に英雄2人がいた頃の精鋭部隊《魔人討伐隊》と比べても遜色のない人類のオールスターチームであったが、時折地域を奪還するも、殆どランダム。好き勝手に動く魔王ランスには連戦連敗を繰り返した。
 時折、魔王ランスから低く、重い声『………出て来い!』と言う声が街中に響き、夜も眠れない状態が続いた。それが誰なのか、誰の事なのか予想は出来ても はっきりとはわからず。
 戦争は長引き、翌年にまで持ち越された。

□ 魔王ランスの新魔人とマスク戦士の正体

 魔王ランスは気まぐれに自分の血を与え、4体の魔人を作った。
 魔人ネルアポロン、魔人ヘビーカロリー、魔人ワルルポート、魔人DD。性格は全く異なるが戦闘や虐殺を好む点が共通する危険な魔人たちは、新トゥエルヴナイトと戦いに明け暮れ、彼らを覆いに苦しめる事に成功した。……が、ここでも間に割って入るあのマスクの姿があった。

 これまでの事もあり、まるで人類が負け出したら現れるピンチのヒーローか? と思いだしたのだが、歓声を上げるのは基本的に民衆であり、戦う者達からすれば偏に諸手を挙げて歓迎はなかった。何故なら、その行為は新トゥエルヴナイト達の自尊心(プライド)も傷つける結果となったからだ。
 だから行動に出る。

『―――戦うなら初めから協力しろ!』

 と2度目現れた時に直談判した。その際に、マスク・ド・ゾロに逃げられぬ様にミラクルが先頭に立ち、異界ゲートを発動させて 強制転移させ その中で話をしようとした。
 其々の気持ちはさておき、強大な力を持つ者が増える事に関しては歓迎すべき点がある、と期待をしていたのだが、返答は悪いものだった。

『生憎、活動できる時間は限られている』

 とマントを颯爽と翻してその場を後にしようとした。それを行かせまいと身体を使って止めたのが魔想志津香だった。
 その際の彼女の目には大粒の涙が浮かび上がっており 幾度となく流れ落ちた。
 そして 誰もが一度は考えていた名を、そのマスク・ド・ゾロに向けて叫んだ。
 志津香だけでなく、シーラやかなみ、ヒトミ、フェリス…… 所縁のある女性陣全員がそれぞれマスク・ド・ゾロの前に立ち、声を上げ、名を叫んだ。 


 叫んだ名は『ユーリ・ローランド』


 マスク・ド・ゾロはそれを訊いて首を傾げる。

『それは誰だ?』

 と。表情は殆ど見えないのにも関わらず、本当に判らない、と感じていた為 淡い期待。大きな希望を打ち砕かれてしまった女性陣は例外なく地に膝をつけていた。
 
 そしてその後 彼は消え去った。『異界に閉じ込めた状態ででも逃げられた。それも笑顔で容易く、易々と』と言う事実が、その時の笑みが、どうやって逃げだせたのか判らないと言う思いが最後まで笑っていたミラクルの自尊心(プライド)に届き得、激しく傷つける事になり、最初からそのつもりだったが、皆の前で彼を新トゥエルヴナイト筆頭にすると宣言。
 それも 今は亡き片腕へのポジションへと引き込む事を決心し、これよりミラクルは付け狙う様になった。

 その後 数度ミラクルは接近出来ている。何度断られようと持ち前の強引さを活かしてめげなかった。最後は制限付きでも良い、とまさかの妥協を見せつつも『マスターオブネメシス』と名付け(勝手に)接触をしようと更に躍起になるが、『先ずは魔王をどうにかする!』と周囲に言われた。
 因みに、マスターオブネメシスは 2代目である。


RA10年
□ 鬼畜王戦争の終わり

 この2年の戦争でランスが犯した女の数は1000を有に超えた。

 ランスよりもユーリ! と絶対にランスが人間時代に抱く事が出来なかった女達は彼が存命だった頃のアイテムの効果と法王クルック―と共に完成させた《男避けの秘術》を用いていたため全員が無事。
 元々親しい者達にしか伝わってなかった事、秘術の使用には時間が掛かる事、全ての女性に施すのは無理がある事、女がいなくなるも同義の状態にするとランスの破壊衝動が更に増す懸念がある事、等々を考慮し、(犯された者達には申し訳ないが)その秘術は広くは伝えたりはしなかった。

 それでも各国の美女たちは例外なく犯されていく姿を視続けるのは地獄だと言える。自分達の国民が陵辱されているのだから。ランスを慕うリアやマジック、コパンドンを中心としたメンバーは一粒の希望を胸に魔王ランスに向かうが、一方的な冷たい陵辱を受けた。

 マスク・ド・ゾロも活動時間が限られている、と言った言葉によるものなのか不明だが、魔王活性化に反比例する様に、助太刀する時が明らかに減り、そしてその事に対する不満(助けられるのに助けない。遊んでいるのでは?)をも少なからず溜まり、魔王の恐怖と相余って悪循環になり人類は絶望に包まれた。


 そんな中、ミラクル率いる新トゥエルヴナイトが決しのSBR作戦を決行。最凶生物SBRを使い、魔王ランスの動きを止め、リセットのビンタを成功させた。
 こうしてついに再びランスを正気に戻す事に成功。正気に戻ったランスは、その後『あの馬鹿は何処だ!』と叫んでいたらしく、また不安を残す結果ともなった。

 そして、その戦いの最中に魔剣カオスは吹き飛ばされ消息不明となる。


RA11年
□ 戦争後の世界

 戦争が終わった。
 少数の魔軍に対し、少数精鋭で挑む作戦方針が功を成し、通常の魔軍との戦争として考えれば、圧倒的に被害は軽微で済んだ。しかし、戦争の爪痕。身体も心も傷つき、それは人々のそこかしこに残される事となった。

□ 新たな魔人たちの結末

 魔王ランスの作った4体の内魔人ネルアポロンは魔王ランス討伐隊との激闘によって討伐される。
 魔人ヘビーカロリーは正気を取り戻した魔王ランスにより殺される。
 残る2体の魔人、ワルルポート、DDは戦争後失踪。

□ 各国で反乱の発生

 戦争は終わったが、人類圏において
 魔王ランスの憎しみは深まる結果となった。その矛先はもう1人の英雄ユーリにまで及んだ。

『魔王ランスを止めない』

『死んだと見せて、実は裏で結託してるのでは?』

『ユーリは英雄などではない』

『いや、ひょっとしたらもう1人の魔王、その上位大魔王かもしれないぞ!』

 正直と無理矢理過ぎるこじつけで更に憎しみはまし、その関係者は全て殺せ、と過激な運動が起こった。

□ ヘルマンでの事件

 現大統領が大魔王(仮)ユーリの側室。その上、2人の間には子もいる。最初こそは喜び沸いた事実だったのだが、印象が180度変わった。それを許さないとする別勢力が大統領選挙に立候補。シーラと選挙で争うが僅差で負ける。……が、彼らはその結果に納得せず、武力で国を奪おうと内乱を起こし国を二分させる。

□ リーザスでの事件

 リアとランスの子、ザンスを抹殺しようとクーデターが起こるが鎮圧。

□ 自由都市での事件

 コパンドンは、親ランス罪で財産を没収され、一時的に牢獄に入れられる。

□ JAPANでの事件

 ユーリと五十六の子、勇義の暗殺未遂事件発生。五十六の弟である太郎が鎮圧。元々、技能的にも能力的にも太郎自身を大きく上回っている勇義に国主を譲ると言う話が明るみに出た為の凶行と判明。

□ ゼスでの事件

 ランスとマジックの子、スシヌが狂気の魔法使いたちに誘拐される。魔王の汚れた血を全て入れ替える儀式が行われそうになるが、アニスの特攻と言う名の暴走によって、狂気の魔法使いたちは消滅。『ユーリさんなら絶対こうしました!!』と高らかに言っていたのだが、出した損害も決して安くないと言う事と、ユーリロスでアニスの行動が悪い方向に活性化してしまった事実で更に頭を悩ます結果ともなった。
 でも、自分の子供を救ってくれたのは事実、とマジックは多大なる感謝をアニスに送った。



RA12年
□ 魔王の愛人

 ランスは魔王である事を隠し、人類圏、魔物界で愛人を作る。これまでと違い、戦闘や国政にあまり関係のない一般の子を口説き落とした。それがランスの中でマイブームとなったが、1人、また1人とランスが魔王である事に気付き、怖がれながら別れる事となる。

□ 東ヘルマンの乱

 各地で反ランス、ユーリの気運が高まったなか、そのほとんどは鎮圧されたが、マスク・ド・ゾロ崇奉集の膨大とも言える信徒が何故かヘルマンの地に結集。そして先導しヘルマン内部の反乱を起こした結果、ホワイト将軍が東ヘルマンを建国した。
 人類圏の多くの勢力したために、それに乗じて最大とも言える崇奉集が集まったとの見解。

『今の時代の英雄はマスク・ド・ゾロ様であり、ランスとユーリは過去の遺物。いや 負の遺物である。そして現にランスは魔王に、ユーリは姿を眩ませている。あの強さで死体はおろか、情報の一旦さえ見つからないのは不可解である。つまり魔王側にいると考えるのが妥当。確かに良識のある英雄だったが、その力を恐れた魔王ランスが引き込んだ可能性も捨てきれない。そんな悪の血がこれ以上増えるのは人類にとっての脅威であり、それに支配されているのも同義である。汚れた血を持つ者を全て排除し、人類独立を勝ち取るのだ』

 その魔法拡声器を用いた大々的な演説は、より多くの者が賛同する結果を残した。

□ 大怪獣クエルプランの発生

 東ヘルマン軍は各地で勝利を収めて優劣な状況が続いていたが、東ヘルマンの主力軍のど真ん中に巨大な大怪獣が突如現れた。主力軍は踏み潰され、大怪獣に吸い込まれて壊滅。その後も大怪獣は世界各地に突如現れては、大地を斬り割くように移動を続け、また突然消える。まるでマスク・ド・ゾロの対極の様な存在。予期できない自然災害のような物となって戦争どころではなくなってしまった為、東ヘルマンの乱はうやむやの形で終息。各国は突然現れる大怪獣の対策に追われた。
 突如現れる、と言う点において同じであるマスク・ド・ゾロもこの時現れていた。

 全てを根こそぎ破壊して回る大怪獣が通った平地を眺めながら『……クエルプラン』と呟いたのを誰かが訊き、大怪獣の名が判明して広まった。

 余談だが、クエルプランの事以外にも あらゆる事を知っていて、更に圧倒的な力を持つ謎のマスク戦士は 本当に何者なのか? と改めて大きな論争引き起こす結果にもなった。

□ アームズ、清十郎の2人が魔人討伐に成功

 魔人と清十郎の両方にアタックを続けていたアームズ。清十郎といた場所に魔人ワルルポートが現れ、この時ばかりは清十郎は外して共闘。アームズの日光で結界を斬り割き、清十郎の血刀で縛。最後は息の合った連携プレイで勝利を収めた。その昂った気持ちのままに、アームズは今度こそありったけの想いを清十郎にぶつける。(今までは告白らしい告白をしてなかったらしい)
 それを清十郎は条件付きで了承。
 その条件とは異界にいる妹に一言報告する……と言うもの。ミラクルの説得と言う色々とまた大変な条件だと周りは思ったらしいが、笑顔で了承するアームズ。異界へ送る事はそもそもあまり良しとしてなかったミラクルだったのだが、その説得は意外にも簡単だった、との事。
『余の優秀なる部下、ブラッドランサーの頼みであれば無下にできんな』


RA13年
□ 大怪獣の災害

 大怪獣クエルプランはその後も現れ続ける。
 発生感覚、発生している時間も法則性が一切なくバラバラの為 予測不可能だった。自由都市一の情報屋であり、コンピュータを使った探索は、LP時代の魔人パイアールに匹敵する程の知識と技能を身に付けた彼女 芳川 真知子の腕をもってしても不可能であった為、ロボットとなったパイアール亡き今 誰にも予測出来ないと結論。
 各国は何度か大怪獣クエルプランに倒して攻撃を行ったが、全くダメージを与えられるに、相手にもされず戦いにすらなってない状況が続いた。

□ 天使降臨

 神異変以来、姿を見せなくなった神と天使だったが、大怪獣クエルプランと戦っている天使は何度か目撃された。しかし、その全てが大敗。

□ 魔王ランスの様子

 リセットのビンタで正気に戻っていたのだが、また魔王化が進みだした。
 気力でその魔王の本能を押さえつけ、どうしても辛くなった時は 過去の記憶を放映する魔法ビジョンを眺めながらヒララレモンを丸かじりを続けた。魔法ビジョンに頼らなかった理由は、『あの馬鹿がいなくても余裕だ。がはは!』 と意地になったから、らしい。あの馬鹿とは誰なのかまだ伝わっていない。


RA14年
□ 大怪獣の災害とマスク戦士

 この年も大怪獣クエルプランは不規則に発生しては暴れまわるのを繰り返していたのだが、初めて光明が生まれた。あるカラーが目撃した情報によると、単身であの大怪獣に挑んでいる姿を見た、との事。それは赤いマスクに帽子……と一見で判る姿。クエルプランは微動だにしてなかったのだが、回数を重ねた神速の攻撃は 徐々にではあるが鈍い痛みをため込んでいたらしく、初めてクエルプランの悲鳴?雄叫び?を訊く事になる。だが、それは咆哮に近いものであり、空気を震わせ大砲の様に打ち出された為、周辺にあった町の半分が消し飛んだ。幸いにも避難していた為、被害は無かったが、それを見たマスク・ド・ゾロは直ぐに戦闘を止めて回避行動をとり、クエルプランも嫌なのが去った、と言わんばかりに姿を消した。

□ 悪魔との戦い

 悪魔ネプラカスは、次第に成果らしきものを残し始めた? らしく上機嫌になりダークランスを突け狙い始めた。だが、ダークランスの実力を見誤っていたらしく、ただ暴走していた頃と違い、真の意味でユーリの教えを忠実に守り、修行に明け暮れていたあの直向きな少年の心が戻った今、宝剣グラムを最大化成長を得ており、悪魔ネプラカスはダークランスの成長に更に苛立ちを残すだけの結果となった。


□ 世界を覆う不安

 鬼畜王戦争から4年。
 全世界を揺るがすような事件こそは起きてないが、魔王の存在、現れた大怪獣。
 ピンチのヒーローの話題も徐々に失われつつあり、希望の灯が小さく感じられ続け、誰もがそろそろ何か大きな災いが起きるのではないか……という不安を抱えていた。


 
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