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『馳せる』

作者:零那
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『Kaito』



真実と嘘はトキが過ぎる中で入れ替わるなんて言うから、少し何かが変わった気がして...

でも結局は変わってなくて、真実も嘘も、絶望さえも...

見えなかった真実が見えるなら、在った事実が変わるなら、嘘が嘘じゃ無くなったなら...

君が最期に囁いた願い、それは重くて、優しくて、温かい願い...

私は君に何も与えられなかったのに、君はたくさんのものを与えてくれていた...

君が抱えていた荷物を、私はほんのちょっとでも持つことが出来ただろうか...
ほんのちょっとでも軽くすることが出来ただろうか...

君がしてくれたみたいに、僕も同じだけのことを出来ただろうか...

もっともっと、もっともっと...君を大事に想うことが出来てたなら、何かが違ってただろうか...


 
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