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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2008話

 刈り取る者は、グリと同じく召喚の契約を結んだのだが、実際にその召喚プロセスは大きく異なる。
 そもそもの話、基本的にネギま世界の魔法界に生息しているグリは、召喚のゲートを開かなければ俺の下にやってくる事は出来ない。
 だが、刈り取る者の場合は、俺の影の中に存在しているという事もあり、その影が召喚のゲートの役割を果たしているのだ。
 つまり、刈り取る者は常に展開されている召喚ゲートの中にいる、と。そういう認識に近い。
 勿論それは大雑把な理屈で、エヴァ辺りに言わせればもっとしっかりとした魔法理論とかがあるんだろうが……取りあえず、俺の認識している範囲ではその程度で十分だ。
 そんな訳で……

「刈り取る者、出て来い」

 俺が軽く地面を……正確には俺の影を蹴ると、刈り取る者はそんな俺の声に反応して、影から姿を現す。

「グラァ?」

 ゆかりを始めとした他の面々に撫でられていたグリは、俺の影から姿を現した刈り取る者に気が付いたのだろう。
 一瞬鋭い視線を向け……だが、次の瞬間には、その視線を柔らかいもの、仲間に向けるものに変える。
 へぇ、てっきりここで一戦やらかす事も覚悟してたんだが……まさか、一目で相手を認めるとは思わなかった。
 刈り取る者の方も、特に何か行動するような真似はせずに俺の横で黙っているが、それはつまり、グリに対して敵意を向けていないという事を意味している。
 これは……お互いに俺の血によって召喚の契約をしたから、お互いを自分の仲間だと、そう判断してるのか?
 まぁ、俺の血は色々と特殊だし、そういう事が出来てもおかしくはないか。

「刈り取る者、もう分かっていると思うが、あそこにいるグリ……グリフィンドラゴンは、お前と同じく俺の召喚獣だ。いざという時の為に、顔合わせはしておけ」

 そう告げると、刈り取る者は小さく頷き、そのままグリのいる方に向かって進み始める。
 ……歩いて移動するのではなく、少しだけ地面を浮かんで移動するという辺り、刈り取る者らしい。
 グリの近くにいた他の者達も、刈り取る者が近づいてきたのを理解して、そのままグリから離れていく。
 ゆかりが若干残念そうにしていたが、ここで邪魔をするような真似をする訳にいかないというのは、理解しているのだろう。

「……」
「ググルァ?」

 2匹の召喚獣が、お互いに視線を交わす。
 傍から見れば、モンスターと死神。
 ……それこそ、これから死闘が行われても不思議ではないと思える光景だ。
 だが、実際にはそんな訳ではなく、ただ2匹共がじっと相手を見つめていた。
 さて、これからどう展開するのか……上手く転がってくれれば、こっちとしても嬉しい。
 しかし、もし敵対するような事になれば、どちらも止める必要があるだろう。
 難しいところだが、その辺りはどうにかする必要がある。
 そんな2匹の様子を見ているのは、当然のように俺だけではない。
 ゆかり達も含め、その場にいる全員が息を呑んで見守っていた。
 そして……最初に動いたのは、グリ。

「ギャアア」
「……」

 刈り取る者に対し、前足を伸ばす。
 これで勢いよく前足を伸ばしたのであれば、それは攻撃を仕掛けようとした……と、そう思われても仕方がないだろう。
 だが、幸いと言うべきか、グリは前足をゆっくりと伸ばしたにすぎない。
 結果として、刈り取る者はそんなグリの反応に対して極端な事はせず、ただ、じっくりとグリの様子を見ていた。

「グギャア?」

 どうしたの? と、小首を傾げるグリ。
 大きな身体をしているだけに、そのような行為をしてもそんなに可愛くない……と思いきや、意外な程にグリの仕草は愛らしい。
 そんな愛らしさに負けたのか、それとも単純にこのままでは話が進まないと考えたのか……ともあれ、刈り取る者が右手に持っていた拳銃を左手に持ち――二丁拳銃なので、何かあった時の反応は間違いなく悪くなる――グリに手を伸ばす。
 そうしてお互いの手が触れあい……やがて、それで何か理解しあったのか、そっと手を離すと、刈り取る者は俺の方に近づいてきて、俺を一瞥してから影の中に消えていく。

「成功した、のか?」

 この顔合わせが成功したのかどうか、正直なところ、俺には分からない。
 だが、こうして何事もなく終わったところを見ると、やはり無事に成功したと、そう思ってもいいのだろう。……でなければ、俺も色々と面倒な事になりそうな気がするし。

「ね、ねぇ。アクセル。その……グリに乗って空を飛んでみたいんだけど、いいかな?」
「ん? ああ、グリに頼んでみろよ。もしグリが構わないようなら、普通に乗せてくれると思うぞ」

 ゆかりにそう言葉を返す。
 するとその言葉を聞いたゆかりは、早速グリの方に向かって走っていき、何かを話し掛けた。
 そのまま1分程……やがて、グリは地面に伏せる。
 それが何を意味しているのかは、容易に想像出来た。
 実際、ゆかりはそんなグリの背中に上っていったのだから。
 へぇ……グリに頼んでみればいいとは言ったが、まさか本当にそれを成功させるとはな。少し驚きだ。
 まず最初にグリに乗ったのは、頼んだゆかり。
 もっとも、グリの大きさから考えれば、それこそ数人を乗せるのは難しくはないんだが。
 だが、幾らグリが人懐っこいからといって、まだ背中に乗って空を飛ぶ程に気を許せるかと言えば、ゆかり以外の連中にとってはそうでもないんだろう。
 ……それでも、グリに乗って空を飛ぼうとしているゆかりに、皆が興味深い目を向けているのはある意味で当然なのだろうが。

「アクセル、本当に大丈夫なのか?」

 美鶴が俺の近くにやって来てそう尋ねるが、俺はそれに当然と頷きを返す。
 あの様子を見る限り、グリはゆかりをそれなりに認めている。
 ……純粋なドラゴンという訳ではないが、グリも歴としたドラゴンの一種であるのは間違いない。
 亜竜とか、そういう風に言われるタイプだが。
 それでも、グリが認めたという事は、余程の事がない限り、ゆかりの安全は保証されたと言ってもいい。
 いやまぁ、元は確かに亜竜だったのだろうが、俺の血を飲んだ影響でかなり力を増大させているのは、間違いないだろうが。

「それに、何かあってもゆかりの場合は自分で何とか出来るだろうしな」

 ペルソナチェンジという特殊なスキルを使いこなす有里や、非常に高い潜在能力を持つペルソナを操る荒垣やコロマル。それ以外の面々も、取りあえず1対1――ペルソナも入れると2対2と言うべきか――でゆかりに勝つのは不可能だし、実際に模擬戦でそれは証明されている。
 そんなゆかりのイオは、空を飛ぶ能力を持っているペルソナだ。
 ……まぁ、そうでもなければ巨大な牛の頭蓋骨が移動出来る筈もないのだが。
 それこそ、エアカーか何かのように空中を移動するイオは、歩いている訳でもないので、音が出ない。
 いや、かなり高速で移動すれば、牛の頭蓋骨の部分に空気が共鳴して音が出るらしいのだが、普通の速度で飛んでいる分にはその辺りは全く関係がなかったのだ。
 どこぞの世界で、電気自動車は走っている時に音がしないので、意図的に走行音を出すようにしたとか何とか、何かで聞いた覚えがあったが、恐らくそんな感じなのだろう。
 ともあれ、空を飛べるゆかりのイオを考えると、グリの背中から落ちるような心配はしなくてもいい。

「少し、羨ましいな」
「ん? 何がだ?」

 美鶴の口から出たのは、俺が予想もしていなかった言葉だ。
 だからこそ、どうしたのかと疑問に思う。
 実際、何故美鶴がゆかりを羨ましがるのか、その理由が分からなかったというのも大きいし。
 だが、そんな美鶴の言葉は自分でも知らないうちに出ていた独り言だったのだろう。
 寧ろ俺に聞かれた事を驚くように、慌てたような美鶴の視線が俺に向けられる。

「い、いや。何でもない。ただ、ちょっとな」

 そんな慌てた様子の美鶴に、取りあえずこれ以上突っ込んだ話をすると不味いかと判断し、それ以上の追求はしない。

「……より、ずっとはやーい!」

 何だかゆかりからそんな声が聞こえてきたが、グリに乗っているだけあって、俺の耳でもその言葉を完全に聞き取るのは不可能だった。

「……アクセル。もしよかったら、次は私をグリに乗せてくれないか?」
「まぁ、それは別に構わないが……それを聞くのなら、俺じゃなくてグリだろ?」
「うむ、そう言われればそうだな。では、グリが戻ってきたらそうさせて貰おう」

 俺の言葉に嬉しそうにしたのは、美鶴もグリに乗りたいと思っていたからか?
 いやまぁ、飛行機とかそういうのではなく、生身の力で空を飛ぶというのは、色々とロマンはあるのだろうが。

「ほら、戻ってきたし、行ってきたらどうだ?」

 ゆかりを背中に乗せたグリが戻ってくるのを見てそう言うと、美鶴は頷いて地上に降下してきたグリの方に向かっていく。
 ……ペンテレシアは別に空を飛ぶようなペルソナではないが、それでもいざという時には何とか出来るだろう。
 まぁ、それこそ本当にどうしようもなかったら、俺が助けに行けばいいだけだし。

「アルマーさん! 僕にも、僕にも乗らせて下さい!」

 美鶴がグリと交渉して背中に乗せて貰い、空に向かって飛び立った後、今度は天田がそう言ってくる。
 基本的には大人びている天田だったが、それでもやっぱり子供っぽいところはしっかり残っているのだろう。
 もっとも、それを言うならゆかりや美鶴だってグリに乗せて貰ったんだし、真田も興味深そうに空を飛ぶグリを見ているのだから、結局のところグリの存在は大人云々は関係ないと言ってもいいのかもしれないが。

「美鶴にも言ったが、頼むなら俺じゃなくてグリに直接頼め。きちんと頼めば、グリもしっかりと乗せてくれると思うぞ」
「いや、おいアルマー。本当にいいのか? 天田のような子供をグリ、だったか? あいつの背中に乗せて……」

 心配そうに声を掛けてきたのは、天田の保護者役を務めている荒垣だ。
 荒垣にしてみれば、もし万が一という時の事を考えると、安心してグリに乗せる事が出来ないのだろう。

「そんなに心配なら、天田だけじゃなくて荒垣も一緒に乗ったらどうだ?」

 そう言うも、荒垣は微妙に嫌そうな表情を浮かべる。
 だが、俺の言葉を聞いた天田は、荒垣に期待の視線を向けた。
 この2人、実は結構仲が良いのか?
 いやまぁ、荒垣が天田の面倒を見る形となっている以上、当然のように2人は接する機会が増える。
 ましてや、荒垣は何だかんだと面倒見も良い。
 そうである以上、天田が自分の世話を焼いてくれる荒垣に好意を持つのはそうおかしな話ではないだろう。
 ……真相を知っている俺にしてみれば、色々と危うい関係のようにも思えるが。

「ちっ、しょうがねえな。分かったよ」

 そう言いながら、荒垣は俺に責めるような視線を向けてくる。
 お前が余計な事を言ったから、こんな目に遭ってるんだと。……そう言いたいのだろう。
 それでも本当に嫌なのであれば、そう言うだろうし……そう考えれば、そこまで無茶な話という訳でもないといったところか。

「ああ、なら俺も一緒に頼んでみる。構わないよな?」

 ついでとばかりに、真田がそう言う。
 いやまぁ、別にそれは構わないんだが。

「ああ、好きにしろ。ただし、あまりはしゃぎすぎて、グリに迷惑を掛けるなよ」
「任せろ」

 そう言い、真田はまだグリは空を飛んでいるのに、俺の前から走り去る。
 何なんだろうな。
 ファンクラブからは、ミステリアスだとか、場合によっては寡黙で大人っぽいとか言われてるんだが……それって、もしかして真田の事を知らないで、単純にイメージだけでそう思ってるのではないか? とすら思ってしまう。

「悪いな」

 俺が真田の後ろ姿を見ているのに気が付いたのだろう。その真田の幼馴染みが、俺にそう謝ってくる。
 この辺りが、世話焼きと言われている由縁といったところか。
 勿論、誰にでも世話焼きだという訳ではなく、あくまでも限られた相手に対してだけなのだが。

「気にするな。思ったよりも早くグリがお前達に受け入れられて、俺としても良い意味で予想外だった」

 こうして受け入れて貰えたから良かったが、それこそ下手をすればグリの存在を全く受け入れて貰えず、最悪戦いになっていた可能性もあるのだ。
 ……まぁ、ペルソナという点で神やら英雄やらモンスターやらの名前がついている存在を使っているのを考えれば、グリを見たからといってそういう可能性になるというのは、かなり少なかったが。

「あ、ではアルマーさん。僕も行ってきますね。……その、今度槍の訓練お願いします!」

 天田が俺にそう言うと、軽く頭を下げて真田の後を追う。
 荒垣も、真田と天田がいなくなったので、そっちに向かっていく。
 アイギス、有里、山岸、コロマル……といった他のメンバーも、グリに対して恐怖とか嫌悪とかは覚えていないようで何よりだ。
 取りあえず、今日の顔合わせは色々な意味で成功したと、そういう認識で間違いないだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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