| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

エアツェルング・フォン・ザイン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

そのじゅうに

ガチャリ…ギィィィ…

「コンバット・クロス、オープン…」

GGOアバターで軽装を纏う。

アーマーだと咄嗟の素早い動きが出来ないからだ。

チャキ…

腰からスカーレット・シスターズ…スカーレット・デビルとGrip&breakdownを構える。

ははっ…この銃をレミフラに向ける事になるとはな…

開けたドアから顔を先に覗かせる、銃を先に出すとドア脇の敵に制圧されてしまう。

中は…居ない。

咲夜は負けたみたいだな…

「よし…行こう」

俺は紅魔館の中に侵入した。

ホールはがらんとしていた。

正面には扉がありその左右に階段がある。

そして階段とは別にホールの左右に廊下がある。

「さて…どうしようか…」

うーん…このままズンズン進んでいいものか…

後ろから…ってのが怖いしな…

よし…

「クリアリングしながら進もう」

クリアリング、要するに部屋を一つ一つ開けて中に敵が居ないか確認する事だ。

GGOでは俺の仕事だったからそれなりにできる。

「さて…先ずは…」

正面の扉を見据える。

警戒を怠らず、扉に近付く…

扉に耳をつけ、中の音を確認…無音だ…

扉に手をかけ…

ガチャ…

開いた、鍵は無いな…

ギィィィ…

中を覗く…どうやらホールのようだ。

暗いな…

「クローズ…」

GGOアバターをクローズしてALOアバターに戻る。

指で長方形を作り…

「ナイト・スコープ…」

中は…誰も居ない。

キィィ…ガチャ…

そっとドアを閉めた。

さて、後は階段と廊下だが…よしルーレットでいいか。

ストレージからアイテム・ルーレットを出す。

数字4にセット…

1、右階段
2、左階段
3、右廊下
4、左廊下

ルーレットを回す…

さぁ…何処になる?

結果は3、右の廊下だった。

「GGOアバター、オープン」

再びGGOアバターを纏い、歩きだした。












ヴワル図書館、そうかかれた部屋があった。

ここにパチュリーが居るのだろうか?

うーむ…

「しかたない、入ろう」

ガチャ…キィィ…

中を覗くと、本棚が大量にあった。

宙に浮かんで居る物もある。

「これは…すごいな…」

GGOアバターをクローズして、長剣を抜く。

大抵の武器は使えるが、長剣はメインである大剣の次に使う頻度の高い武器だ。

流れ弾が本に当たるのは避けたい。

出来れば図書館という人間の叡智が集う場所でこんな不粋な物を出したくないのだ。

だが、そうも言ってられない。

幸いここは障害物が多い。

有り難く使わせて貰おう。

俺は本棚に身を隠しながら進んでいく。

やがて中心部と思われる場所が見えた。

「けほっ!けほっ!」

「大丈夫ですかパチュリー様…」

あー…どうしようか…うーん…

無視してすり抜けるか…

「ステルス・ポジション…インビジブル…スニーキング…」

全てクリティカルUPのスキルだ。

しかしこれらがクリティカルUPである理由、つまり姿を消し、足音を消せるのだ。

「誰!そこにいるんでしょう!」

はぁ!?何故わかった!?

「私の前で魔法を使うなんて愚かにも程があるわ!けほっ!けほっ!」

え?これ魔法なの?

じゃなくて!

ヤバい!逃げろ!

俺は駆け出した、彼女等から逃げるために。

やがて大きな扉が見えた。

「よし!あそこだ!」

俺は勢いよくその扉を開けて中に入った。

「はぁ…はぁ…くそっ…まさか隠蔽スキルでバレるなんて…」

なんて皮肉だ…

入った扉を背に、進んでいく…

やがて下り階段があった。

俺はその階段を下った。

あの二人から逃げる事に必死だった。

だから気付かなかった。

否、思い出せなかった。

この館の地下に誰が居るのか…

俺はやがて一つの扉を見つけた。

ここまでは一本道。

つまりこの扉を開ける他は無い。

ガチャ…

俺はその扉を開けた。

開けて、直ぐに後悔した。

何故なら。

「貴方はだぁれ?新しいおもちゃ?」

彼女が…フランドール・スカーレットが居たからだ。 
 

 
後書き
スカーレットシスターズ ザイン(RN灯俊、PNポイズン・トード)がGGOで使っていた二丁拳銃。
特殊合金製のデザートイーグルでスカーレットデビルは徹甲弾を、Grip&Breakdownは炸薬弾を使用する。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧