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ABULHOOL IN ACCELWORID

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起床メロディーが聞こえる…

「朝か……」

目を開けると、カーテンに遮られた柔らかな陽光に眩しさを覚える。

腹筋の力だけで起き上がる。

毛布と羽毛布団を腹筋だけではねのけるのはなかなかにいいトレーニングになってるんではないだろうか?

ガチャリ…

部屋のドアが空いた。

「おはよ、お兄ちゃん」

「あぁ、おはよう…ナツ」

ドアを開けて現れた女の子はナツ…夏姫、俺の妹だ。

にしても…

ナツの足先から頭までを見て…

「はぁ…」

「どうしたのお兄ちゃん?悪い夢でも見たの?」

いや、そういう訳じゃないけどさ…

「妹よりも小さい兄ってどうなのかと改めてなぁ…」

そう、ナツは俺より一回りデカいのだ。

「はいはい。じゃ、服脱がすよ」

「ああ、頼む」

このやり取りだけを見れば朝から兄妹でサカるアホだが…もちろん理由がある。

ナツが俺のパジャマの裾を持って捲り上げる。

パジャマは何の引っ掛かりもなく…そう、’腕が引っ掛かる事なく’捲り上げられた。

「…………」

「ナツ?」

ナツの視線の先、俺の肩。

ソコには本来有るべき両腕はなく、金属製のパーツが付いていた。

「どうした?」

「なんでもないよ」

そう言ってナツはベッド脇のスタンドに立て掛けてあった左腕を持った。

「すまんな、毎日毎日」

「んーん、これくらい、なんて事ないよ」

そう言ってナツは俺の肩のコネクターの凹状部分に腕の凸状部分を嵌め込んだ。

「コネクト・レフトアーム」

ガチャ!と音がして義手が接続された。

その左手で右腕を掴む。

凹凸を合わせて嵌め込む。

「コネクト・ライトアーム」

再びガチャ!と音がして右腕が接続された。

「さ、メシにしようぜ」

「うん!」

ナツと二人きりで朝食を食べ、片付ける。

父親は居ない。

母さんはたった一人で俺達兄妹を育て上げた。

その母さんは昨日帰りが遅くまだベッドの中だ。

朝食のあと、コーヒーを飲みながら話す。

「ねぇ、お兄ちゃん」

「なんだナツ?」

「虐められてたりしないよね?」

虐め?あぁ、成る程…よくできた妹だ…

俺は小学生の頃に事故で両腕を失い、ソレ以来義手だ。

その事を理由に虐められたりもした。

ナツはソレが中学でも起こってるんじゃないかと心配しているのだ。

「なに、心配するな。そんな奴が居ればこの鋼の腕でぶん殴るだけだ」

無論、そんな事をすれば捕まるだろう。

「そっか、なら安心だね!」

「ああ」

時計を見る、そろそろ家を出なければならない時間だ。

「ナツ、そろそろ出るぞ」

「ん!」

コーヒーカップを空にし、キッチンに置いて、家を出る。

っと…その前に…

母さんの寝室を開ける。

「母さん」

「んー…んー」

ピコンとニューロリンカーを通して500円が俺とナツそれぞれに渡される。

「いってきます」

「いってくるよー!」

「んー…」

家を出る。

「お兄ちゃん、ちー姉ちゃんは?」

「陸上の朝練だろ」

「そっか残念」

そう言うがナツの顔は嬉しそうだった。

全く、なんでこんなブラコンになっちまったのかねぇ?

そして歩いて学校まで行く。

途中、ナツとは別れる…のだが…

「じゃ、またねお兄ちゃん」

「ああ、またな」

このやり取りをすると必ず周りの奴がこっちを向くのだ。

ま、もう慣れたがな。

そして更に歩き、中学に着いた。

今年の春に入学し、半年通っている学校。

私立梅郷中学校。

はぁ…今日もまた怠い学校生活か…

そう思い、俺こと有田春雪は校門をくぐった。 
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