| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十三話

 
前書き
※この話はネタ集から引っ張って来てるので最初の方は少し時系列が遡ります。
あと今回出てくる体育教官は男です。 

 
小学校六年生春 登校路

「今さらだけどこの学校ってなんでプール無いんだろうな」

「本当に今さらだな…雪国だし海が無いからだろうな」

そんな理由なのか…?

「それに年に数回は近くの市民プールで授業があるではないか。
何が不満なのだ?」

「その回数の少なさだよ。
水泳ならある程度本気出しても大丈夫だしさぁ」

しかもそのせいでスク水が無く、各々が自分の水着で参加だ。

「まぁ、私は少なくていいと思うぞ」

「箒って泳ぐの嫌いなのか…?」

水泳の授業を見る限りそうではないはずなんだが…

「そうではないが…男子連中…特に弾の苦労を思えばな…」

「はて?」





同年 夏 水泳授業初日 市民プール 更衣室

「おい一夏、ラッシュガード」

ロッカーを閉めようとすると、弾に止められた。

「だから要らねぇっつの」

「いいから!千冬さんが折角買ってくれたんだろう?」

「それもそうか…」

そう言われてしまうと、反論しずらい。

ロッカーからラッシュガードを取り出して着る。

気付けば更衣室には俺と弾だけだった。

まぁ、俺達が入ってきた時には皆もう出ようとしていたからな…

屋内プールのサイドを歩き、列に並ぶ。

点呼と準備体操が終わりった後、初日なので自由練習と言われた。

なので自己流…というか前世で通っていたスイミングスクールのアップを始めようと思う。

「一夏」

「どうした箒?俺これからSKP300なんだけど?」

「なんだそれは…」

「ん?300メートル」

スイム100、キック100、プル100、計300。

プルっていうのは早い話足を動かさずに手だけで泳ぐメニューだ(各水泳教室やコーチによって呼び方の差異アリ)。

すると箒が眉間を抑えた。

「普通アップで300も泳がない」

「そうなの?普通だよ?
これから2キロ泳ぐし」

トゥワイス・グラビティ、ディキャスト。

「んじゃお先」

「ハーフ・オキシジェンは切らなくていいのか?」

「急に酸素分圧上がったら流石に体調崩すんだが」

「そうか」

プールの縁に親指を引っ掻けて、飛び込む。

あぁ、本気出せるっていいなぁ…




授業後、弾に泳ぐ時のコツを教えて欲しいと言われて教えていると、結構遅くなってしまい、更衣室にはもう誰も居なかった。

「一夏、急いで着替えるぞ」

「ん。わかった」
















中学校一年生 春

「中学はプールあるのか…」

「よかったな。全力で泳げるぞ」

「っし!」

「(プールが血で染まらなければいいのだが…)」

「何か言ったか?」

「いや、なんでもない」

side out





夏 更衣室

「んしょ…んしょ」

一夏がその長い髪を団子状に纏め、スイミングキャップの中に入れる。

「髪長いと大変だなぁお前も…」

学校の男子更衣室で、一夏と弾が着替えていた。

弾はもう慣れた物だが、周りの生徒はそうもいかない。

女みたいな顔の奴が上裸なのだ。

一夏が一番奥、その隣に弾が立ち、一夏を隠そうとするが、チラチラとした視線が止まる事はない。

「いつ見てもすげぇ筋肉だよなお前」

「まぁね」

一夏の肉体は無駄な脂肪は無く、しなやかな筋肉で覆われている。

しかしその筋肉の付き方は服を着ていると全くわからないようになっている。

焔のワイルドカードを見た目で嘗めてかかって痛い目を見た奴は多い。

「よし、きがえおわった。
いくぞ、弾」

「おう」

プールサイドに出るとき、弾が一夏を隠すように出たにも関わらず…

「あぁ、やっぱりか…」

「どうした弾?」

弾の視線の先には、鼻を抑えてあらぬ方向を向く数名の女子達。

「いや、なんでもないさ。
熱中症には気を付けろよ」

「ん、わかった」

一夏はペタペタと箒の方へ歩いて行った。

「こりゃ熱中症続出だな」

弾の呟いた言葉は、夏の熱気に溶けて消えた。




side in

「よう、箒。エロいな」

「お前もな」

はて?

「一夏、アンタすごい体してるわね…」

振り向くと鈴がいた。

「そうか?」

鈴の手が、俺の腹筋を撫でる。

「くすぐったいのだが…」

「いいじゃない。減る物でもないし」

「まぁ…別に構わんが…」

「カチカチね…
ねぇ、一発殴ってみていいかしら?」

鈴はニヤニヤしながら言う。

「なぜ男子高校生みたいなノリなんだお前は…
まぁ、いいや。そら、こい」

腹筋に力を入れて、仁王立ち。

「んじゃ、行くわよ」

引き絞った拳が、俺の腹に吸い込まれ…

「いったぁぁぁぁぁい!?
なによこれ鉄板でも仕込んでんの!?」

殴った鈴の方がダメージを受けていた。

「鈴、一夏は火燐さんと引き分ける程だぞ?
お前や私のパンチ程度でどうにかなる筈もなかろう」

「あー…そういやそうだったわね…」

「お前ら火燐さんをドラゴンか何かだと思ってないか?」

「「あの人ならドラゴンくらい倒せる」」

「裏ボスかよ…」

そんな話をしていると招集がかかった。

先ずは、全員が何れだけ泳げるか試すそうだ。

よし…ふざける以外ないな!

準備体操が終わると、出席番号順で泳ぎ出す。

俺は結構最初の方。

「一夏、何を泳ぐんだ?」

「え?バサロ25」

「「「………………」」」

なんで三人共黙るんですかねぇ…

「死ぬぞ?ハーフ・オキシジェンは解いていないのだろう?」

「この状態でもう何年も居るんだし、その気になれば50まで行ける。
勿論魔法無しで」

「ジンガイ」

「なぁ、鈴。俺の親友がジンガイなんだが」

「ええ、私の親友の恋人がジンガイね」

「酷いなお前ら」

そんな話をしている合間に俺の順番だ。

「次、織斑」

「はい」

今までの奴が飛び込み台を使っていたにも関わらず、俺はプールの中に入り、台の下部のバーを掴む。

「む…?織斑は背泳ぎか…?
まぁ、いい。用意…始め」

体育教官の掛け声に合わせ、大きく上体を反らす。

そのままトプン…と水に浸かる。

両手を頭の後ろで組み、両足を揃えドルフィンキックを打つ。

と、まぁ、そこまではいい。

だが…ふざけた罰が下ったのだろうか…

これ、めっちゃ眩しい…

『アホだ…ここに正真正銘のアホがいる…』

『黙ってろFa■k』

『口悪いよ』

等と話ながらも十数秒でゴール。

ここからターンしてもいいんだけど、後がつかえている。

「ぷはっ」

水から出て、プールサイドを歩いて箒達の所へ戻る。

「ね?」

と言えば。

「お前なぁ…まぁ、いいや。次は俺か…」

と言いながら弾に撫でられた。

「お前は何を泳ぐんだ?」

「クロールでいいだろ。箒ちゃんと鈴は?」

「ふむ…私もクロールだな」

「私もクロールにしておこうかしら」

「え~?お前ら四泳法できるじゃん…
バタフライやろうぜ」

「「「やらん」」」

面白くないなぁ…

「ま、いいや。がんばれよ弾。
女子勢に良いとこ見せてやれ」

「(お前の後じゃぁなぁ…)」

「なんか言ったか?」

「いや、まぁ、行ってくるさ」

弾が飛び込み台へ向かう。

「弾ってカッコいいよなぁ…」

体格はいいし、顔は凛々しいし。

声も低い、何より身長が高い。

「いいじゃない。アンタは可愛いんだから」

「『可愛い』より『格好いい』と言われたいのが男の性なの」

「私は小さいお前が好きだぞ?
膝の上に乗せられるしな」

「俺の膝の上に乗せたかった…!」

「はいはい。ご馳走さま」

最近鈴が冷たい…

もしや反抗期…?

「なんでそうなるのよ。
アンタ達ののろけ話聞いてたら誰だって思うわよ」

「む?姉さんはもっと凄いぞ」

「聞きたくなかったわ…」

鈴が俺の内心にツッコミを入れたのはスルーか。

俺ってそんなに分かりやすいか…?

side out









side 鈴

「(箒、箒、一夏の気を引いてちょうだい)」

箒にアイコンタクトを送ると小さく頷いてくれた。

一夏が箒と話している内に、ゆっくりと背後に回り込む。

一夏の肌は、白い。

絹のように白い。

病気のような不健康さは皆無。

ただただ白く、美しい。

その、白い背中の、中心に走る一本の線…

そこを、下から…

つーっ…

「ひゃぁぁぁんっ!?」

体を震わせ、一夏がへたり込む。

そうして、一夏が振り向き…

「うぅ…」

涙目で睨まれて、もう…うん…ヤバイ。

視界の端で女子が数人倒れてるし…

「なにしやがる…」

「何って…悪戯?」

「かんべんしてくれよ…」

「そうだぞ。一夏は腰から背中にかけてが敏感だからな。
まぁ…責めるなら場所は間違っては…」

「おれのかんじるところをかみんぐあうとするな」

これはいいことを聞いたわ…

side out






「うーむ…熱中症で三割がダウンか…
今日はそれほど暑くなかったはずなんだが…」

「どうしたんですか先生?」

「今日のお前達のクラスの授業で熱中症が多かっただろう?
理由がわからなくてな…。
織斑は何か心当たりはあるか?」

「いえ…特には…」

「「「(お前のせいだバカ)」」」
 
 

 
後書き
ぶっちゃけ最後の方の『エロい一夏』、『熱中症』の二つを書きたかった。
あ、英検二級合格しました。
ストックはまだありますが、次回からは2ndMGなので、キリがいいここで区切ります。
2ndMG編はまだ終わってないので途中から逐次更新になります。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧