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【完結】猫娘と化した緑谷出久

作者:炎の剣製
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猫娘と雄英体育祭編
  NO.018 雄英体育祭に向けて

 
前書き
更新します。
今日は午前中は爆睡をしていたために出来ても二話が限界ですかねー? 

 
(ヴィラン)連合と名乗る組織の雄英高校への侵入というある意味学校の失態。
これによって侵入された翌日は臨時休校を余儀なくされたがそれからまた一日が経過して、出久は気が休まる事なく学校へと登校した。

「デクちゃん! おはよう!」
「おはよう麗日さん!」

二人はいつもの待ち合わせの場所で合流して学校の校門をくぐった。

「うん。それより昨日は大丈夫だった……? なにか一昨日はデクちゃん目を覚まさなかったって聞いたけど……」
「うん。あはは……あんな強力な力を使った反動が思った以上にでちゃったみたいで昨日は個性の使用が制限されていたんだー」

出久はそう話すけどお茶子は大変そうな顔をして、

「やっぱり、あの巨大な猫ちゃんの姿になるのにはリスクはあるんだね……」
「そうみたい。今の僕だと持っても5分くらいが限度だから追い込まれた時の最終手段でしかないかな……? あの後に起きて個性を使用してみたらさっきも言った通りに能力のほとんどが弱体化していて使い物にならなかったから……」
「そっかー……。でも少し安心したかも……?」
「なんで?」

お茶子は出久の顔を覗き込みながら、

「デクちゃんはどんどん強くなって私より先にいっちゃったら一緒に肩を並べられないからね。私、デクちゃんと一緒に強くなっていきたいんよ」
「麗日さん……うん!」

それで出久とお茶子の周りにはなにやら不可視の結界が展開されていたとは近くを歩いていた生徒の証言である。

「これが百合ってもんかよ。いいもんじゃねーか!」

と、峰田少年もよだれを垂らしながら思っていたらしい。とてもどうでもいい……。





そして朝のHRの時間。
いつもの通りに飯田がみんなに席に座るように促していた。自分が座っていない辺りかなりアレだけど。
さらには予鈴がなったら教室に包帯ぐるぐる巻きの相澤が入ってきて騒動になる。

「先生!? もう大丈夫なんですか!」
「…………ああ。なんとかな」

そう答える相澤だったが時折身体が震えている辺りまだ痛みが残っているのだろう。
リカバリーガールに治療を受けてもらったとはいえ、全快はせずに後遺症も残るかもしれないとは出久もオールマイトに聞いた事であった。

「俺の心配はしなくてもいい……それよりお前たちの戦いはまだ終わってねぇぞ?」
『ッ!?』

相澤のその一言で一気に教室内が緊張を高める。
また(ヴィラン)連合が攻めてくるのかと一触即発の空気が広がったかのように見えて、だが相澤から出てきた言葉は、

「雄英体育祭が迫っている……」
『クソ学校っぽいのキター!!』

緊張したムードから一気にお祭り騒ぎに気持ちが移行する辺り、やはり学生の精神はタフネスだ。
だが、ヴィランに攻められた直後でこんな催しをしても大丈夫なのか?という当然の疑問も出てくる辺り現実を見れている子も多い。
それに相澤はこう答える。

「それもあるが、気にするな。逆に開催する事で雄英は体制が盤石だというところを見せるんだろうな。警備も例年に比べて5倍相当に増やすそうだからお前たちはただ勝利を勝ち取る精神だけを蓄えておけ。それにこの体育祭は…………お前たちにとっての最大のチャンスだろう?」

相澤はこう語る。
個性が世の中に発現して以降、かつてのオリンピックという競技は公正を保つことが難しくなって次第に縮小していき形骸化した。
その代わりに個性使用ありきでのいわゆるお祭り騒ぎ……オリンピックの代わりとなって誕生したのが雄英体育祭だと。
三年間の学生生活で三回しか行われないビッグな行事であるためにスカウト戦争も白熱する。
トップに近い成績を残した生徒はそのほとんどがトップヒーローの道を開いている。
No.1ヒーロー、オールマイトやNo.2ヒーロー、エンデヴァーもそれで上を目指して今の実力と名声を手に入れてきたのだ。

「だからな。ヒーローを目指すのなら必ず通っておいて損はねぇ催しだ。俺のクラスの生徒であるお前たちには立派に戦って戦果を上げてもらいたい。俺からは以上だ」

それでHRは終了して時間は過ぎて行ってお昼休みの事。
出久は少し悩んでいた……。
もうすでにオールマイトに師事している以上はこれ以上ないくらい良い環境で、果たしてこの雄英体育祭にそんな中途半端な気持ちで臨んでいいのかという事を……。
だが、飯田とお茶子と三人で食堂に向かう前にお茶子がとある宣言をする。

「デクちゃん、飯田君……雄英体育祭、頑張ろうね!!」

そこにはいつもの麗かな顔ではなく言っては悪いが獰猛な感じの顔のお茶子の姿があった。

「全然麗かではないぞ麗日君!」
「ど、どうしたの麗日さん……?」
「うん。ちょっと私にも譲れない思いがあってね」

それでお茶子は自身の家の事を語る。
お茶子の家は建設業をしているのだが最近仕事がなくて財政難を抱えている事を。
それでお茶子はヒーローになってお金をいっぱい稼いで親達の暮らしを楽にしてあげたいと思っている事を……。

「だからね、このチャンスを逃したくないの」

それを聞いて出久にも心に宿るものがあった。

「(そうだ…………みんな、理由は違えどヒーローになるために精一杯努力している。飯田君だって立派なお兄さんの事を目標にして頑張っているのに、僕ときたら……)」

それで出久は拳を握りながらも、

「うん。僕も頑張る! 麗日さんみたいになにかを目指せる人になりたい」
「おぉ! 緑谷君も立派だな! それじゃみんなで頑張るとしようか!」

三人でえいえいおー!としている時だった。

「緑谷ガール!!」

そこにオールマイトが姿を現してきた。
手にはお弁当の包みが握られていて、

「一緒に、ごはん食べよう?」

ギャップがあり過ぎる姿にお茶子は思わず「乙女やー!」と叫んでいたり。
出久はそれでオールマイトについていったのだけど、それをたまたま見ていた轟が少し考え込むように見ていた。

「(緑谷はオールマイトのお気に入りか何かか……? 家族か親族って訳でもないしな。個性も全然違うしな……。だけど……それなら緑谷にも勝たないといけないかもな。親父を見返すために……)」

轟はそれで少し考えを巡らせていた。
主に現状知っているクラスメート達の個性の把握など。
特に出久に関しては自分でもおかしいと思うくらいには調べていた。

「(あの巨大化猫はリスクが高いらしいのは気絶したのからあきらかだ。だからおいそれと使えねぇだろ……あれを使われたら俺ももしかしたら負けるかもしれねぇからな)」

と、轟は考えを巡らせていたのであった。





とある部屋で一緒に食事を摂っていた出久とオールマイトはというと、

「しかし、やはり君の個性はすごいものがあるな。巨大化の猫の時限定だけど私と同等の力を振るえるのは凄い事実だ」
「あはは……でも5分くらいしか持ちませんし、その後もエンプティしてしまって個性が半日以上は使い物にならなくなってしまいますから雄英体育祭には多分実践投入は難しいと思います」
「そうか……だが、代わりに今の状態でもワン・フォー・オールのフルカウル状態の上限が上がったんじゃないかね?」
「…………よくわかりましたね。はい、今までは10%だったのが巨大猫化してから力が活性化したのか15%まで引き出せるようになりました」

思いがけない成長にオールマイトは満足そうにしながらも、

「わかった。それでは雄英体育祭では頑張りたまえ。なにやら麗日ガールと飯田少年と話をして意欲はすでに高まっているようだからな」
「はい。みんなは考えは違えど必死にヒーローになろうと頑張っているのに、僕だけやる気を出さないのは恥ずかしいと思いまして……」
「うんうん。いいと思うよ。ここだけの話だがね………私がヒーローとして活躍できる期限はもう残り少ない」
「ッ!」

そのオールマイトの告白に出久は顔を辛そうに歪ませる。

「だからな………君は私の力を継いだ以上は目指さないといけない。雄英体育祭、またとない機会だ。『君が来た!』って事を世の中に知らしめてほしい」
「!!」

出久はそれで気持ちを高ぶらせた。
オールマイトはそれで『ニィッ』と笑みを浮かべて、

「なぁに。今の君なら十分トップに入れる力を持っている。自信を持ちなさい」
「はい!」



それから放課後に他のクラスとの生徒達ともめ事はあったが、そこでも出久は爆豪の気持ちを知れる機会を得られて「頑張ろう!」と思うのであった。


ちなみに帰り際に相澤に選手宣誓の挨拶は緑谷だと言われて出久は思わず「ええええ!?」と叫んでいた。 
 

 
後書き
今日中に雄英体育祭に入りたいかなぁ……?
オリジナル話は体育祭後にします。 
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