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ABULHOOL IN ACCELWORID

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a=3

翌日、昼休み。

アホ共のメールを今日も削除する。

チャイムが鳴り、何時もならトイレへ向かう所をラウンジへ向かう。

さて…何を食べようか…

と思いラウンジへ入った。

「お?君可愛いね…」

「あれ?なんであの子男子の制服着てるの?」

周りの上級生に好奇の目を向けられた。

くそっ…俺は男なのに…!

「やぁ、来たな、少年」

奥の席、そこでパタンとハードカバーを閉じたのは黒雪姫…俺を呼び出した張本人だった。

「用は私だ、すまない、そこを開けてもらえるかな?」

モーゼの伝説の如く開かれた人混み通り抜ける。

彼女の対面に座るとコードを差し出された…

「?」

「可愛く首を傾げるな、ますます君が男か疑わしくなる。
というかこの状況なら君の首に差す以外有るまい」

はぁ?何言ってんだこの人?

こんな中で直結なんてしたら面倒に…

「ほら、はやく差したまえ」

俺はしぶしぶコードをニューロリンカーに差した。

『で、なんでこんな事を?手の込んだ悪戯ですか?』

『ふむ、思考発声はできるようだな。
その問に関しては半分正解と言っておこう』

半分?

『なぜなら私はこれからあるアプリを君のニューロリンカーに送信する。
それは君の現実を破壊する…かもしれない』

現実を…破壊?

そうして文字が写し出された。

【BB2039.exeを実行しますか?】

現実…俺の現実…生き甲斐もなく、夏姫や母さんに迷惑を掛けてばかりの現実…

そんなもの…

『現実なんて糞食らえです』

アイコンを、タップした。

ロードには30秒かかった。

かなり大きいデータだ。

やがてパーセンテージが100になり…

WELCOME TO THE ACCELERATED WORLD

そんな文字が目の前に現れた。

煌々と燃え盛る焔の中、その文字は鮮やかに燃え尽きた。

『なんですかこのブレインバーストってプログラム?』

『ふむ、無事インストールできたようだな。
適性があるのはわかっていた。
しかし、即決だったな。私はこれを受けとるか二分は悩んだというのに』

『適性?』

『このプログラムは脳の反応速度が一定以上でないとインストール不可能なのだ』

脳の反応速度?

なんだ?怪しい実験か?

そう思った刹那

「おい腕無し!テメェ毎回毎回バックレやがって!」

ラウンジの入り口にアホがいた。

はぁ…めんど…

「ナメてんじゃねーぞ!」

あぁ…もう…いっそ手を出してくれれば反撃して正当防衛取れるのに…

「君はたしかアラヤ君だったか」

アラヤ?あぁ、コイツの名前か…

「春雪くんから聞いてるよ。間違って動物園から送られて来たんじゃないかとね」

く…くく…くはっ…ナイスです…センパイ…

「ンだとテメェコラァ殺っぞ障害者ァァ!」

俺は腕を引き絞ろうとした…しかし

『今だ!叫べ!バースト・リンク』

その有無を言わせぬ声に従い、さけんだ。

『バースト・リンク!』

何かが叩きつけられるような衝撃音がして、世界が青く染まった。

「なんだコレ?フルダイブか?」

気付けば視線がかなり高い。

自分をみるとアバターになっていた。

しかも下をみるとリアルの俺が腕を引き絞ろうとしていた。

「幽体離脱?」

「どちらでもないぞ。我々はBBPの影響の下、加速しているのだ」

振り替えると、そこには黒アゲハ…黒雪姫のアバターが居た。

「はぁ?」

「周りが止まっているように見えるだろうが実際は僅かずつ動いている。
根気よく待てば君がアラヤに殴られる所をスローで見れるぞ」

んな悪趣味ねぇよ。

ていうか…

「訳がわかりません。詳しく説明してください」

「ならばテーブルの裏を見るといい」

テーブルの裏?

しゃがんでテーブルの裏をみる。

そこにはのっぺりとしたポリゴン製の何かがあった。

「今我々はソーシャルカメラが捉えた画像で造られた仮想空間にいる…」

その後、加速の仕組みを教わったりした。

にしてもこんなオーバーテクノロジー染みたアプリ…何に使うんだ?

そう思っていると…

「おっと、説明に時間を使い過ぎたな…
すっかり忘れていたが今現在君はぶっ飛ばされようとしていたんだったな」

げ…そうじゃん…

「まぁ、今の君ならばその鋼の腕で彼を殴り飛ばせるだろう…」

そこで黒雪姫はニヤリと笑った。

「しかしここは敢えて殴られるのはどうだろうか?」

は?

「やです。痛いし」

「ふむ…しかしここ一回を我慢すればこの男を退学にできるぞ?」

なるほど…確かにそれは魅力的な提案だ…

あ…でも…

「俺が殴り飛ばされたら貴女も巻き添え食らいますよ?
義手の分見た目より思いですしね」

「無論ソレが狙いだ。生徒会副会長に傷を負わせたと為れば退学は免れまい」

なるほどねぇ…

「ここは"お主も悪よのう"とでも言うべきシーンですか?」

「おや、我々は正義の側だぞ?」

ふ…ふふ…ふは…

「はっはっはっはっは!黒雪姫先輩!貴女最高だ!」

「では解除コマンドを教えよう。
せいぜい上手く私を巻き込んでくれたまえ
バースト・アウト!」

さてと…

「バースト・アウト!」

世界が色を取り戻す。

そんな中、BBPから解放された筈なのに、アラヤの拳がスローで飛んで来るのが見えた。

そして、俺の同年代と比べて華奢な体はテーブルと黒雪姫先輩を巻き込んで吹っ飛んだ。

アラヤは顔を青くしていた。

しかしソレも束の間、周りの上級生がアラヤを取り押さえた。

はっ…ザマァ…

やがて黒雪姫先輩と俺は保健室へ連れて行かれた。

『あぁ、一つ言い忘れていた。明日学校に登校するまで、絶対にグローバル接続するなよ。いいか絶対だからな。約束だぞ』
 
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