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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第一幕その九

「それが怖いね」
「宗教的な結界は凄いのも?」
「ひょっとして地震を考えて?」
「沢山のお寺や神社や風水も」
「そうなのかしら」
「そうかもね、東京の北東には日光東照宮があるけれど」
 先生はまだ行ったことがありませんが知ってはいます。
「あそこもね」
「ああ、東京の鬼門だね」
「そこを護っているんだ」
「あそこは確か徳川家康さんだけれど」
「東京を護っているんだ」
「そうみたいだよ、あとね」
 東京についてさらにお話する先生でした。
「裏鬼門、南東には日枝神社があるし東京につながってるそれぞれの道のところに神社やお寺があるんだよ」
「何か凄いね」
「物凄い結界を組んだ街なんだね、東京って」
「京都も凄いと思ったけれど」
「東京もなんだ」
「そうしたのは天海っていう人だけれどね」
 この人だというのです。
「百二十歳まで生きたっていうお坊さんでね」
「百二十歳って」
「それ本当!?」
「昔で百二十歳って」
「今でもギネスブックに載る位なのに」
「色々言われてる人だけれどね、この人が東京の結界を考えたんだ」
 仏教や神道、そして風水まで考えたです。
「そこには若しかしたら」
「地震についてもなんだ」
「考えてそのうえでなんだ」
「結界を作っていたんだ」
「そうだったんだ」
「そうかもね、東京は昔は地震だけじゃなくて火事もあったから」
 このことも問題だったというのです。
「色々と大変なことがあったんだよ」
「地震だけじゃなかったの」
「昔は火事もあったんだ」
「それで街を造る時に何重もの結界を作ったんだね」
「京都みたいに」
「そう言われているよ、しかし地震については」
 とにかくこの災害については深刻に考えてお話する先生でした。
「日本にいたら時々揺れるね」
「最近慣れてきたけれど」
「最初はどれだけびっくりしたか」
「結構以上に揺れるから」
「それも時々だからね」
「イギリスとは違うからね」
 地震とは殆ど縁のない先生達がずっと住んでいたお国とはです。
「そこは」
「戦争より怖くない?地震って」
「そうだよね」
「神戸の地震のお話を聞いてたら」
「東北の地震とかね」
「戦争でもあんな酷いことにならないから」
「そうかも知れないね、地震は日本にいたら本当にね」
 どうしてもというのです。
「避けられないよ、けれどその地震を少しでも抑えようとね」
「東京の方ではなんだ」
「とにかく何重にも結界を張ってるんだ」
「邪なものが入るのを防ぐと共に」
「地震にしても」
「そうみたいだね、そうしたあらゆる宗教の結界を張るのもね」
 それもというのです。
「地震の為の可能性はあるよ」
「天海さんもそのことを知っていて」
「それでなんだね」
「そうかも知れないよ、伊達にね」
 こうも言った先生でした。
「百二十歳まで生きていなかったということかな」
「そのお話信じられないけれど」
「普通の人だったのかしら」
「半分人じゃなくなっていたとか」
「何かお薬を飲んでいたとかね」
「仙人さんみたいな」
「日本は仙人さんもいたらしいし」
 動物の皆は天海さんについてはこう考えるのでした。 
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