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提督はBarにいる。

作者:ごません
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艦娘とスイーツと提督と・21

 
前書き
 はい、今年も始まりましたホワイトデー特別企画!今年でもう3年目、始めた頃より艦娘の種類も大幅に増えております。毎年やってたら全員出すのは不可能に近いですね、えぇwですがそんなの関係ねぇ!とばかりに始めていきたいと思います! 

 
~不知火:カ〇リーメイト~

「あ~……不知火?」

「何でしょう?司令」

 食べる手を止めた不知火がはて?と首を傾げている。

「リクエストされたから作ったが……本当にそんなんで良かったのか?」

「勿論です。しかし手作りとは思えません、これほどの再現度とは……」

 そんな事を呟きながら、不知火は再びブロック状のクッキーを食べる事に集中していく。今年のスイーツチケット、いの一番に持ってきたのは不知火だった。リクエストは『カロリー〇イト』。そう、あの栄養機能食品として近頃はドリンクやゼリータイプの物も出ているアレだ。それを不知火はさっきから、飲み物も飲まずにモシャモシャと食べている。

「ふぅ……大変結構なお味でした。司令、ありがとうございます」

 皿の上のカロリーメ〇トを食べ尽くした不知火は、口の周りの食べ滓をハンカチで拭っている。

「まぁ、再現レシピが調べたらあったんでな。それを真似して作っただけさ。市販品を買ってきて並べるだけ、ってのは味気無いしな」

 基本はクッキー……というかショートブレッドを作るのと大差無かったので、そこまで難しくもなかった。ただ、味の再現がちょっとな。

「成る程……しかし、本物のカロリーメイ〇だと大豆プロテインが入っていたと記憶していますが?」

「あぁ、再現レシピで大豆プロテインを使うと1本当たりのカロリー量が高くてな。なるべく抑えるのにおからで代用している」

 ブロックタイプのカロリーメイトは、1本ちょうど100キロカロリー。味の再現だけでなく、カロリー量も気にして再現してみた。




「しかし……作ってもらっておいて何ですが、不知火には今不満が溜まっております」

「ん?何か不味かったか。一応味見した時には結構上手く出来てると思ったんだが……」

 一応初めて作る再現レシピだったからな。念入りに味見をしつつ、配合を変えて納得の出来る味に仕上げたつもりだったが。

「いえ、味の方には文句の付けようが無いのです。不満があるのは種類の方です」

「え、種類?一応一番人気のチョコと定番のチーズ味を作ったんだが……」

 そう言うと不知火は崩れ落ちて、床を拳でドンドンと殴り付け始めた。

「何故っ!フルーツ味を!用意してくれなかったのですか!」

「え、フルーツ味?え~……だってアレそんなに美味くねぇだろ?それに、不知火ああいう味の奴嫌いかと思ったんだよ」

※フルーツ味が不味いかどうかは、あくまで個人的意見です。

「な、何という……何という事を…………」

 不知火はこの世の終わりが訪れた!位のテンションでリアルにorzとなっている。そこまで落ち込むか。

「そんなに好きだったのか……フルーツ味」

「カロリーメイトの中ではあれが至高です。栄養補給としても優れていますし、デザート的な側面も味わう事が出来る素晴らしい品です」

「お、おぅ」

 何か物凄ぇ力説されたんだが。

「それを蔑ろにするとは……嗚呼…………」

「あ~、不知火?一応フルーツ味用の材料も準備してあるんだが?待てるんなら今から作ってやrーー」

「待ちます。何時間でも待ちます」

「というかこの為に今日は有給取って休みにしてあります、時間は幾らでもありますので作ってくださいこの通りです」

 ドゲザである。そんなに食いたいか、カロリーメイト(フルーツ味)。






「しかし……何でそんなにカロリーメイトにハマったんだ?」

「えぇと、それはその……不肖この不知火、夜警中にお腹が鳴ったのがキッカケでして」

「は?いやいや待て待て、意味が解らんぞ」

 詳しく話を聞くと、随分前の話になるが、夜間の警備当番の際に夕食を食べそびれていた不知火の腹が豪快に鳴ってしまったらしい。それを同じく警備を担当していた神通に聞かれたと。

「その時、神通さんが『腹が減っては戦は出来ませんよ?』と差し出してくれたのがカロリーメイトだったのです」

 成る程ねぇ……神通の奴は訓練や戦闘に関しては鬼だが、普段は面倒見のいいお姉さんキャラだからな。

「それから、不知火は学びました。『腹が減っては戦は出来ぬ』と。なので携帯もしやすいカロリーメイトを懐に忍ばせるようになり、それを食べていく内にその味の虜になってしまいました」

「まぁ、自分なりに作戦行動がしやすいように考えるのはいいことなんじゃないか?」

 そんな会話を交わしながら作っていた『再現版カロリーメイト(フルーツ味)』の生地が出来た。後はこいつを成型してカットして、オーブンで焼き上げるだけだ。焼き上がりを待つ間に不知火にレシピを渡せるように書き出しておくか。



《再現してみよう!カロリーメイト》

・薄力粉:160g

・おから:40g

・砂糖:50g

・ココナッツオイル:50g

・アーモンドダイス:10g

・塩:ひとつまみ

・牛乳:大さじ3

※何味にしたいかによって入れる物が変わります

チーズ味なら粉チーズ:20gを、

チョコ味ならココアパウダー:10gを、

フルーツ味ならマーマレードやお好みのドライフルーツ:60g
を、それぞれ加えて下さい。



~作り方~

 1.ココナッツオイルと砂糖を混ぜ合わせ、軽く練っておく。

 2.練ったココナッツオイルに粉類を全てふるい入れ、よくかき混ぜる。(この段階では生地が纏まらず、ボソボソの状態)

 3.牛乳を少しずつ加えながら更に練る。(ここで生地を纏める)

 4.ビニール袋などに入れて、1cmの厚さの長方形に綿棒などで延ばす。包丁でカットし、竹串の尖っていない方で穴を開けると一層本物っぽくなる。

 5.冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。寝かせなくてもいいが、寝かせた方がしっとりした焼き上がりに。

 6.180℃に余熱したオーブンで15分焼く。焼きすぎると、あのソフトクッキーのような食感にはならないので焼きすぎ注意!

 7.焼き上がったらオーブンから取り出し、冷ます。焼きたてもサクサクしていて美味いが、冷ました方がよりカロリーメイトに近い食感になる。




「焼けたぞ、再現版・カロリーメイト(フルーツ味)だ」

「ありがとうございます、司令……!」

 食べやすいようにと小さめにカットした奴を、両手で持ってハムハムやっている姿を見ていると、何だかハムスターっぽい。普段はその鋭い視線で猛禽類っぽいが、こういう姿を見ていると、雪風の姉妹なんだなぁとしみじみ思うわ。

「どうしました、司令?不知火の顔に何か?」

「……食べ滓だらけだぞ」

 じっくり顔を眺めていたのがバレたらしい。それを誤魔化そうと顔が食べ滓だらけなのを指摘してやると、顔を赤くしてワタワタしながらハンカチで口元を拭っている。ギャップ萌えって奴なのか、普段厳めしい顔をしてる奴のこういう顔って堪らなく可愛らしく見えるんだよな。

「ま、カロリーメイトも逃げねぇし、他の奴に見られる訳でもねぇんだ。ゆっくり味わって食え」

 そう言って頭を撫でてやる。それに対して不知火は顔を紅くしながら、

「あの……司令に見られるのが、一番、恥ずかしい……です」

 と呟いた。完全に不意打ち食らった。クッソ可愛いじゃねぇか。

 
 
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