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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第九十話

「<坊主、飯だ>」

「<ん、あんがとオータム>」

あれから、ハイエースは何処かの地下施設に入った。

そして、車から降りた俺は地下牢のような所に突っ込まれた。

「オリムラ・イチカ、なんで逃げなかった?」

「あれ?日本語話せたの?」

「ああ…まぁな。
お前、ロープに細工したのに何故逃げなかったんだ?」

「なんでだと思う?」

「わかんねぇから聞いてんだよ」

「まぁ、その内わかるよ」

メシ(何故か日本の缶詰と炭酸水だった)を食い終わると、オータムが空缶を持って何処かへ行った。

「ふぅ…」

一息つき、メティス・サイト施設のマップを確認しながら、情報を得る方法を考える。

まぁ、既にいくつかの手はうってあるのだが、やはり自分で動きたい物である。

あと、とても気になる物も見つけた。

考えていると、今度はスコールが来た。

「<坊や>」

「今度はあんたか、SQUALL」

鉄格子の向こう側のスコールを見据える。

「あら、やっぱり寝てなかったのね」

ん…?

「まぁ…いいわ…。
で…?貴方があっさりと私達に捕まった理由。
そろそろ教えてくれないかしら?」

「オータムも同じ事言ってたぞ?
なに?逃げて欲しい訳?」

「ええ、端的に言えばそうよ」

「はぁ…?」

訳がわからん。

「私はどうでもいいのだけれど、オータムはそう思っているわ」

「はぁ…?」

「私達にも色々あるのよ。
例えば、この施設のトップが気に入らないとか、そもそもこの研究所自体私達の派閥じゃないとかね」

「う…うん…?」

「それでなんだけど、私の予想ではそろそろプロフェッサー・タバネが雇ったシルヴミーティオが貴方を助けに来るとおもうのだけれど?」

「ふふふ…」

「あら?間違ってたかしら?」

「今回シルヴミーティオは動かない。
無論更識も、プロフェッサー・タバネも、ブリュンヒルデすらも」

「あら?貴方一人で脱出する気かしら?」

「さぁ?どうでしょう?」

「そう。なら、私達は殺さないように、その助けに来る誰かに言っておいてちょうだい」

「ああ、伝えておこう」

スコールが、元来た方へと戻って行った。

その数分後。

「一夏。調べてきました」

「おつかれ、轟雷」

鉄格子の隙間を通って来たのは、身長15センチほどの女の子。

FAG轟雷。

元ネタはブキヤのFAGだ。

最初の11のコアとも、束さんが世界中にばらまいた量産コアとも違う俺が一人で作ったコア…番外コアを中核としている。

さらにコアには俺達のソウルアーキタイプを搭載しており、魔法も使えるようにしてある。

他にもスティレット、迅雷などイノセンティアまでの機体は作ってある。

「接触回線でデータを送りたいのですが」

「ん?あぁ、わかった。他の娘は?」

「さぁ?途中でバーゼラルドとすれ違いましたが、まだ調べる事があると言っていました」

そう言って轟雷が腰をこっちに向けた。

「なぁ、おい。やっぱ無線で良くないか?
量子暗号通信だったら別に傍受される心配ないだろ?」

「ですが確実性に欠けます」

「チクショウメ…」

仕方なく伸ばしたコードを轟雷の腰に挿す。

「あっ…///」

「ねぇ、マジでそのリアクションどこから拾ってきたの?」

「女性は男性に棒を突っ込まれるとこのような声が出ると束が言っていました」

「またか…またなのか…」

とりあえずその事は今は置いておこう…

目の前のARウィンドウに、轟雷が拾ってきたデータが写し出される。

「ふむ…なるほど…」

どうやらここはファントムタスクのラボの中でも遺伝子工学などを扱っている所らしい。

「やはりか…」

轟雷が持ってきたデータの中で最も目を引かれたデータ。

それは…

「PMI-00M…プロジェクト・メシア・イミテーション零号…エム…」

この地下牢よりも下の階層にいる、俺の妹。

文面から察するに、遺伝子工学を使って、父さんと母さんの遺伝子を受精卵にぶちこんだ個体だろうか。

「妹なのですか?」

「ああ…そうさ…」

それと、もう一つ…

「コイツが下手人のトップか…」

この施設の主任研究員…ヴィーティング。

おそらくは偽名かコードネームだろう。

あと…ソイツの子飼いの女性私兵団…

さて…どうしてくれようか!

嗚呼…嗚呼…嗚呼…!

ついに、ついにこの日が来た!

「く…くく…くくく…くくくく…!」

まずインフィニティ・モーメントで体感時間を引き伸ばして、それから少しずつ…指先から潰して…

「あらあら、ご主人様が怖い顔をしているわぁ…」

「本当ね…でも…ステキな顔…」

ん…?

「マテリアか」

「「それで、いったいどんな楽しい事を考えていたの?」」

「うん?魔法を全力行使しての処刑だよ」

「「私達も混ざっていいかしら?」」

「悪いが今回ばかりは俺一人でやりたいんだ。
悪いな」

「「あら、残念」」

その後、残りの子が全員帰って来たので情報を纏める。

一つ、このラボにはマドカがいる。

二つ、現在地は地下三階。

三つ、マドカが居るのは地下七階。

四つ、この施設の主任が父さんと母さんを殺った下手人を纏めている。

五つ、主任と子飼いの私兵は今日は研究所に居ない。

六つ、『オルコット家』とヴィーティングの取引…

「さーて…情報は手にはいったし、脱出するか…」

あ、でも一回下ってマドカを救出しねーと…

あと、マドカは調整中らしいからそれをどうにかしないとな…

しゃーない、束さんを呼ぶか。

ホロウィンドウを呼び出し、束さんにコールする。

「もしもし束さん?」

「『なんだいいっ君。侵食弾頭弾を使う用意ならできてるよ』」

「そうじゃなくてですね、妹を見つけたのでどうにかしたいんです。
今資料送りますね」

「『え?は?妹…?』」

そして、少しの沈黙の後…

「『わかったよ、調整すればいいんだね?』」

「はい」

「『じゃぁ、轟雷ちゃん達とマリオネット・アーキテクトをその【マドカ】って子の調整ができるコンソールの所に行かせて。
後は私がやるからさ』」

「ありがとうございます。
あぁ、それと…轟雷達にプラグを挿した時の反応についてお話があるのですが?」

「『さぁさぁ!そんな事は後にしていっ君とちーちゃんの可愛い可愛い妹を助けようじゃないか!』」

逃げたな…まぁ、確かにそれは後回しだ。

「聞いてたかお前ら?」

目の前のFAG達に呼び掛けると、元気のいい返事が返ってきた。

「じゃぁ、聞いてた通りだ、行ってこい」

FAG達を向かわせた後は、暇になった。

調整には半日ほどかかるらしい。

長いとは思わない。

ずっと研究してきたファントムタスクが出来なかった事をたった半日でできる束さんは、本当にすごいと思う。






そうして、夜になった。

ネットニュースで『織斑千冬モンドグロッソ二冠!』の記事を読んでいる最中だった。

ゴン!と施設がゆれた。
 
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