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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -

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Fate Apocrypha編
  聖杯大戦開幕 ─再会─

 
前書き
Fate Apocrypha編です。
ではどーぞ。 

 
素に銀と鉄。礎に石と契約の大公

立向ける色は『 』

降り立つ風には壁を

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

閉じよ(みたせ) 閉じよ(みたせ) 閉じよ(みたせ) 閉じよ(みたせ) 閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度

ただ、満たされる刻を破却する


──告げる

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に

我は常世総ての善と成る者

我は常世総ての悪を敷く者

されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし

汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者

汝三大の言霊を纏う七天

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!










 此処より始まるは外伝の聖杯戦争。

 否、従来の聖杯戦争から逸脱した形式で執り行われる聖杯戦争だ。

 黒の陣営の7騎のサーヴァントと赤の陣営の7騎のサーヴァントたち、計14騎のサーヴァントたちが聖杯を奪取すべく闘う『聖杯大戦』である。

 日本の冬木の地から大聖杯を奪い、隠匿していたユグドミレニア家が此度の騒動の発端だ。当ユグドミレニア家が『聖杯大戦』の勃発と同時に秘密裏に所持していた聖杯をシンボルとして魔術協会からの離反を表明したのである。

 当然、魔術協会はこのようなユグドミレニア家の愚行を黙認するはずもなく此度の騒動の対処に当たることを決意する。

 魔術協会はユグドミレニア家を討伐すべく部隊を派遣。しかし先遣隊は無残にも壊滅という結果で終わることになる。ユグドミレニア家が召喚した常軌を逸した存在であるサーヴァントの前では為す術などなかったのだ。

 だがこのような凄惨な状況下にて瀕死の状態ながらも先遣隊の最後の生き残りが大聖杯の予備システムを起動することに成功する。こうしてユグドミレニア家のサーヴァントに対抗すべく魔術協会の魔術師たちもまた7騎のサーヴァントを召喚した。

 ユグドミレニア家の「黒」の陣営の7騎のサーヴァントと、魔術協会の「赤」の7騎のサーヴァントである計14騎が今此処で対峙する。

 『聖杯大戦』の舞台はルーマニア・トゥリファス














 此処は世界から隔離された場所である影の国。

 不変の存在であるウィスは変わらず生き続けていた。

「─。」

 ウィスが座するは影の国の門。

 ウィスは瞳を閉じ、宙に浮遊した状態で座禅による瞑想を行っていた。これまで幾度となく繰り返してきた修行である。

 ウィスの周囲には一種の不可視の壁が存在していた。膨大な気のバリアを何十、何百にも身体の表層と対外に張り巡らすことで一種の気の圧力の壁を創り出しているのである。

 辺りに散乱する瓦礫や岩石がウィスの気の影響を受け浮遊と崩壊を幾度となく繰り返す。ウィスの周囲の空間は影の国と同様に世界から隔絶された空間を創り出していた。

 そんなウィスの意識下にて妙に強く感じる魔力が現れた。

 ウィスは深く閉じていた紅き瞳を大きく見開く。周囲に浮遊していた瓦礫と岩石は眼下に落ち、影の門から堕ちていく。だがウィスはそんな些細な事を気にとめることはしない。ウィスは浮遊状態を解除し影の門をその足で強く踏みしめた。その紅き()が捉えているのは影の国の前方にて広がる凄惨とした風景ではない。ウィスの瞳はその遥か先、世界の表側へと向いていた。

 ウィスは影の国の門の宙へと再び浮遊することで宙に座し、瞳を閉じ──






──知覚範囲をこの星の表層の隅々へと張り巡らせた。

 ウィスの知覚範囲は容易にこの星の全域へと及んでいる。この星はもちろん宇宙の彼方までウィスはその知覚範囲を広げることを可能にしているのだ。

 これまで幾度も感じた聖杯の起動に伴う魔力の高まりを感じる。過去においても魔術師どもによる聖杯戦争に伴う被害者の救助に当たってきたが今回の聖杯戦争はどこか歪だ。

 聖杯の魔力がこれまでとは比較にならない程に高まっている。第二次聖杯戦争以降冬木の聖杯システムが漏洩したことにより世界の各地で小規模の聖杯戦争が開催されていたことは知っている。だがそのどれもが冬木の聖杯とは一線を画する劣化聖杯であった。自分はその偽りの聖杯戦争には関与していない。だが此度の聖杯は冬木の聖杯と遜色ないレベルだ。

 つまり今回の聖杯戦争にて用意される聖杯は冬木の聖杯そのものであることを意味する。どうやら魔術師の連中は冬木から奪取した聖杯を用いて新たな惨状を作り出すつもりらしい。

 世界は魔術師たちの手により再び混乱の渦へと巻きこまれることになるのだ。此度の聖杯戦争に対する違和感をぬぐいきるにはまだ情報が圧倒的に足りない。

 だが現状にて不確かなことは多々あるがただ一つだけ確かなことがある。



──聖杯戦争が始まる



 万能の願望器である聖杯を巡る聖杯戦争。

 魔術師たちは再び聖杯戦争を起こすつもりなのか。過去の聖杯戦争にて聖杯が顕現した事例など存在しないにも関わらずだ。奴らは過去の聖杯戦争から何も学んでなどいない。誰が一般市民の被害を抑えていると思っているのだ。

 魔術師どものくだらない悲願を成就するべく開催される聖杯戦争。本当に、実にくだらない。聖杯などという万能の願望器を巡る魔術師どもの戦争。実に愚かで、人には手に余る代物だ。

 やはり魔術師どもはろくでもない連中であることを痛感させられる。

 ウィスは気だるげに目を開け、浮遊状態を解除した。影の国の門を強く踏みしめ影の国を発つことを決意する。

 本来ならば聖杯の魔力を感じる場所へと真っ先に向かうべきなのだろうが第一の目的地は極東の島国である日本だ。

 日本からは英霊召喚に伴う魔力の高まりと魔術師の存在を強く感じる。傍には一般人らしき微弱な気も感じられた。

 今にも生命の営みが止まりそうな程弱り切っている。魔力反応はないことから一般人であろうか。英霊召喚を円滑に進めるべく攫われた可能性が高い。なら先ずはその一般人の救出が最優先事項だ。


「──行くのか、ウィス?」

 そんなウィスに問いかけるはスカサハ。どうやらウィスが世界の表側へと意識を向けている刹那の間にこの場へ来ていたらしい。

「ああ。」

 ウィスは振り返ることなく肯定の意を示す。これまでスカサハと幾度なく繰り返したやり取りだ。彼らに多くの言葉など必要ない。

 スカサハ自身そのことを気にしてはいない。

そう、ウィスが自分の元に無事に帰って来るのならば。

「そうか。

──行ってこい。」

だが帰ってきたら根掘り葉掘り聞かせてもらからな。

「ああ、

──行ってくる。」

 ウィスは背中に何か薄ら寒いものを感じながら影の国を飛び立った。







▽△▽△▽△▽△







「──告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」


 此処は極東の国である日本の新宿。

 人々は既に寝静まり、闇の住人たちが動き出す時間である。そんな深夜の新宿のとあるホテルの一室には二人の男女の姿があった。

 男性は先程から何かをしきりに口ずさんでいる。そう、聖杯戦争にて使役する自身のサーヴァントを召喚するための呪文だ。

 魔術師である相良豹馬は全てが順調に進んでいることに内心ほくそ笑む。全てが自身の掌の上だ。

 召喚するサーヴァントは世界に名を轟かせた殺人鬼、ジャック・ザ・リッパー。件のサーヴァントを召喚すべくジャック・ザ・リッパーが実際に使用したとされるナイフを召喚の触媒として用意した。

 だが万事を期すべく一人の女を生贄にすることで当時のジャックの犯行現場を再現したのである。

 見れば彼の眼前には力なく床に倒れる一人の女性の姿があった。彼女の目に覇気はなく、意識は朦朧とした状態である。

 女性の名前は六導玲霞。

 相良豹馬が暗示をかけ同棲相手として利用していた女性である。だが既に彼女は用済みだ。後は間もなく召喚されるであろうジャック・ザ・リッパーの生贄にするだけである。

 相良豹馬は令呪が浮かぶ自身の右手を紅く光る魔法陣へと差し伸べる。

「──汝三大の言霊を纏う七天。」

 あと残り一説を唱え切れば自身の聖杯戦争が始まるのだ。口元が歪むのを抑えられない。

「──抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!」

 だが相良豹馬は最後の言葉を詠唱した後軽快に吹き飛んでいった。形容し難い程の衝撃を頬に受け、室内の壁へと勢いよく激突する。

 相良豹馬は陥没した頬を右手で抑え、朦朧とし混乱を極める意識のなか自身を足蹴にした敵を睨みつけた。

 前方には珍妙な杖を有したダークカラーのローブを着込んだ男の姿が。暗闇の中でも存在感を放つ紅き瞳が此方を強く見据えている。

 一歩

 また一歩と眼前の男は此方に足を踏み出し─





 続けて踏み出した3歩目は相良豹馬の顔面を捉えていた。

 途端自身の顔面に激痛が走る。後方の壁は大きく凹み、相良豹馬の顔面は完全に崩壊する。相良豹馬は文字通り壁の染みとなった。

 魔術師相良豹馬が人生の最後に見た光景は見知らぬ謎の男の靴底であった。







 六導玲霞

 彼女は元来生に対して無頓着な人間であった。無論他人の命に対してもその態度は一貫して変わらない。

 六導玲霞の人生はお世辞にも恵まれたものではなかったと言える。

 両親は幼き頃に事故死。これまでの裕福な生活が何の前触れもなく一転し、誰にも必要とされない日々が始まった。彼女は気付けば娼婦の身に落ち、転落人生を歩んでいたのである。

 このような倒錯的人生が彼女の生への渇望を徐々に奪うことになったのだ。

 新宿では同棲相手である相良豹馬を養う生活をしていた。彼が自分を愛してくれていると信じ尽くしてきたのだ。だが結果はどうだ。

 自分は彼から致命傷を受け、血に伏している。腹部から流れ出る血は止まらず、徐々に自身の命の灯も消えていくことを理解せざるを得なかった。


─いっ…嫌だ、死にたくない─

 誰からも必要とされてこなかった。

 誰も自分のことを見てくれなかった。

 誰も自分のことを愛してくれなかった。


─生きたい…。私はこんなところで死にたくない─

 堕落した人生を生きるしかなかった彼女は生まれて初めて心の底から願う。

 よき理解者を、共に何気ない日常を享受してくれる相手を。


─生きたい。…私は、─生きたい!!─

 六導玲霞は藁にも縋る思いで前方の男性へと手を伸ばし─







▽△▽△▽△▽△







 聖杯戦争の舞台であるルーマニアでは『黒』の陣営であるユグドレミニアの魔術師たちは皆一様に自身のサーヴァントの召喚を執り行っていた。

 令呪が宿った右手を前方に掲げ、召喚の詠唱を続行する。




誓いを此処に

我は常世総ての善と成る者

我は常世総ての悪を敷く者

されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし

汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者

汝三大の言霊を纏う七天

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!』

 
 周囲を神秘的な光が照らし出し、召喚に応じた『黒』のサーヴァントたちが現界した。


『召喚の招きに従い参上した。我ら黒のサーヴァント。我らの運命はユグドミレニアと共にあり、我らの剣は貴方方の剣である。』

 こうして『黒』の陣営のサーヴァントが出揃った。





 同時刻、何処の墓地にて─

「我が名はモードレッド!騎士王アーサー・ペンドラゴンの正当なる後継者!」

 ある一人のネクロマンサーも召喚を成功させる。






 『黒』の陣営に続く『赤』の陣営の7騎も召喚。

 『聖杯大戦』が今此処に勃発する。







▽△▽△▽△▽△







 事後処理を終えたウィス。

 瀕死の重傷を負っていた女性は無事助けだした。助けだした女性、六導玲霞は部屋の向こうで自身のサーヴァントと戯れている。

 今この室内にいるのはウィスと六導玲霞、彼女のサーヴァントであるジャック・ザ・リッパーの3人。

 この場にいる3人は既に聖杯戦争が催されるルーマニアへと発つ準備はできている。そんな中ウィスは此度の聖杯戦争の実態を知るべくルーマニア周辺へと気を張り巡らせていた。

 そんなウィスの知覚範囲に引っ掛かる気が一つ。

「─。」

 この気は──

やはりこの気は間違いない、ジャンヌのものだ。

 サーヴァントとして召喚されたのだろうか。

いや、違う。

──これは現世の人間を憑代に現界しているのか。

 霊格適性

 魔力適性

 その他諸々の適性が全てジャンヌと類似している。如何なる理由で英霊としてではなく現世の人間を憑代にしているのだろうか。疑問は尽きない。

 ウィスはより深く、繊細に、知覚範囲をルーマニアの細部へと広げていく。

 ジャンヌ以外に知覚できる気はモードレッド、アタランテ、カルナ、ジークフリート、ケイローン、アキレウス、ヴラドの計7つ。

 他7人は知らない気だ。サーヴァントの数が正規の聖杯戦争と比べ多すぎる。やはり懸念した通り此度の聖杯戦争はどこかいびつだ。

 より一層気を引き締めなければならないだろう。

 だが先ずはジャンヌを迎えにいかなければならない。現世に現界したというのに聖杯戦争の舞台からジャンヌはかなり離れている。

 第一優先はジャンヌ。次いで聖杯戦争だ。

 杖を地面へと軽く打ち鳴らす。

 途端迸る眩いまでの白銀の光。その光はウィスたちの周囲を円を描くように循環し、包み込み、その輝きを強く増していく。

 その光は瞬く間に彼らを包み込み、天へと昇っていった。その光は天へと昇る最中突如消え失せる。彼らの姿は既にその場にはなく、先程までの輝きが嘘のようにその場には閑散とした光景が広がっていた。

 こうしてウィスを含めた3人は聖杯戦争の舞台であるルーマニアから遠く離れた日本から飛び立った。

 ウィスたち3人が向かうはジャンヌが現界した地であるフランス









 





─この魔女が!─

─裁きを受けろ!─

─この異端者が!─

 ある者は罵倒を吐き、ある者はジャンヌへと石を投げる。周囲を見渡せば自身の死を深く悲し気に嘆く者もいた。それだけで自分は十分に救われる。

 聖女と称えられたジャンヌは祖国のフランスに見捨てられ極刑を受けようとしていた。両手は拘束され、死刑の檀上へと足を進めさせられる。

 一歩

 また一歩と

 人生の終着点へと向かう。


 思えば自分の人生はあっという間であった。

 一介の村娘として過ごした幼少期。
 ウィスとの出会い。
 ウィスの手ほどきを受けた数年。
 主の啓示の名の元戦場へと赴いたこの2年。

 人生とは儚く、一瞬で散るものなのだと痛感させられる。


─すみません。どなたか、どなたか十字架を!─

─どなたか十字架を頂けませんか?─

 声高に叫ぶジャンヌ。だが誰も周囲の空気に流されジャンヌの懇願に応じることはなかった。
 そんな混沌とした空気の中自分に親切に十字架を差し出してくれる人物が。

 己の師のウィスだった。

─ありがとうございます、ウィス─

─別にお礼を言われるほどのことじゃない─

─ウィスには本当にお世話になりました。ありがとうございます─

─それはこっちのセリフだ。…なあ、ジャンヌ─

─?─

─ジャンヌは自分の人生に満足しているか?─

 どこか悩まし気に此方に問いかけてくるウィス。見れば気まずげに頬を掻いているウィスの姿が目に映った。

─はい。…悔いも、迷いも、心残りもありません─

 それは本当だ。この気持ちに嘘偽りなどあるはずがない。

 戦場にて祖国の救済という免罪符の名の下あれだけ多くの人を殺したのだ。この報いは当然と言えるだろう。戦場へと赴いたときから覚悟していたことだ。故に甘んじて受け入れよう。


…ただあなたとあともう少しだけ共に生きたかった。

 だがそれはもう叶わぬ願いだ。

─ジャンヌ。こんな俺を受け入れてくれて本当にありがとう─

─ふふ。それ、私のセリフですよ、ウィス─

 儚げにジャンヌは笑う。





 手足は鎖にてつながれ、身体は木に強く拘束される。松明から灯された炎は瞬く間に足元を燃やし尽くし、ジャンヌの元へと迫る。

 だが不思議と恐怖はない。自分は十分に救われた。これ以上求めるのは高望みというものだろう。



主よ。この身を委ねます。



 ですが心だけは─

 燃え盛る業火の中ジャンヌが最後に見たのは目をそらすことなく此方を見据えるウィスの姿だった。

 途端ジャンヌの意識は暗転した。










 過去を回顧するジャンヌ。

「─。」

 此度の聖杯戦争は異常だ。ルーラーとして召喚されるはずが疑似的なサーヴァントとして現世に呼び出された。加えて自分が現在いるのは聖杯戦争が執り行われるルーマニアではなくフランスである。

 これからルーマニアに向かわなければならないだろう。

─この場にウィスがいれば─

 いや、よそう。希望的観測はいけない。ウィスに頼り過ぎだ。思えば生前もウィスに頼りすぎていたかもしれない。

 ウィスは恐らく今なおこの世界のどこかで生き続けているだろう。ウィスに寿命という概念が存在しないことは知っている。

 だが望まずにはいられない。せっかく現界したのだ。ウィスと再会し、言葉を交わしたい。いやもしかしたらウィスの方から自分に会いに来てくれるかもしれない。

 そう、物語のヒーローのように─

「困っている私を助けに来てくれたりなんて─。」

 ジャンヌの頬は妄想の余り緩みに緩む。




 そんなジャンヌの前に空から一条の光が舞い降りた。

「─。」

 現在進行形で想い浮かべていた当人の登場だ。

 タイミング

 登場の仕方 
 
 全てが完璧である。

 ジャンヌの心情は言うまでもなく天啓にうたれたかのような感動と歓喜の嵐が到来していた。

「久しぶりだな、ジャ─」

 再会の旨を此方に述べるウィス。だがウィスの言葉は感激のあまりジャンヌへと届くことはない。

 荷物を投げ出したジャンヌはウィスへと勢い良く飛びついた。
 
 

 
後書き
<ビビっと来た没案>
「──。」

やはりこの気は間違いない。

ジャンヌゥ…!!! フルフル ニィィィ…

はい、普通にキモイです。

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