| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

死神と呼ばれた転生者

作者:正博
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第4話

 UC0087年11月16日
 ティターンズのジャミトフが連邦大統領になろうと、連邦議会に入ると情報を得た俺達は逆に連邦議会に乱入占拠した。
 そこでクワトロが元ジオンのエースパイロット、シャア・アズナブルである事を暴露。
 更にシャアも偽名で本名をキャスバル・レム・ダイクン、ジオン・ダイクンの忘れ形見である事を公にした。
 そしてエゥーゴの正当性とティターンズの非道性を訴えた。
 しかも放送を止めさせようとしたティターンズのMSが、市内にも関わらず攻撃している映像が映し出された。
 その上それを止めようとした連邦軍のMSを撃った映像が放映され、ティターンズの印象は急激に悪化していった。
 その後、カミーユ、クワトロ、俺達はカラバの援護の元宇宙へ上がった。
 もう1人忘れていた、フォウ・ムラサメも一緒だった。
 ファと会った時を楽しみにしているぜ、カミーユ。


 UC0087年12月7日
 ティターンズがグリプス2を、コロニーレーザーに改造との情報が入った。
 その確認の為カミーユ達と、偵察に行くがすでに遅かった。
 コロニーレーザーは発射され、サイド2・18バンチコロニーの住民全員の命を奪った。


 UC0087年12月4日
 ティターンズがまたコロニーの住民を虐殺した。
 今度はサイド2・21バンチコロニーに、再びG-3ガスを注入したのだ。
 しかもそれを実行したのが、エゥーゴを裏切ったレコア少尉だった。
 続いてサイド2・13バンチコロニーも、狙われたがアーガマが間に合った。
 
 リュウイチ「よぉレコア少尉。民間人を大量虐殺した気分はどうだい」
 レコア「『死神』の貴方に言われたくは無いわ」
 リュウイチ「俺は軍人を殺した事はあっても、あんたみたいに無抵抗の民間人を殺した事は1度も無いんで聞かせてくれ」
 レコア「・・・・・・・」
 リュウイチ「第一その機体シロッコの機体だろ。ああ大尉に相手して貰えないんで、シロッコに乗り換えたと言う訳だ」
 レコア「・・・・・・・」
 リュウイチ「俺が『死神』ならあんたは『悪魔』だな。好きな男の為に大量虐殺までするんだからな。痴情の縺れは怖いね」
 レコア「黙れ!!」

 レコアはメッサーラのビームサーベルを抜くと、斬りかかって来た。

 リュウイチ「本当の事を言われて怒ったか」
 レコア「黙れ!!黙れ!!黙れぇ!!」

 レコアは冷静さを失い、ビームサーベルを滅茶苦茶に振り回すだけだった。

 リュウイチ「おーい。この件の責任者、後はどうにかしろ」
 
 俺はクワトロを呼んだが無視だった。

 リュウイチ「いやー、無視だわ。レコア少尉、眼中に無いってよ。酷いね」
 レコア「黙れ!!黙れ!!黙れぇ!!全員殺してやる」
 リュウイチ「それは無理だね。お前はもう大量虐殺者、俺が殺すこの『死神』が」

 俺はツインビームサイズを持たせた。

 リュウイチ「『トランザム!!』」

 ブルーがメッサーラに近接すると逃がさない様に、ツインビームサイズで大型スラスターを切り裂いた。
 そして両足、両腕と徐々に斬り落とし、止めを刺そうとした時カミーユが邪魔をした。

 カミーユ「もう抵抗出来ないじゃありませんか」
 リュウイチ「コロニーで無念に死んで行った者達にもそう言えるのか。カミーユ」
 カミーユ「でも今まで仲間だったじゃ無いですか」
 リュウイチ「悪いが俺の仲間に民間人を平気で虐殺する奴はいない」
 カミーユ「しかし・・・・・何をうおおおおおーーーー」

 俺はZガンダムをフルパワーで、殴り飛ばし前を退けさせた。
 そしてメッサーラのコックピットに、ツインビームサイズを突き立てた。
 最後に欠片も残さずツインバスターライフルを撃ち消し飛ばした。

 カミーユ「レコアさんーーーー。何故!! 殺したぁーーー」
 リュウイチ「カミーユ。お前はいかに自分勝手を言っているのか分かっていない」
 カミーユ「・・・・・・」
 リュウイチ「レコアもそう、フォウもそうお前は被害を受けた者の事を全く無視して、自分の理屈を人に押し付ける」
 カミーユ「・・・・・・」
 リュウイチ「聞いたがお前ティターンズに、お袋を殺されたんだってな」
 カミーユ「それがどうした」
 リュウイチ「その時お前はどんな気分になった」
 カミーユ「ティターンズに復讐してやると思ったさ」
 リュウイチ「嘘だな。お前はそんな感情を持っていない。持っていたら何故ティターンズに入った奴らを庇う」
 カミーユ「フォウは利用されただけだ」
 リュウイチ「一般の兵士も上官の命令で仕方なく動いている。どう違う」
 カミーユ「・・・・・・」
 リュウイチ「レコアは明らかにエゥーゴを裏切り、虐殺を指揮した。意味が違う」
 カミーユ「だけど殺す事は」
 リュウイチ「自己満足で基準をすり替えるな!!」
 カミーユ「・・・・・」
 リュウイチ「レコアが生きたまま捕まったとしてどうなる。大量虐殺者である事には変わりない。待っているのは極刑だけだ」
 カミーユ「・・・・・」
 リュウイチ「そんな事も分からんなら、戦争を止めろ。次俺の前に立つならお前でも殺す」

 俺はアーガマに帰投した。


 UC0087年12月26日
 グリプス2が月面都市グラナダを攻撃する為、移動を開始した。
 エゥーゴは再度アクシズと交渉、サイド3を譲り渡すのを条件として取り付け、クワトロが頭を下げた事でコロニーレーザーを破壊する事を了解した。
 エゥーゴはティターンズ艦隊を引き付ける為、攻撃を仕掛けた。

 リュウイチ「流石に数が多い、減らすか」

 バスターランチャーを展開、前方にティターンズMS部隊を狙い消滅させた。
 3回繰り返すと此方に来なくなった。
 仕方無く前進すると、突然Iフィールドにビームが無数に直撃狙撃されていた。

 リュウイチ「『ファング!!』」

 隠れて狙撃しようが関係なく、ファングが襲い掛かりビームの雨は止んだ。
 すると今度は3機のMSが立ちはだかった。
 シロッコのジ・Oとサラのポリノーク・サマーンとシドレのパラス・アテネだった。

 シロッコ「貴様が『死神』か。よくもレコア少尉を殺したな」
 リュウイチ「たらしのシロッコか。レコアをたぶらかして利用した奴が偉そうに」
 サラ「パプテマス様はそんな事をしないわ」
 リュウイチ「お前、ロリコンだったのか。それで大人のレコアが邪魔になったと」
 シロッコ「フフフ。私はそんな低俗な物に興味は無い」
 リュウイチ「お前等2人興味ないってさ。酷いね」
 シロッコ「私は地球圏を女性が統べるべきだと思っているのだよ」
 リュウイチ「じゃお前はいらねぇな『ファング!!』」

 いきなりファングでオールレンジ攻撃を仕掛けたが、余裕で躱しやがった。

 シロッコ「そんな飛び道具。私のジ・Oの前では役に立たんな」
 リュウイチ「そのようだな。でも後の2人は躱せなかった様だぜ」
 シロッコ「何!」

 サラのポリノーク・サマーンとシドレのパラス・アテネのコックピットには、ファングが突き刺さっていた。

 リュウイチ「部下の面倒も見られない奴が偉ぶるんじゃねぇ」
 シロッコ「貴様!!」
 リュウイチ「おやおや。冷静沈着の仮面が剥がれたぜ」

 その時グリプス2の核パルスエンジンが、アクシズ艦隊の砲撃で沈黙した。
 グリプス2の動きが止まった。

 シロッコ「くっ、『死神』覚えていろ」

 シロッコは、グリプス2へ戻って行った。
 何でみんな捨て台詞が同じ何だ。



 アクシズのハマーンがジャミトフを暗殺しょうとして失敗した。
 その為アクシズ艦隊とティターンズ艦隊とが交戦状態になった。
 そのアクシズからエゥーゴに援軍要請が来た。
 ほっときゃ漁夫の利を狙えるのに律義に援軍に駆けつけた。

 リュウイチ「ほっといて弱ったところを、両方潰せば楽に終わるのに」
 クワトロ「約束は約束だ。守らねばエゥーゴの信頼が無くなる」
 リュウイチ「ご立派な信義で。でもよ、アクシズ艦隊少なくないか」
 クワトロ「今は信じるしかあるまい」

 そうしてエゥーゴ艦隊もティターンズ艦隊と交戦に入った。
 戦闘が熾烈さを増した頃、俺の疑似ニュータイプ能力に危険信号が灯った。
 それで気付いたのだ。

 リュウイチ「クワトロ! 一大事だ、部隊を急いで下がらせろ」
 クワトロ「馬鹿な事を言うな。いま後退すればティターンズ艦隊に潰される」
 リュウイチ「馬鹿野郎。アクシズが近づいている。このままだとゼダンの門と激突して、その余波で双方全滅するぞ」
 クワトロ「ハマーン! やってくれたな。エゥーゴ艦隊全艦急いで、この宙域から離れろ」
 リュウイチ「第一そのアクシズ艦隊がいねぇじゃないか」
 クワトロ「まさかこの隙に、グリプス2を手に入れようと」
 リュウイチ「詮索は後にしろ。時間が無いMS隊も下がらせろ」
 クワトロ「MS隊一旦後退だ。アクシズが迫っている。急げ!!」

 アクシズがゼダンの門と激突した。
 その為近くのティターンズ艦隊は勿論エゥーゴ艦隊にも大きなダメージがあり、双方かなりの戦力を失った。
 ティターンズの宇宙の拠点は無くなった。
 そしてアクシズ艦隊は手薄になった、グリプス2を手に入れていた。


 この大変な時期にまた事件が起きた。
 ティターンズの代表ジャミトフが暗殺されたと言う。
 犯人はハマーンで再交渉の席でジャミトフが暗殺されたと、同席していたシロッコが言っている。
 ウチの代表が再交渉の席に乱入、混乱している隙に殺されたと言うのだ。
 何をやっているクワトロ。
 しかもティターンズの代表にシロッコが就いた、ジャミトフの遺言だそうだ。
 嘘くさい話だ。
 ティターンズのNo2のバスクがこの話を聞いて反旗を翻したが、あっさりと乗艦ドゴス・ギアと共に宇宙に散った。


 UC0088年2月2日
 エゥーゴのグリプス2奪取作戦(メールシュトローム作戦)が実行された。
 結果だけ言うと作戦は成功、グリプス2をエゥーゴが手に入れた。


 UC0088年2月20日
 グリプス2を取られ怒ったアクシズ艦隊。
 グリプス2を取り戻そうとティターンズ艦隊。
 両艦隊の総攻撃が始まった。

 リュウイチ「さて誰が生き残れるやら」

 俺は艦隊防衛に付いた。
 グリプス2はカミーユとクワトロが守っている。
 起死回生の為コロニーレーザーで、敵艦隊を撃つ作戦。
 転生者の奴らはシャトルで逃がした、生きていればまた会う事もあるだろう。
 俺は先制攻撃の為、バスターランチャーを展開して待っていた。
 来たらしい、バスターランチャーの狙いを付け引き金を引いた。
 先頭の部隊は光に消えた、だがまだまだ来る。
 5回連続で撃つと警報が鳴った、熱で砲身がもうダメらしい。
 バスターランチャーを片付けると、ツインバスターライフルとシシオウブレードを持った。
 フルバーニアで敵に突撃し、ツインバスターライフルとシシオウブレードで無双し出した。

 ハンブラビが3機編隊で攻撃してきた、ヤザン隊かこいつら潰さんとエマが死ぬ。
 確かに早いが悪いこちらが上だ、部下の1機を斬り捨て、もう1機は消し飛ばした。

 ヤザン「MA形態のハンブラビより早いだと。馬鹿な」

 ツインバスターライフルで止めを撃ったが、直前に脱出カプセルが排出された様だ。
 今度はジェリドのMAバウンド・ドックだ。
 こいつはカミーユにやらせたいが、俺が代わりに殺しておこう。
 Zガンダムを探しているのか、碌に攻撃も警戒もしていない。
 ツインバスターライフルで狙いあっさりと消滅した。
 ラーディッシュもガンダムMK-Ⅱも無事だな。
 敵の攻撃もこの程度なら、持たせられるだろう。
 俺はグリプス2に向った。
 シロッコだけは俺が消そう、カミーユに精神ダメージを与えさせる訳にいかん。

 リュウイチ「シロッコ。『死神』が来てやったぞ」
 シロッコ「『死神』貴様だけは必ず殺す」
 リュウイチ「出来るのならやってみな。レコア達の元へ送ってやる」

 ジ・Oがビームライフルを、撃ちながら急接近してきた。
 ツインバスターライフルを片付けると、シシオウブレードだけでこちらも接近していった。
 ジ・Oがビームライフルを、ビームサーベルに持ち替え斬りかかって来た。
 これを受け止めると、隠し腕のビームサーベルでやられる。
 俺は躱してシシオウブレードを、突き込んだが躱された。

 リュウイチ「その図体で身軽な物だ」
 シロッコ「当たり前だ。このジ・Oは私の全てを注ぎ込んだ、最高傑作だ」
 リュウイチ「それじゃ最後の乗り心地を楽しみな」
 シロッコ「貴様こそ、地獄へ送り返してやる。「『死神』」

 シロッコとの決着はなかなか付かなかった。
 もうどの位剣を交えているか、分らなくなってきている。
 仕方が無い一か八かの勝負に出るか、どうせ俺は碌な死に方は出来ない。
 ジ・Oのビームサーベルをワザと受け止めた。

 シロッコ「最後だ、「『死神』」

 ジ・Oの隠し腕のビームサーベルが出た。
 その隠し腕のビームサーベルを左手に隠し持っていた、ツインビームサイズを伸ばし受け止めた。

 シロッコ「なんだと!」

 シロッコが驚きで一瞬隙を見せた時、ヴェスパーを展開近距離で砲撃した。
 ジ・Oの両腕が消滅した、こちらもヴェスパーが使えなくなった。

 シロッコ「覚えていろ『死神』次こそは必ず殺す!」

 だからさ、何で捨て台詞同じ何だ、第一逃がすか馬鹿。

 リュウイチ「『トランザム!!』」

 俺はジ・Oの前に出ると、コックピットをシシオウブレードで突き刺した。

 シロッコ「グハァー・・・お、俺だけでは・・死なん。貴様の精神も連れて行く」

 シロッコから精神攻撃が来た。

 シロッコ「何故だ・・・何故お前は・・一体・・・なん何だ」
 リュウイチ「『死神』だよ。まともな精神なんて、昔に壊れている」
 シロッコ「化け物・・・・・・・・」

 シロッコは死んだ。

 リュウイチ「何度も言わすな、俺は『死神』だよ」

 この時グリプス2のコロニーレーザーが発射され、ティターンズ艦隊は壊滅した。
 だがエゥーゴも半数の艦艇を失い、またクワトロ・バジーナが行方不明となった。
 アクシズは艦艇を温存、漁夫の利を得た。


 しかしネオ・ジオンも後に『第一次ネオ・ジオン抗争』と呼ばれる戦いで敗戦。
 ハマーン・カーンも戦死した。
 この戦いでは『死神』の名前は上がらず、死亡説が流れ噂は消えて行った。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧