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少年怪異録 魑魅魍魎蠢く偽りの桃源郷

作者:繊翳
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旅の目的

 
前書き
0日目
これを読んでいる君は、聞いたことはないだろうか、魑魅魍魎達により広められた怪異、いわゆる〈都市伝説〉とゆう物を。
これはそんな怪異が好きな僕の物語… 

 
0.5日目
何故僕はこの世界へ転生されたのだろう。
それは、僕が、14歳になってから抱いてきた疑問だ。
今でも、考えることがある。
僕は、曖昧だが、転生前の記憶が14歳の時にフラッシュバックした。
それは、4月の学校からの帰り道だった。
僕がよく通る道には小さいが、神社がある。その敷地には、大きな一本の桜が満開に咲いていた。 毎年そこの神社では、花見が行われるほど立派な桜だ。
いつもは、少しの風でも、桜吹雪となるのだが、その日は微風さえも無く、不気味なほど静かだった。
不思議に思い、僕はその神社へ立ち寄った。けど、それが間違いだった。
神社の敷地に入った途端に、猛烈な眠気が襲ってきた。なんとか耐えようとした。しかし、
「ようやく見つけた。僕の退屈な世界を××人を…」
と、耳元で囁く少年の弾んだ声で、僕は意識を闇に預けてしまった。
その後は、正直覚えてないが、転生をしたらしい。
ここで、問題が発生した。
僕は、神社に立ち寄る前の記憶がまったく思い出せない。が、いつしか思い出すだろうと考えて、そのままに放置している。
でも、何故だか、自分については、覚えている。
名前は調(ちょう)。
人とは違くて、オカルトが他の人よりも好きだ。そこを抜けば普通の少年だ。……多分。
なんかの罰なのか、神は、僕に面倒な能力を渡してきた。
この世界では、一般の人と、能力を持った、特殊な人がいる。その人達の名前を
「クローズアビリティ」
と呼ぶ。しかも、他の人とは違うから、体の何処かに六芒星が、刻まれている。もちろん僕もその1人だ。しかも、ご丁寧に、左目に、神は六芒星を刻みやがった。最悪だ。
それが理由で、僕はいじめられた。
『変な子』
だと、毎日のように言われた。
(まぁ、そうだろうな)
と自分でも納得はしていた。
でも、だからっといって、このまま放置はまずいので、僕はどこにでも売っている白い眼帯を左目につけることにした。
そんなことをしたとしても、当然だがこの能力を使って悪事を働く人も勿論少なからずいる。
そんなんだから、いつも蔑まれた目で、見られていた。
そして僕は、そんな人達を見返すべく誰よりも地理と歴史を学んだ。(他の教科も勉強したが、頭に入らなかった)すると、分かったことが5点かあった。

1 地域が、何個もあり、その地域には、必ず都市伝説が1つはある

2 しかし、そこの民達は、その都市伝説しか知らない

3 この世界は、絶対王政。

4 自分の住んでいる地域から、違う地域に出かける時には、必ず、身分証明書と、パスポートに、通行料がいる。
それに、持ち物検査も必須

5 王はどんな人か、どこに住んでいるかは不明

とのこと。
そんなんでも、この世界の政治は成り立っているから感心する。
僕は、クローズアビリティのため、両親が忌み嫌い、孤児院の前に捨てた。
それに気づいた医院長が、引き取って僕を育ててくれた。ここには、15歳までは居ていいと。医院長は言ってくれた。医院長は、僕がクローズアビリティだとしても、暖かい目で見てくれた。他の人達と同じように接してくれた。
でも、孤児院でも、僕のことを汚物を見る目で見る。
まぁ、慣れたことだから気にしなかった。
僕は、この世界を見るために。そして知るために旅に出ることにした。勿論、都市伝説類が好きという理由もあるが。
そして、15歳になって、孤児院を出た。孤児院で、小さい子達が、
「なんで、調お兄ちゃんは旅に出ちゃうの?そんなの嫌だ!」
と泣きじゃくった。何を言っても聞いてくれなさそうな為、僕は泣き止ませる為に、子供達と同じ目線になり、目をしっかりと見つめながら
「なら、お手紙を君達に送るよ」
といつもの口調で言った。そしたら、子供達は、目元を赤く腫れさせて、涙で潤んだ瞳をこちらに向けて、
「本当に?」
と。か細く、今にも消えそうな声で聞いてきた。僕は笑顔で、
「もちろんだよ。」
と返事をした。すると、小さな小指が伸びてきて、
「約束だよ」
と子供達は小指を僕の顔の前まで持ってきた。なので、僕は小さい小指を包むように自分の小指も絡めて、
『指切り』をした。
そして、僕は次に医院長に挨拶をした。
少しの会話の後に、医院長は、笑みを浮かべたまま、無言で、手を僕に伸ばしてきた。僕は意味を理解して、その手を握り返した。もう、言いたいことはわかっていた。
もう、後ろを振り向かずに、僕は旅に出た。
子供達の声を背中で聞きながら、生まれ育ったこの街を出て行った。
僕は最初の街を、
『ラクーン街』
という、僕のいる地域に近い場所にした。
さて、最初の街には、どんな人がいるのか、また、どんな都市伝説があるのか。
僕は胸をおどらせながら、ラクーン街へと、ゆっくりと向かった。 
 

 
後書き
皆様、初めまして。繊翳(せんえい)と申します。
今回、この小説が、初めての投稿となります。
初めてなので、文章中の、『誤字、脱字、文章がおかしい部分』を指摘してもらえますと、嬉しいです。
ちまちまとですが、頑張って続きを書いています。
それでは、次の話でお会いしましょう。 
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