| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第28話



~ハーメル廃道~



「参りましょう――――レディーライズ!!」

プリネ達と共にデュバリィとの戦闘を開始したステラは味方の集中力を高めてクリティカルヒットや回避率等を高めるブレイブオーダー―――レディーライズで自分達の集中力を高め

「雷の力よ―――瞬雷!!」

「甘いですわ!」

「そこだ―――風雷神槍!!」

「!」

デュバリィは細剣(レイピア)に雷の魔力を纏わせたプリネの強襲攻撃を回避した後、プリネの攻撃のすぐ後に放たれたフォルデの雷が迸る竜巻を盾で防いだ。

「出でよ、双子の竜巻よ―――双竜の大竜巻!!アークス駆動―――エアリアルダスト!!」

「キャアッ!?」

プリネとフォルデの攻撃を防いだデュバリィだったが、二人の攻撃の間に魔術の詠唱と戦術オーブメントの駆動を終えたステラが発動した竜巻を発生させる魔術とアーツをその身に受けてダメージを受けると共に怯み

「行きなさい―――貫通闇弾!!」

「ぐっ!?」

「滅翔槍!!」

「くっ……あうっ!?」

デュバリィが怯んだ隙にプリネは片手から貫通力のある暗黒の魔力弾を放ち、フォルデは槍でデュバリィを跳ね上げさせた後空中で追い討ちをかけて叩き落として追撃し

「崩したぜ!」

「そこですっ!」

「っ!?」

フォルデのクラフトによってデュバリィの態勢が崩れるとフォルデと戦術リンクを結んでいたステラが追撃にライフルによる射撃をデュバリィに命中させた。



「よくもやりましたわね……!オォォォォォ………ハアッ!!」

「!」

「よっと!」

ステラの追撃が終わるとデュバリィは反撃に剣に氷の魔力を纏わせて薙ぎ払うクラフト―――豪氷剣をプリネとフォルデに放ち、放たれた斬撃に対して二人はそれぞれ後ろに跳躍して回避し

「まだですわ――――喰らいなさい!」

「させねえぜ?」

「回復します!」

続けてクラフト―――残影剣でステラに襲い掛かったが、ステラと戦術リンクを結んでいるフォルデがすぐにステラのカバーに入ってデュバリィの攻撃を防御態勢でステラの代わりにダメージを受け、更にステラはリンクアビリティ―――クイックキュリアを発動して自分の代わりにダメージを受けたフォルデの傷を回復した。

「炎の力よ、我が剣に宿れ――――集炎!!」

「オォォォォォ………豪炎剣!!」

炎の魔力を細剣(レイピア)に宿したプリネの薙ぎ払いに対してデュバリィもプリネのように剣に炎の魔力を纏わせた斬撃を放って相殺し

「―――ロックオン完了。逃がしません!!」

「!!」

更にステラのライフルによる弾丸を撃ち尽くす程の連射――――アサルトラッシュに対してはすぐに盾を構えて襲い掛かる連射を防いだ。

「足元がお留守だぜ――――そらっ!」

「!?―――ぐっ!?足を狙うとは相変わらず、卑劣な真似を……!―――そこですっ!」

「おっと、あぶねぇな!」

しかしステラの連射を盾で防いでいる事で視界が盾によって若干遮られている事を利用したフォルデは懐から取り出した数本の短剣をデュバリィの足目掛けて投擲し、ステラの連射攻撃に対する防御でフォルデの攻撃に対して一瞬反応が遅れたデュバリィはフォルデが投擲した短剣の一本が足に刺さってうめき声を上げた後すぐに足に刺さっていた短剣を抜いて投げ捨ててフォルデを睨んで高速の剣技で斬撃を放つクラフト―――瞬迅剣でフォルデに反撃したが、フォルデは槍を振るって襲い掛かる斬撃波を受け流した。



「刃折る風よ、巻き上がれ――――ヘレネーの消沈!!」

「くっ、またですか……!?――――な……ち、力が……」

その時魔術の詠唱を終えたステラが闘志を奪う広範囲の竜巻をデュバリィを中心に発生させ、ステラが放った魔術に対して身構えたデュバリィだったが竜巻に込められる闘志を奪う力によって自身の闘志が奪われ、更に闘志が奪われた事で身体が重く感じて動きが鈍くなり

「闇に呑まれよ――――ティルワンの死磔!!」

「しまっ――――キャアアアアアアアッ!?」

そこに魔術の詠唱を終えたプリネが超広範囲に闇の世界を造りだし、闇に包まれた敵全員を暗黒魔力による攻撃を叩き込む暗黒上位魔術を発動してデュバリィに大ダメージを与えた。

「そんじゃ、そろそろ決めちまうか。ハァァァァァァ……!」

そしてプリネの魔術が終わるとフォルデがデュバリィに詰め寄ってデュバリィの全方位から凄まじい早さの槍舞を繰り出すと共に雷が迸る竜巻を発生させてデュバリィを宙へと上げ

「そらっ!こいつでしまいだ――――ラグナクロス!!」

「かはっ!?ぐっ……あ、ありえませんわ……!」

止めに跳躍して宙へと舞い上がったデュバリィ目がけて竜巻と雷を纏わせた槍で突進した。するとフォルデの槍がデュバリィに命中した瞬間デュバリィを中心に竜巻と雷の十字が刻み込まれて爆発が起こると共に無数の雷の刃と風の刃の鎌鼬が発生し、フォルデが放ったヴァンダール流槍術の連槍術の奥義――――ラグナクロスを受けた事によって大ダメージを受けたデュバリィは戦闘不能になり、地面に膝をついた。



「攻めますよ――――十六夜”閃陣”!十六夜――――”突”!」

「落ちよ、聖なる雷―――ライトニングプラズマ!!」

セレーネと共にアイネスとの戦闘を開始したツーヤは一時的に味方の攻撃能力を高め、更に加速させるブレイブオーダー―――十六夜”閃陣”を発動した後抜刀による突きの衝撃波を放ち、魔術の詠唱をしていたセレーネもツーヤのブレイブオーダーによって行動が加速された為一瞬で魔術の詠唱を終えてアイネスの上空から雷を落とす魔術を発動した。

「盾よ!―――吹き飛べ!地裂斬!!」

対するアイネスは闘気による絶対防壁を展開するクラフト―――秩序の盾を発動してツーヤとセレーネの先制攻撃を防いだ後反撃代わりに斧槍(ハルバード)を地面に叩き付けて発生させた衝撃波を二人に放った。

「「!!」」

襲い掛かる衝撃波を見たツーヤとセレーネは左右に散開して回避し

「砕け散れ!」

そこにアイネスが跳躍して敵の脳天を叩き割る一撃―――兜割りでツーヤに襲い掛かった。

「十六夜―――”破”!!」

「何……っ!?」

対するツーヤは自身が扱える抜刀技の中でも一撃や打撃力に優れている抜刀技を放ってアイネスの強烈な一撃を防ぐと共に吹き飛ばし、自身の攻撃を防ぐどころか吹き飛ばしたツーヤの一撃の重さにアイネスは驚きながらふっ飛ばされた後空中で受け身を取って着地した。



「聖なる水よ、奔流となり、我が仇名す者達に裁きを――――リ・カルナシオン!!」

「ぐっ!?」

そこにツーヤに注意が向かっている隙に魔術の詠唱を終わらせたセレーネが凄まじい水流のエネルギーを発生させてアイネスにダメージを与えると共にアイネスの身体をずぶ濡れにし

「まだですわ!アークス駆動――――ネメシスアロー!!」

「ガアアアアアッ!?」

続けて雷のエネルギーを解き放つアーツをアイネスに放ち、全身が水にぬれた所に雷のアーツを受けたアイネスは感電して悲鳴を上げた。

「秘技――――神速!鳳凰剣舞!!」

「く……っ!?」

セレーネのアーツによって怯んだアイネスの隙を逃さないツーヤはまさに”神速”のような早さで次々と斬撃を繰り出し、繰り出される斬撃に対してアイネスは咄嗟に斧槍(ハルバード)で防御した。

「吹き荒れよ――――ハリケーンブリザード!!

「な――――うあああああっ!?くっ……か、身体が……!」

神速の連続斬撃を終えたツーヤは続けて自身を中心に猛吹雪を発生させ、詠唱無しで魔術を発動した事に驚いたアイネスは猛吹雪を至近距離で受けると共に濡れた体に吹雪を至近距離で受けた影響で身体の一部が凍結してしまい、身体の動きを封じ込められた。

「ハァァァァァァ……―――そこっ!」

「カハッ!?」

「崩しました!」

「追撃、開始します!一瞬で決めます! 剣閃よ、唸れ!疾風のように! ヴァーテクス・ローズ!!」

そして身体が凍結した影響で動きが鈍くなっているアイネスの腹にツーヤが籠手を付けた拳による闘気を纏った一撃で怯ませた瞬間、ツーヤと戦術リンクを結んでいるセレーネがツーヤの攻撃に続くように疾風のような速さの連続突きをアイネスに叩きつけた後すれ違う瞬間蒼い薔薇を刻み込んだ!

「ガハッ!?見事……!」

セレーネが放った鋭い剣撃によって敵をバラのように散らすSクラフト―――ヴァーテクス・ローズを受けた事によって戦闘不能になったアイネスは地面に膝をついた。



「フフ………耐えられるかしら?」

レンとエヴリーヌとの戦闘を開始したエンネアは一撃で戦闘不能に陥らせる呪いの矢を連射して放つクラフト―――デビルズアローを放ったが

「うふふ、無駄よ。」

レンが闘気を込めた大鎌を振り回し、衝撃波を発生させるクラフト―――旋風大魔刃で自分達に襲い掛かる矢を吹き飛ばし

「くふっ、そっちこそこれに耐えられるっ!?五連射撃!!」

エヴリーヌは反撃に一瞬で矢を5連続に放ち

「……!っ!?」

襲い掛かる矢に対してエンネアも矢を放つ事で相殺しようとしたが、全ては相殺できず、相殺できなかった2本の矢が両方の脇腹をかすった事でダメージを受けてしまい、表情を歪めた。

「串刺しにしてあ・げ・る♪――――豪破岩槍撃!!」

「く……っ!」

エンネアが地面に着地した瞬間を狙って魔術の詠唱を終えたレンが魔術を発動するとエンネアの足元から次々と大量の岩の槍が発生し、足元からの奇襲攻撃に驚いたエンネアは回避行動に専念して紙一重で全て回避した。

「どっかーん!―――旋風爆雷閃!!」

「!――――ここからが本番よ?」

更にエヴリーヌが放った直線上に爆発を起こしながら襲い掛かって来た雷に対してエンネアは側面に跳躍して回避した後姿を消すと共に魔法反射の結界を付与するクラフト―――リフレクトミラージュで自身の姿を消した。



「あら、姿を消しちゃったわね。」

「姿を消した所で、炙り出してやればいいじゃん――――どっかーん!どっかーん!キャハッ、隠れたってムダムダ―――!」

エンネアが姿を消した事にレンが目を丸くしている中エヴリーヌは全方位に連続で魔術を放った。するとその時エヴリーヌが放った魔術がある一か所に向かうと何と反射して、エヴリーヌとレンに向かってきた!

「「!!」」

反射して自分達に向かってきた爆発を起こしながら襲い掛かって来た雷を見た二人はそれぞれ転移魔術を発動してその場から消えると共に反射してきた魔術を回避し

「もらった――――石化の雨を喰らいなさい!」

そこに魔術を反射した場所からエンネアが現れて石化効果を付与する特殊な薬を塗り込んだ矢――――メデュースアローをレン達がいた場所に放った。

「くふっ♪一気に全部潰すよ――――アビスブレイク!!凍え死んじゃえ――――氷垢螺の絶対凍結!!」

「キャアアアアアアアッ!?」

するとその時転移魔術によってエンネアの側面に現れたエヴリーヌが深淵の力であらゆる攻撃能力を上昇させるブレイブオーダー―――アビスブレイクを発動した後続けて氷垢螺凍結のまま異次元に閉じ込める魔術を発動した。ブレイブオーダーによって”魔神”である事からただでさえ莫大な魔法攻撃力があるエヴリーヌの魔法攻撃力が強化された事によって発動された異次元に閉じ込めると共に一瞬で凍死させる程の猛吹雪をその身に受けたエンネアは大ダメージを受けると共に全身が凍結し

「うふふ、逃げられないんだからっ!それっ、それっ、それ―――――――っ!!ハァァァァァ………!」

そしてエヴリーヌの魔術が終わると転移魔術でエヴリーヌとは正反対の方向に現れた後エヴリーヌが魔術を放っている間にエンネアの背後を取ったレンが全身に闘気と魔力を込めた後エンネアにすざましい乱舞攻撃を放った後大鎌に魔力を込めた。すると大鎌は魔力によって巨大化し

「クリミナルシックル!!」

巨大化させた大鎌を振り下ろすと同時にレンはエンネアの真正面に駆け抜けた!

「アアアアアッ!?油断……したわね………」

レンのSクラフトによる大ダメージを受けた事によって戦闘不能になったエンネアは地面に膝をついた。



「かかれ――――シルバーウィル!負の刃よ――――我が敵を滅せよ!!」」

リィン達と共にシャーリィとの戦闘を開始したレーヴェは(しろがね)の意志によって物理攻撃能力や身体能力を高めると共に物理絶対防壁を付与するブレイブオーダー――――銀の意志(シルバーウィル)を発動した後強力な負の瘴気を剣に纏わせて衝撃波として解き放つクラフト―――ケイオスソードをシャーリィに放った。

「おっと!さ~てと……サクッと行くよ!」

「これで終わりだ………喰らえっ!!」

襲い掛かる衝撃波を側面に跳躍して回避したシャーリィはクラフト―――ブラッドストームで反撃したがランディもシャーリィと同じ攻撃内容のクラフト―――ブラッディストームを放って相殺し

「あははははっ!今のを相殺するなんて、また強くなったみたいだね、ランディ兄!」

「テメェにだけは言われたくないぜ、この虎娘が!」

攻撃を相殺されたシャーリィはランディと数度刃を交えて互いの攻撃を相殺した後距離を取って横に走りながらランディに向かって牽制射撃を行い、対するランディもシャーリィと同じ方向に走りながら牽制射撃を行った。

「二の型・改――――裏紅蓮剣!劫!!」

「うわっ!?」

シャーリィの注意がランディに行っている隙にリィンが炎の太刀による神速の攻撃と斬撃波をシャーリィに叩き込んでシャーリィにダメージを与えると共にシャーリィの態勢を崩し

「崩した!」

「妖の型――――沙綾身妖舞!!」

「っ!?」

シャーリィの態勢が崩れるとリィンと戦術リンクを結んでいたアイドスが続けて目にも止まらぬ高速剣の連続斬撃を一瞬でシャーリィに叩き込んでシャーリィから距離を取り

「―――疾風突!!」

「!く………っ!?」

アイドスの攻撃が終わるとレーヴェが疾風のごとき素早さでの突進で突きを繰り出し、対するシャーリィは自身の得物で防御したがレーヴェが放った攻撃の威力の重さと早さによって再び態勢を崩し

「崩れた!」

「そこだっ!」

「!!」

レーヴェと戦術リンクを結んでいるランディが追撃にブレードライフルによる連続射撃を行うとシャーリィは側面に跳躍して追撃を回避した。



「あははははっ!灰色のお兄さんや剣帝もそうだけど、ランディ兄や”嵐の剣神”にそっくりのお姉さんも容赦がなくていいねぇ!もっとシャーリィを愉しましてよぉ!」

シャーリィは反撃にクラフト―――フレイムチャージをリィン達に放ったが

「―――甘い!」

「わっ!?」

レーヴェは魔剣から凄まじい気流―――零ストームを巻き起こして襲い掛かる火炎放射を吹き飛ばすと共にシャーリィにダメージを与えた。

「ほーらよっ!!」

「っと!そんじゃ、今度はこっちの番だよぉ!?」

ランディが投擲した炸裂弾を回避したシャーリィはランディに向かってブレードライフルで連射し

「ハッ、テメェの番なんてあるかよ!」

対するランディもブレードライフルを連射し

「どりゃっ!」

「オラアッ!」

二人は連射を終えた後それぞれ同時に詰め寄って十文字斬りを放って互いの攻撃を再び相殺した。

「緋空斬!!」

「星よ、走れ――――星光地烈斬!!」

「空を断つ!!」

ランディとシャーリィが互いの同じ技――――ブラッディクロスで相殺して互いが距離を取った瞬間、リィンが炎の斬撃波を、アイドスは星の光を宿す衝撃波を、そしてレーヴェは凄まじい早さの衝撃波をシャーリィの3方向から放った!

「よっと!あはははははっ!」

一斉に襲い掛かって来た3方向からの遠距離攻撃に対してシャーリィは人間離れした動きで高く跳躍し、そのまま空中でライフルによる掃射をした。

「無駄だ!」

自分達の頭上から襲い掛かって来た無数の銃弾をレーヴェは再びクラフト―――零ストームを放って全て吹き飛ばし

「二の型―――大雪斬!!」

「おっと!―――わあっ!?」

レーヴェがシャーリィの攻撃を無効化するとリィンが跳躍して落下していくシャーリィ目がけて静かなる闘気を宿した太刀を振り下ろし、対するシャーリィは自身の得物であるブレードライフルで防御したが神剣によるリィンの剣技(クラフト)の威力はあまりにも凄まじく、防御した態勢のまま地面に叩き落された。

「輝け、星よ――――星光紅燐剣!!」

「あうっ!?」

そこにアイドスが逃げ場のない超広範囲の星の光を宿らせた高速剣による衝撃波を放ってシャーリィにダメージを与え

「外さないぜ―――そこだっ!」

「!……っ!?」

アイドスの攻撃が終わるとランディがシャーリィの起動力を奪う為に狙いを定めた部分に銃弾を集中攻撃させるクラフト―――スナイプラッシュでシャーリィの足に狙いを定めて集中攻撃し、ランディの集中射撃を回避する為に咄嗟に側面に跳躍して回避したシャーリィだったが、いくつかの弾丸はシャーリィの足をかすった。



「あはははははっ!やるねぇ、ランディ兄!でも……このくらいじゃ、シャーリィは止められないよ!行くよ―――テスタ=ロッサ!」

銃弾がかすった部分から血を流しながらもシャーリィは一切気にせずブレードライフルを構えて魔法陣を展開した。すると魔法陣から弾丸が現れ、シャーリィがブレードライフルのトリガーを引くと次々とリィン達目がけて襲い掛かった。

「させるか!伍の型――――光輪斬 !!」

自分達目がけて襲い掛かる弾丸を見たリィンは前に出て抜刀による刀気の輪を繰り出して襲い掛かる弾丸が自分達の元に到着する前に全て空中で炸裂させて無効化した。

「さあ―――上げて行くよっ!!」

そしてブレードライフルの刃の部分に炎の闘気を宿したシャーリィがリィン達に突進して一閃したその時!

「斬の型―――紅燐舞華斬!!」

「え―――――」

「今だ!――――行くぞ、ランディ!!」

神剣に闘気を溜め込んだアイドスが人間離れした動きでリィンの前に出て一閃をしてシャーリィのブレードライフルを真っ二つに斬り、自身の得物が真っ二つに斬られた事にシャーリィが呆けるとリィンはランディに呼びかけ

「おっしゃあ!任せとけ!」

リィンの呼びかけに頷いたランディはシャーリィを斜め挟み撃ちにした後ブレードライフルを振るって竜の姿をした炎の衝撃波を、リィンは太刀を鞘に収めた後抜刀による鳳凰の姿をした炎の闘気エネルギーを放った後ランディはブレードライフルに炎の竜を纏わせ、リィンは抜刀した太刀にそのまま”鳳凰”のオーラを纏って二人同時に斜め十字(クロス)に突撃して自分達が放った斬撃波や闘気エネルギーがシャーリィに命中した瞬間間髪入れずにシャーリィの背後を駆け抜けた。



「「龍凰――――絶炎衝!!」」



二人が敵の背後へと駆け抜け終えるとシャーリィを中心に炎の大爆発が起こると共にシャーリィの周囲は凄まじい炎に包みこまれた!

「うあっ!?アハハハハハハッ!”赤き死神”と”灰色の騎士”の協力技をシャーリィに躊躇う事無く使うなんて、さすが1年半前の件で敵に”容赦”をしなくなったランディ兄と灰色のお兄さんだねぇ!けど、それでもシャーリィはそう簡単に狩る事はできないよぉ!?」

炎竜と鳳凰による炎で敵陣を焼き尽くすランディとリィンの協力技(コンビクラフト)――――龍凰絶炎衝による全身に痛々しい火傷や無数の切り傷がありながらシャーリィは凶悪な笑みを浮かべてランディとリィンを見つめて叫び

「やれやれ……痩せ(ヴァルター)ですらもこれ程の狂気は宿していなかったが……まあ、本質は似ている奴と気が合うのは間違いないだろう。奴と会えるように”次”で貴様を冥府へと送ってやろう。」

「―――哀れな人。これで全て終わらせましょう。」

シャーリィの様子を見たレーヴェは呆れた後目を細めて魔剣を構えなおし、シャーリィを憐れんだアイドスも神剣を構えなおして二人はそれぞれ大技を発動した!

「受けてみろ……風鎌の奥義―――――ハートヴェイル!!」

「飛燕剣奥義――――飛燕―――姫神恍舞!!」

「あ―――――」

そしてレーヴェとアイドスはまるで瞬間移動したかのような人間離れした動きによる速さで一瞬でシャーリィに詰め寄ってそれぞれの剣を振るって神速の無数の斬撃を叩き込んでシャーリィの背後へと駆け抜けてそれぞれの剣を一振りすると、何とシャーリィはレーヴェとアイドスが刻み込んだ無数の斬撃によって全身から血が噴出した!

「あはは……は………さすがにこれ以上は……無理……かな………まさか再デビューのつもりが退場させられることになるなんてね………あ~あ……こんな事だったら……さっき”猟兵王”と殺り合えばよかったな……けどま、リーシャの時以上に楽しめたからいい……や…………………………」

全身から血を噴出させながら地面に倒れたシャーリィは大量の血を失った事と急所をつかれた事によって自身が”死”に近づいている事を自覚して様々な想いを口にした後最後は満足げな笑みを浮かべて絶命した!



「ったく、戦いの果てに満足して死ぬとかあの虎娘らしい最後だな………」

「ランディ………」

「「……………」」

シャーリィが絶命する様子を見守った後複雑そうな表情で呟いたランディの様子をリィンは辛そうな表情で見つめ、レーヴェとアイドスは静かな表情で自身の武器を収めた。

「ランディ先輩……リィン教官………」

「ユウナさん………」

「……これが、”互いの命を奪い合う本物の実戦”、か………」

一方リィン達の戦いを見守り、シャーリィの絶命を見て複雑そうな表情を浮かべるユウナをアルティナは心配そうな表情で見つめ、クルトは重々しい様子を纏って呟き

「結局”紅の戦鬼”には届く事ができず……”勝ち逃げ”されちゃったか………」

「フィー………」

「リィン……」

「………チッ、どうやら向こうも終わったようだが………何であいつらの方は止めを刺していないんだ?」

複雑そうな表情でシャーリィの死体を見つめて呟いたフィーの様子をラウラは心配そうな表情で見つめ、エリオットは辛そうな表情でリィンを見つめ、アガットは舌打ちをした後既に戦いを終えているレン達の様子を見て、”人を殺す事を楽しむ悪癖”があるレンやエヴリーヌと戦ったデュバリィ達が生きている事を不思議に思い、眉を顰めてレン達を見つめた。



「まさか………あのNo.ⅩⅦが………」

「No.Ⅱのみが相手ならば単独での撤退も可能だったかもしれないが、”灰色の騎士”を始めとしたNo.ⅩⅦと互角―――いや互角以上に渡り合う使い手が4人もいては、幾らかの”闘神”や”戦鬼”と同じ”狂戦士(ベルセルク)”の血を引くNo.ⅩⅦといえど、分が悪かったという事だろうな……」

「く……っ!よくもNo.ⅩⅦを……!貴女達メンフィルはわたくし達”結社”からどれだけのものを奪えば気がすむのですか!?メンフィルがいなければわたくし達”結社”は”残党”と呼ばれる程の惨めな存在になっていませんし……それにマスターも……っ!」

シャーリィの絶命を見たエンネアは信じられない表情をし、アイネスは重々しい様子を纏って呟き、悔しそうな表情で唇を噛みしめたデュバリィはレン達を睨みつけた。

「まあ、メンフィルがいなければ”身喰らう蛇”は衰退していない可能性については一理あるから、否定はしないけど………”身喰らう蛇”は設立から様々な”表”の人達に迷惑をかけたり、リベールの異変やエレボニアの内戦、そしてクロスベル動乱のような国家の一大事になる大事件になる重犯罪を犯し続けていたのだから、いつかその”報い”が自分達に返って来る事はありえないと本気で思っていたのかしら?」

「……っ!」

「……”報い”、か。確かに我等結社が今まで行った行為は世間一般からすれば、義に反した行為だな……」

「もしかしたらマスターが離反した理由の一つは”マスターの生まれ変わりであるもう一人のマスター”がそのような行為を犯し続ける結社を許せなかったからかもしれないわね……」

不敵な笑みを浮かべたレンの正論に対して反論ができないデュバリィが唇を噛みしめて黙り込んでいる中アイネスは重々しい様子を纏って呟き、エンネアは複雑そうな表情で呟いた。



「どうやらその口ぶりですと”鉄機隊”の方達も分校長がシルフィア様の生まれ変わりである事もご存知のようですわね……」

「まあ、シルフィアお姉さんの性格を考えたら長年”もう一人の自分”が面倒を見てきた”鉄機隊”に自分の事を教えてもおかしくないわよ。―――さてと。プリネお姉様。」

「ええ。―――――今転移封じの結界を解除しました。貴女達の転移の魔導具の使用も可能になっていますから、今ならば貴女達の転移の魔導具も正常に起動して撤退できるはずです。”今回は”これ以上追撃するつもりもありませんから、安心して撤退してもらって構いませんよ。」

セレーネが呟いた言葉にレンは自身の推測を答えた後プリネに視線を向け、視線を向けられたプリネは懐から何らかの装置を取り出して操作をした後デュバリィ達に撤退を促した。

「なあっ!?わたくし達をわざと見逃すつもりですか!?」

「一体何の真似かしら?貴女達メンフィルは私達―――”結社”の残党を全て”狩る”為に貴女達が”灰色の騎士”達の援軍に現れたのではなかったのかしら?現にNo.ⅩⅦを狩ったのに、何故……」

レン達が自分達をわざと見逃そうとしている事を知ったデュバリィは驚き、エンネアは警戒の表情でレン達に問いかけた。

「シルフィアさ―――いえ、リアンヌさんとの”約束”です。」

「マスターとの”約束”だと……?」

ツーヤが呟いた答えを聞いたアイネスは眉を顰め

「リアンヌ様が”結社”や”盟主”に対する”義理”を果たしてようやく”シルフィア・ルーハンスの生まれ変わりとして”お父様の元に現れ、結社からの脱退並びにメンフィルへの転属を申し出、その申し出をお父様が受け入れた時にリアンヌ様がお父様達に嘆願したのです。――――『盟主討伐後、結社が衰退もしくは崩壊後、”鉄機隊”が義に反した行為を犯した場合、一度だけ見逃して欲しい』と。」

「ちなみにお前達を一回だけ見逃して欲しい理由はシルフィア……じゃなかった。リアンヌの存在を支えにしているお前達の元から去った”詫び”だってさ。」

「え…………」

「マスターがそのような事を………」

「…………………」

プリネとエヴリーヌの説明を聞いたデュバリィは呆け、エンネアとアイネスはそれぞれ重々しい様子を纏っていた。



「そしてその嘆願をお父様達が受け入れ、今回私達は貴女達を討たず、撤退を許す結果となりました。それと――――昨夜の第Ⅱ分校の演習地への襲撃の件を知ったリアンヌ様から私達に貴女達への伝言も伝えられています。」

「マスターが貴女達に………どのような内容なのですか?」

プリネの話を驚きの表情で聞いていたデュバリィは続きを促した。

「『”アリアンロード”を失った貴女達が、”迷い”や”戸惑い”等の様々な”想い”、そして今までアリアンロードと共に世話になっていた結社に対する”義理”を果たす為に衰退した結社”身喰らう蛇”に残っている事も想定していました。貴女達にそのような選択をさせた全ての”元凶”は私でありますから、その事について責める権利は私にはありません。ですが”今の私”は結社”身喰らう蛇”に―――”盟主”に忠誠を誓っていた”鋼のアリアンロード”ではなく、リウイ・マーシルン前皇帝陛下とイリーナ・マーシルン皇妃殿下が目指す”全ての種族との共存”という理想に共感して御二方に心からの忠誠を誓ったシルフィア・ルーハンスの生まれ変わりであるリアンヌ・ルーハンス・サンドロッドです。我が忠誠を捧げた御二方が建国し、御二方の意志を受け継ぐメンフィル帝国に刃を向け続けるのならば、一度は見逃しますが”二度目”はありません。今後の結社の”実験”にも関わるのならば、かつて貴女達を見出した張本人としての責任を取る為に、私自らが”灰色の騎士”の”要請(オーダー)”の補佐の一人として彼に同行し、未だ結社に残り続ける貴女達の意思を聞き、その意思が結社に殉じるものならば私自らの手で貴女達に引導を渡しましょう。』―――――以上です。」

「マス、ター…………」

「「………………………」」

「クッ……分校長は一体何を考えているのだ……!?全く理解できん……!」

「クク、さすがは”軍神(マーズテリア)”の伝説の聖騎士の生まれ変わりだけあって、筋が通っている上厳しいねぇ。」

「えっと………ランドロス教官は分校長の事について何かご存知なのですか……?」

「さぁてなぁ。オレサマ自身は”シルフィア・ルーハンスという聖騎士”も、”鋼のアリアンロードという結社の蛇の使徒”とも会った事がないから、知らないぜ?」

「話には聞いていたがまさか本当に結社の”蛇の使徒”にあの聖騎士が生まれ変わっていたなんてな……」

「?アガット殿はサンドロッド卿が結社からメンフィル帝国に転属した理由をご存知なのか?」

「ああ……まあ、その件も後輩たちからの又聞きだがな。」

プリネを通したリアンヌ分校長からの伝言にデュバリィが呆然としている中エンネアやアイネスは辛そうな表情で黙り込み、ミハイル少佐は疲れた表情で呟き、ランドロスがふと呟いた言葉が気になったトワはランドロスに訊ねたが、ランドロスは口元に笑みを浮かべて答えを誤魔化し、自分がふと呟いた言葉を聞いたラウラに問いかけられたアガットは静かな表情で答えた。



「…………マスターからの伝言、確かに聞き届けましたわ。”敵”である私達にわざわざマスターからの伝言を伝えた事に関しては感謝致しますわ。―――行きますわよ、エンネア、アイネス。」

「ええ……」

「承知。」

そして気を取り直したデュバリィはエンネアとアイネスに視線を向けた後二人と共に転移の魔導具を発動させ

「――――わたくし達との雌雄の決する時が来るまで、わたくし達以外の結社の他の残党を含めた様々な勢力に負ける事は絶対に許しませんわよ、”特務部隊”と”旧Ⅶ組”。」

ある意味リィン達に対する激励の言葉にもなる言葉をリィン達に伝えた後転移の光に包まれてその場から消えた―――――


 
 

 
後書き


という訳でシャーリィは1章にて退場しちゃいました(黒笑)なお、2章でも敵キャラが退場しちゃう予定です(黒笑)2章で敵キャラを退場させるとんでもないキャラはホント誰でしょうねー。(目、逸らし)2章の演習場所を考えると幻燐勢に加えて戦女神に神採り、魔導巧殻と創刻陣営の登場も容易ですからねぇww
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧