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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)

作者:あちゃ
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第十七話:イライラは美容の敵。でもイライラを納めるのは難しいので、その他の美容の敵を排除する。

 
前書き
♫西から昇ったMS(マスタードラゴン)が♪
♫東へ落ちる~♪「え~、メラゾーマ命中!?」
♫これでいいのだ~♪「いいのか?」
♫これでいいのだ~♪「いや、ダメだろ!」
♫ポンポン ウルポン ウルポンポン♪
♫天才宰相 ウ~ルポンポン♪「ウルポンって呼ぶな」

♫眼鏡をかけてヒゲはやす♪
♫だから~ヒゲメガネ~♪「そんな安直な!」
♫これでいいのだ~♪「まぁいいのかな?」
♫これでいいのだ~♪「どうでもいいや!」
♫ポンポン ウルポン ウルポンポン♪
♫天才宰相 ウ~ルポンポン♪「ウルポンって呼ぶな」

♫見たまま風景を描く♪
♫これが名画だぞ~♪「そんな訳ねーだろ!」
♫これでいいのだ~♪「絶対ダメだね!」
♫これでいいのだ~♪「よくねぇよ!」
♫ポンポン ウルポン ウルポンポン♪
♫天才宰相 ウ~ルポンポン♪「ウルポンって呼ぶな」 

 
(マイエラ地方・マイエラ修道院~ドニの町)
ウルフSIDE

「イオナズン!」
俺の発声により、爆音と共に地形がえぐれザコ中のザコモンスターが吹き飛ぶ。
神の名を語った馬鹿共の巫山戯た対応で、俺の怒りはザコに八つ当たりした程度じゃ収まらず、後方でアハト君等が引き攣った表情で見学している。

いや……八つ当たってるつもりは無いのだけど、直ぐにでも宿屋に行きたい俺は、彼等の稚拙な戦闘を眺めている余裕がなくなっている。
ゼシカさんに『魔法使いは常に冷静で居なくては……』と言った手前、直ぐにでも落ち着きを取り戻したいのだけど、リュリュさんの冷たい視線が俺を暴走させる。そんな目で見るなよ!

アンタの親父も、ああいう手合いが大っ嫌いなんだぞ。
お布施(寄付金)の総額に応じて税率を大幅に上げたし、教団の規模等でも税率を上げてる。
その所為で経営が傾き潰れた団体も数多い。
何時ぞやのシージャック犯も、そんな教団の一つだったし……

基本的に宗教団体の収益ってのは信者からの寄付だけだ。
普通の会社で言えば、社員から寄付を受けてる事になる。
普通の会社なら、利益の一部を社員に還元(給料)されるけど、宗教団体の利益は信者からの寄付金だから、それを還元するって意味ないんだ。

だから寄付金を使わないと貯まる一方で、総資産において定められる税金額が莫大になり大変な事になるのだ。
だからと言って設備投資(ご神体や教会の増改築)に費やしたって、総資産が大きくなるだけで問題解決にはならない。

リュカさんが国王に就任した直後くらいは、まだ国内も不安定で孤児や浮浪者の類いが数多く存在したから、それらを養う事で宗教団体も税率と収益の狭間でバランス良く存在してたけど、“革命王”とか“改革王”とか呼ばれてるリュカさんのお陰で、国内は頗る安定。

皮肉な事に世の中が平和になった所為で、神様へ祈りを捧げる宗教団体(一部例外あり)の存在が危うくなってる。
しかも収益を本来より少額に偽り、所謂脱税行為をした場合、バレれば膨大な罰則金と禁固刑が待っている。

現グランバニアでは国王が財務大臣を兼業してる為、覆面税務職員と言うのが存在する。
簡単に言えば“無垢な一般人を装い、宗教団体に莫大な寄付をして、正直に申告してるかを確認する”存在が居るんだ。性格悪いだろ?

あれ?
よく考えたら、俺がシージャック事件に巻き込まれたのもリュカさんの所為じゃね?
そう気付いたらまた腹立ってきたぞ!

「ベギラゴン!」
新たに現れたモンスター目掛け、怒りのベギラゴンをお見舞いする。
ちょっと近くの大木も燃やしちゃったけど、見なかった事にしよう。(ちょくちょく魔法を暴走させるマリーの気持ちが解ってきた)

あぁ……またリュリュさんが俺を白い目で見てる。
やめろ! そんな目で俺を見るな!
この考え方はリュカさん仕込みなんだ!

だって例の不良軍人等の件でも、リュカさんはブチ切れてたし……
そう……リュカさんは弱い者虐めをする輩が大っ嫌い。いや、もしかしたら大好きかも……だってリュカさんの趣味の一つに“弱い者虐め苛め”ってのがある。

言葉だけ聞くと何だかよく解らないけど、要は“弱い者を苛める者を虐める”事だ。
あの修道院の騎士等も、俺達が逆らえない弱者だと思ったから、横柄な態度で接してきたんだと思う。それってやっぱり弱い者苛めだよ。

そう考えたら頭きたね。
気付いたらあんな大嘘まで吐いてたよ、ははは……(汗)
慌てて寄付金の話しにすり替えたけども、連中は大急ぎで真偽を確かめるだろうなぁ……

バレたら如何なるだろう?
別に違法な事はしてないと思うし、問題無いか?
本物の大臣にチクられたら大問題になりそうだな。

バレる前にこの地を離れた方が良いな。
うん、そうしよう。
イライラの所為で思考も纏まらないし、町に着いたら即座に宿屋で寝て、明日の朝一に出発だ!






(マイエラ地方・ドニの町)

「今日はもう疲れた。サッサと宿屋で休もうぜ」
弱小モンスター等に八つ当たりをして少しは気分が晴れてきた俺は、計画通り宿屋へ直行する事を提案する。

「ちょ、ちょっと待ってよ。流石に食事くらいは済ませましょうよ。結構な時間になってしまったけども……ほら、直ぐそこの酒場はまだ営業中よ。多少なりとも空腹を満たさないと、眠れないわ」

元を正せばゼシカさんが強行軍を希望した為、夕食時間が大幅にずれ込んだのに、そんな事を忘れたかの様に俺の提案を却下する。
正直、俺はイラつきで腹が減ってない。

イライラは美容の大敵だし、少しでも早く明日を迎えてこの地から逃げたいから、ゼシカさんの意見を無視したいけど、アハト君等も空腹で辛いらしく、彼女の意見を支持。
よく考えたら皆一緒に行動する必要も無いので、空腹組(俺以外)は酒場で食事、イラつき組(俺だけ)は素早く就寝。これで良いと思うね。

と言う事を伝え、連中と別れた俺は、サッサと宿屋で眠る。
あぁ……こんな時にマリーが居れば、今夜は寝かさないのになぁ。






「やぁ、おはよう」
しこたま早起きした俺は、昨晩からの空腹を今更ながら感じ出し、24時間営業の酒場(昨晩空腹組が食事した店)に入り、一人で朝食を開始……食べ終わりそうになった頃、アハト君を先頭にゼシカさん等も登場。因みにラングとリュリュさんは、まだ寝てるらしい……アイツ等ヤってるんじゃないだろうな?

「おはようじゃないわよ……朝食食べるなら、誘ってくれても良いんじゃないの?」
初めて入る酒場だが、外装と内装のミスマッチが激しい。
……何て言うのかな? 外装は立派なんだけど、内装がボロボロなんだ。これが流行なのか?

「朝も早かったし、皆を起こしちゃ悪いと思ったんだよ。昨日はイライラして皆に迷惑を掛けたから、気を遣ったんだよぉ」
ボロボロの店内から、辛うじて使えそうな椅子を運んできて、俺の座るテーブルに着くゼシカさん等。そして適当に食い物を注文……

「まぁそういう事なら別に良いけど……それよりも、今日はまたあの修道院へ行くわよ」
座った椅子の脚がガタ付いてるらしく、頻りに気にしながら俺の計画とは真逆の事を言い出したゼシカさん。ふざけんなよ、あんな大嘘付いた場所に再度行けるかっての!?

「嫌だよ。あそこ嫌いなんだ」
どうして行かなきゃならないのか?
きっと説明してくれるんだろうけど、絶対に拒絶の方向で丸め込もう。

「昨晩の事なんだけど、ウルフと別れて食事の為にこの店に入ったら、例の修道院の騎士が、この町の荒くれ者と賭けポーカーをしてたのよ。私もあの修道院が気に入らないから、その騎士に『宗教者が賭け事していいわけ?』って話しかけたら、荒くれ者がその騎士のポーカーがイカサマだって因縁付けて、それを宥めようとヤンガスが『賭け事には負けるときもある』って言ったら、私達まで奴の仲間だと思われて、大乱闘になったの」

「待て待て待て……色々ツッコみたい事がある。何で話しかけた途端にイカサマだと因縁付けられたんだよ? それから何でヤンガスは宥めようとしたんだよ!? そしてどうして仲間だと勘違いされてるんだよ!」

「し、知らないわよ……馬鹿の考える事なんて解る訳ないじゃない!」
「そうでがすよ。負けが込んでる連中は、何らかに八つ当たりしたくて仕方ないでげすよ」
「賭け事なんかしないから解らんな……はっ、まさかその騎士が賭け事してたって修道院にチクる為だけに再度訪問しようと考えてるんじゃないだろうな!?」

「そんな訳ないでしょ! 乱闘が始まって直ぐに、アハトが私の手を引き裏口から避難したの。その際にうっかり私がその騎士の手を掴んでしまい、其奴も一緒に裏口から脱出して、その時に騎士が『イカサマが正式にバレる前に、逃げ出させてくれてありがとう』って言って、私の手にこの指輪を握らせたの!」

「ほうほう……で、惚れちゃったから、修道院に逢いに行こうってのか?」
「ふざけないで! 私は兄様みたいに真面目な男が好みなの。あんなナンパ野郎はお断りよ」
乳の大きさは正反対だけど、義理の兄嫁と同じ事を言ってるな。

「何でそんな好みじゃ無い男からのプレゼントを素直に受け取ったんだよ? その場で突っ返せば良かったじゃんか!」
「返すタイミングを失ったのよ! あいつ私に指輪を握らせながら、そのまま手にキスしようとしたのよ! しかも口説きながら。思わず手を振り払って後退りしたら、そのまま名を名乗って行っちゃったのよ」

「なるほどねぇ……でも名を名乗られたんなら、サッと修道院に行ってその男を呼び出してもらって突っ返せば良いんだな?」
「そうよ。だからウルフは行きたくないだろうけども、もう一度修道院に行って指輪を返す事に文句を言わないで」

俺はここに残るから、お前等だけで行け……って言おうと思ったんだけど、ゼシカさんが上目遣いで胸の谷間を強調させながらお願いしてきたから「わ、分かった」って言っちゃった。参ったなぁ……ゼシカさんって可愛いんだよなぁ、こう言うときリュカさんなら迷わず喰うんだろうな。

「と、ところで……その男の名前は?」
「え~っと何だったけ?」
おいおいシッカリしてくれよ……余計に可愛く見えるだろ。

「確か『ククール』って言ってましたよ」
「流石アハト! よく憶えてたわね」
……ククール?

それって確か、あのデコっぱちの腹違いの弟じゃ無かったけ?
また面倒事の始まりか……?

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
報告書

現在、歌い継がれる『天才ウルポン』の歌は、
今をときめく歌姫マリー嬢が、城内を闊歩してる時に口ずさんていた歌です。
それを聴いたメイド等を中心に、グランバニア各地へ伝染していき、
我等が宰相閣下の偉大さを知らしめる事になりました。

なお、この歌を聴いた国王陛下は、
「ウルポンのパパなのだぁ」と言っていたそうですが、意味は不明であります。

報告者:総参謀長レクルト・タウマン大将 
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