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NEIGHBOR EATER

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EATING 17

「で、後はどこ行くんだ?」

「そうねぇ…ま、取り敢えず付いて来なさい」

と言って連れて行かれたのはキッチン用品の店だった。

「なんでキッチン用品店なんだ?」

「なんでって…調理器具は必要でしょ?」

「は?」

「清輝隊隊室は、あなた達二人と私の家でもあるの。
キッチンの無い家なんてあり得ないでしょ?」

「いや、そうだけどさ…。
夜架はそれでいいのか?」

「構いませんが?」

そうか…なら、何も言うまい…

「でもさ、ご飯なら食堂でたべれるけど?」

「あなた達に料理を教えるのも私の役目なのよ」

「誰の指示?城戸さん?林道さん?忍田さん?」

「んーん、私の判断。でもガスと水道は通してくれるらしいわ」

ハルが、小さなフライパンを俺に渡した。

「重くない?振れる?」

フライパンを降ったりしてみるが、軽すぎる。

「ハル、これ軽すぎ。俺の体はヒトじゃないんだから」

「そ、そうだったわね…じゃぁ…コレは?」

次に中くらいのフライパンを渡される。

取っ手が少し太くて握りづらいけれど、持てなくはない。

重さは、大して変わっていない。

「普段弧月とかイーグレット振り回してるんだから大抵の物は余裕だよ?」

「でも持ちにくいでしょ?」

俺から取り上げたフライパンを、今度は夜架に持たせた。

「どう夜架ちゃん?」

「しっくり来ますね」

「じゃぁ夜架ちゃんのフライパンはコレね。
翼君はこっち」

そうして持たされたのはさっきの小さなフライパンだった。

「あとは…そうだ、食器類も買わないと…」

何やらブツブツ良い始めたハルを他所に、夜架が何処かへ消え、戻って来たときにはエプロンを持っていた。

「主様。似合っていますか?」

青いエプロンを自身の前に当てながら、俺に感想を尋ねた。

「似合ってるぞ」

夜架がこのエプロンを着てキッチンに立っているのを想像すると、なかなか様になっている。

「あら、嬉しゅうございますわ。
では主様にはコチラを…」

とピンクのレースが付いたエプロンを差し出して来た。

「却下だ。学習しろ」

「あ、エプロン忘れてたわね…夜架ちゃん。翼君とエプロン選んで来て。
私は他の器具とか揃えて来るから」

「わかりました」

俺は夜架に手を引かれて、エプロンコーナーに連れて行かれた。

「さ、主様。御好きな物をどうぞ。
せっかく会議室がお金を出してくださったんですから、使わないのはかえって失礼ですわ」

そんな物かぁ…?

んー…

一通り売り場を見てみたが、あまり良さそうなのは無かった。

時々夜架が薦めて来るのはどれも女の子らしい物だった。

たしかに死与の天翼のせいで多少女っぽい容姿になっているのは自覚している。

だけれど俺は男だ。

「あ、コレはいかがでしょうか主様?」

夜架が持って来たのは、白いエプロンだった。

うっすらとピンクを混ぜたような優しい色で、所々に波のような焔のような柄があしらわれている。

「んー……それにする」

「はい!では陽乃様の所へ行きましょう」

探していると、カートにたくさんの調理器具や食器類をのせたハルを見つけた。

「そんなに買うの?」

「そうよ」

「金足りる?出そうか?」

「何の為に忍田さんからカード貰ってきたと思ってるのよ?」

「や…でも…」

「大丈夫よ。それに寝具とか棚みたいに大きい家具はトリオンで作るって言ってたから」

「そんな事もできるのか…」

「基地の大部分もトリオンじゃない」

「それもそうか」

ネイバーフッドではトリオンで全てを作る所もあるって誰かが言ってたなぁ…

「じゃ、会計行こうか」

レジで金を払い、買った物は郵送してもらった。

「んー…じゃぁ次は文具店ね」

どうやら買い物はまだ終わらないらしい…
 
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