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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2000話

 
前書き
祝!2000話達成です。
番外編のリクエストをアンケートで募集しているので、何か希望のある人は是非どうぞ。
次は目指せ2500話ですね。 

 
 クラブエスカペイド。
 そう言えば、以前友近からポロニアンモールで流行っているクラブで、叶に連れていって貰ったとか何とか、聞いた覚えがある。
 もっとも、その叶と友近に関しては……まぁ、考えるまでもないが。
 ともあれ、その名前は知っていても場所がどこかは分からない。
 影のゲートで転移するにしても、せめて誰かが近くにいるというのが分からなければ……
 そう思っていると、まさに俺の考えを読んだかのように再び山岸がルキアを通じて情報を送ってくる。
 いや、別に俺だけに情報を送ってきているのではなく、一種のオープンチャンネルに近い感じなんだろうが。

『エスカペイドの一番近くにいるのは……美鶴さんです!』
『私か? 分かった、すぐに……』
「待て」

 探す。
 そう言おうとした美鶴に、待ったを掛ける。
 美鶴の近くにエスカペイドがあると分かれば、もうこっちには迷う必要はない。
 影のゲートに身体を沈め、次の瞬間には俺の姿は美鶴のすぐ後ろにあった。

「うわっ! アクセル、驚かすな」
「悪いな。こうして直接来るのが手っ取り早かったんだ。……で? エスカペイドってのは……あれか」

 少し離れた場所には、店名が書かれている看板があった。
 それを見れば、そこがエスカペイドだというのは、容易に理解出来る。

「うむ。私はあの手の店に入った事はないので、具体的にどのような店なのかは分からないが……アクセルはどうだ?」
「残念ながら、俺もあの店については分からないな。その手の店に入った経験も殆どないし。ただ、友近……友人が何度かあの店に入った事があるって話を聞いたから、何も知らないよりはマシって程度か」

 今まで暮らしていて、この手の店に入った記憶は殆どない。
 全くない訳ではないのだが、それは他の世界での事であり、ペルソナ世界にその辺りの常識が通用するかどうかは、正直なところ微妙だし。

「取りあえず、どうする? 店の中に入ってみるか? それとも、誰か来るのを待つか?」
「ふむ、そうだな……」

 少し考えた美鶴が、周囲を見回す。
 残念だが、現在この近くには特に誰もいないらしい。
 もっとも、本当に誰かを連れてくる必要があるのであれば、俺が影のゲートで連れてくるという選択肢もあるのだが。
 だが、美鶴はやがて首を横に振る。

「取りあえず、私達だけで中に入ろう。正直、戦力的な不安という点で考えれば、アクセルがいる時点でそこまで心配はないしな」
「……俺が戦闘をするのは、出来るだけ避けたいんだけどな」
「何故だ?」
「強い相手に頼ってばかりってのは、S.E.E.Sとしては色々と不味いだろう。今はいい。俺がいるしな。だが……俺も、いつまでも美鶴達の手助けをする訳にはいかないんだ」
「な!? アクセル……」
「そんな時、強いシャドウが出て来たら、美鶴はどうする? 勿論、俺が助けに来る事が出来る場所にいれば、助けに来るのは構わないさ。だが……もし、いなければ?」
「それは……」

 実際問題、俺がホワイトスターに戻ればいつでも助けに来るという事は出来ない。
 勿論、その辺りの事情は今はまだ言えないが、それでも……そう、それでも、美鶴には死んで欲しくないと思っているのだ。
 正直なところ、美鶴の能力は相当に高い。それに真田や荒垣といった面々も対シャドウという事であれば協力してくれるだろう。
 だが……何事にも例外というのはある。
 それこそ、この世界の原作が実は続編もので、影時間を解決してもシャドウ関連の話が続くという可能性は、決して否定出来ないのだ。
 つまり、新しい敵とかが出てくるとか、そんな感じで。
 そんな時の為にも、美鶴はゆかり達のように鍛えておく必要がある。
 もっとも、この状況ではそれも少し難しいが。
 最低限のフォローをしながら、美鶴にはイレギュラーシャドウと戦って貰うのが最善か。

「取りあえず……危なくなったらお前のフォローもするし、それにここに向かって今も他の連中がやって来てるんだろ? なら、時間を稼げばそれだけこっちが有利になるという事でもある」
「……うむ。分かった」

 数秒の沈黙の後、やがて美鶴が頷く。
 それを確認し、俺は指を軽く鳴らして子猫の炎獣を生み出す。
 また、続いて軽く地面を踏み、刈り取る者を呼び出す。

「取りあえず、この2匹がいれば大抵の相手は何とかなる筈だ。ただ、炎獣は美鶴の防御、刈り取る者はイレギュラーシャドウに対する牽制しかしないから、そのつもりでな」
「それでも助かる。いや、寧ろ十分すぎるだけの力を借りられると思うぞ」

 そう言い、俺と美鶴はエスカペイドの中に入っていく。
 店に入ってすぐの場所には、特に何がある訳でもない。
 奥に真っ直ぐ通路があり……そして、通路の奥には扉が1つ。
 この扉が、本当の意味で店の中に入る為のものなのだろう。
 扉の左右に棺があるのは、守衛とかそういう感じの役目か。
 少しだけ扉を開けて中を覗くと……そこには、床から伸びている電線の束が手足になっており、ライオンのたてがみのようなものを持ち、背中からは太い電極のようなものが伸びていて、一つ目の仮面を被っているイレギュラーシャドウの姿があった。
 クラブということで、その部屋の中はかなり広く作られているのだが、それでもイレギュラーシャドウの大きさを見ればどこか狭苦しいように思えてしまう。
 そんな大きさのイレギュラーシャドウだ。

「厄介だな」

 呟いたのは、美鶴。
 その視線が向けられていたのは、イレギュラーシャドウ……ではなく、その周囲に幾つも存在する棺だ。
 ここが人気のクラブだというのであれば、当然のようにこのクラブには、今日も大勢集まっていただろう。
 ましてや、このような場所において日付が変わる時間帯というのはまだ宵の口といった感覚に等しい。
 特に今は9月に入ったが、気温的にはまだまだ夏の延長上に等しい。
 夏の夜というのは、こういう場所で遊ぶ者にとっても今が旬! って奴だろう。
 いや、旬って言い方は正直どうかと思うけど。
 ともあれ、店の中に幾つも存在する棺は、ここで戦闘をする上で非常に邪魔なのは間違いなかった。

「どうする?」

 視線で尋ねられた俺は、少し考えてから口を開く。

「美鶴が戦闘に集中出来るように、俺がどうにかするよ。幸い……炎獣を出すのは何匹でもOKだし」

 実際、このペルソナ世界では最大数匹の炎獣しか生み出していなかったが、その気になれば数百、数千、数万……もしくはそれ以上の炎獣を生み出す事が可能だ。
 それこそ、W世界では炎獣の数を頼みにMSに勝つような真似すらしたのだから。

「……頼む」

 美鶴がそう告げ、やがてタイミングを合わせて一気に部屋の中に突入する。
 イレギュラーシャドウの方も、扉の外に美鶴がいるというのは理解していたのだろう。
 すぐさま戦闘が開始される。
 先制攻撃として、美鶴はペンテレシアを召喚する。

「ブフーラ!」

 放たれたのは、氷の矢の群れ。

「ジオンガ」

 だが、それに対するようにイレギュラーシャドウは雷を使い、その氷の矢の群れを防ぎ……次の瞬間、刈り取る者が発射した銃弾のダメージを受けて、大きくのけぞる。
 相手の弱点を突いた時にバランスを崩す……といった程ではないが、それでものけぞるというのは十分な隙だ。
 すぐさま美鶴は床を蹴り、レイピアを手にイレギュラーシャドウとの間合いを詰めていく。
 素早く、そして連続して突き出されたレイピアの突きは、間違いなくイレギュラーシャドウに対してダメージを与えていた。
 だが、イレギュラーシャドウの大きさを考えれば、そのダメージは致命傷と呼ぶには程遠いものでしかない。

「ちぃっ! 厄介な!」
「コンセントレイト」

 厄介だと叫ぶ美鶴の前で、イレギュラーシャドウは反撃をするのではなく、コンセントレイトという魔法を発動する。
 この魔法は……確か、次に放つ魔法の威力を高める魔法!?
 有里から以前聞いたコンセントレイトの効果を思い出す中で、美鶴も同様の判断をしたのだろう。素早くその場を跳び退り……同時にイレギュラーシャドウの前に先程同様の雷が集まる。……が、次の瞬間、イレギュラーシャドウはのけぞり、放つ寸前だった魔法はそのまま消え去る。
 それを成し遂げたのは、刈り取る者の銃撃。
 そう言えば、普通に拳銃を撃ってるけど、これって弾丸はどうしてるんだろうな。
 まぁ、普通に考えれば魔力によって弾丸を作ってるとか、もしくは魔力そのものを撃っているとか、そんな感じなんだろうが。
 ともあれ、放たれた銃撃によってイレギュラーシャドウは使おうとした魔法がなくなり、大きな隙を生む。

「ペンテレシア!」

 その隙を突くかのようにして召喚されたペンテレシアは、両手に持った長剣でイレギュラーシャドウに斬りかかる。
 大きさ……質量という点では、ペンテレシアはゆかりのイオに大きく及ばない。
 ……いや、そもそも巨大な牛の頭蓋骨に乗ってるって時点で、色々と比べるのは間違っているのだろうが。
 それでもイオの重量による突撃とは違い、ペンテレシアは両手に持った長剣でイレギュラーシャドウに斬りつけていく。
 この辺り、やはりペルソナは召喚した人物に影響を受けているのは間違いないんだろう。
 そうなると、ゆかりのイオは……まぁ、ゆかりの場合は時々猪突猛進になるから、決してイオが合っていないって訳じゃないのだが。
 ともあれ、ペンテレシアの攻撃はイレギュラーシャドウに相応のダメージを与えていく。

「はぁっ!」

 ペンテレシアの攻撃に紛れるように、当然美鶴もレイピアでイレギュラーシャドウに攻撃する。
 そんな連続攻撃に苛ついたのか、イレギュラーシャドウは周囲を見回し……

「マハジオンガ」

 魔法を発動する。
 さっきのコンセントレイトみたいな、一種の溜め攻撃ではなく、魔法名を口にするだけで発動する、普通の魔法。
 だが、問題はその魔法が周囲一帯、手当たり次第に電撃を放つ魔法だったことだろう。
 美鶴の周囲にいた子猫の炎獣が、美鶴に迫ってきた電撃を燃やしつくす。
 ここまではいい。だが……ここにいる棺に対しても、電撃は容赦なく向かい……俺が戦闘を見ている時に生み出し、配置しておいた炎獣がそれた電撃全てを燃やしつくす。

「はぁああぁっ!」

 マハジオンガが消えた事により、一瞬イレギュラーシャドウの動きが止まる。
 向こうにしてみれば、まさかこんな風に自分の攻撃が無力化されるとは思ってなかったのだろう。
 普通の……という表現をしてもいいのかどうかは分からないが、ともあれタルタロスで出てくるシャドウは、門番シャドウ、そして俺と召喚の契約を結んだ刈り取る者以外は、基本的に自我の類はないか、もしくは限りなく薄い。
 だが、満月の夜に出てくるイレギュラーシャドウは違う。
 完全に自我というものがあるのだ。
 そして、自我があれば当然のように有利な事もあるが、同時に不利な事もある。
 ……そう、例えば今のように、自分が自信を持って放った攻撃が完全に無効化される時……といったように。
 そうして放たれた美鶴のレイピアによる突きは、イレギュラーシャドウのバランスを崩す程の一撃を与える事に成功する。

「桐条先輩!」

 そうしてバランスを崩したイレギュラーシャドウに、次々と突き刺さる矢。
 誰が来たのかというのは、それこそ考えるまでもない。
 俺の知り合いで、弓を使う相手などというのはゆかりしかいないのだから。
 更に、やって来たのはゆかりだけではない。
 普段は面倒臭そうにしている事の多い有里が、長剣を手に一気にイレギュラーシャドウとの間合いを詰めていく。
 いや、突っ込んできたのは有里だけではない。真田も拳を握りしめ、イレギュラーシャドウとの間合いを詰めていた。
 そうしてアイギスも姿を現し、刈り取る者と同様にイレギュラーシャドウに次々と銃弾を浴びせていた。

「刈り取る者、お前は援護に回れ。戦闘に参加している連中の邪魔にならないようにな」

 その言葉に、刈り取る者は短く頷くとイレギュラーシャドウから距離を取る。
 元々そこまで接近していた訳ではないので、距離を取るのはそれ程難しい事ではなかった。
 そうして、部屋の中で激しい戦いが繰り広げられる。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「どうやらもう俺達の出番はねえようだな」

 そんな戦場に少し遅れてやって来たのは、天田と荒垣の2人だ。

「コロマルはいないのか」
「コロマルなら、山岸を守ってたぞ。山岸の能力を考えると、誰も護衛に付かないのは不味いからな」

 俺の方を見ながら、荒垣がそう言ってくる。
 なるほど。そう言われればそうだな。
 にしても、コロマル……犬なのに、相変わらず気が利くといか、何と言うか。
 そんな風に思っている間にも戦闘は続き……やがて、イレギュラーシャドウは倒れるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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