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星河の覇皇

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第六十六部第三章 幸せの国その十九

「これからの戦いに勝ち残ればだ」
「皇帝ですね」
「至尊の存在にもなりますね」
「サハラにおいて待ち望まれていた」
「その存在になるのですね」
「まさに馬上でそうした」
 この時代は戦いで馬には乗らないがこの表現は残っているのだ。
「そう評される様になるだけにだ」
「あの方の覇気はですね」
「あれだけのものがあった」
「そういうことですね」
「あの質であり」
「そうだろう、見事な方だった」
 非常にというのだ。
「もう一人シャイターン主席も我が国に来られるな」
「はい、あの方もです」
「この国に来られます」
「あの方はアッディーン大統領と違い謀略家です」
「何かと噂があります」
 よくないという意味でのそれがというのだ。
「そこが気になりますが」
「やはりあの方もです」
「戦いに勝ち身を立てたです」
「軍事的英雄です」
 そう言っていいというのだ、彼もまた。
「サハラのもう一人の軍事的英雄もです」
「この国に来られます」
「あの方とも会われますので」
「その時もお願いします」
「わかっている、しかしだ」
 ここでだ、ブータン王はこうしたことをだ。侍従達に話した。
「おそらくあの方の気はな」
「アッディーン大統領とはですね」
「また違いますね」
「あの方とは」
「ああした覇気ではないですね」
「謀略家と聞く」
 このことを王も言った。
「それも相当な、な」
「はい、そうです」
「あの方は確かにです」
「相当な謀略家です」
「確かな証拠は我々は知りませんが」
「おそらくですが」
 憶測ではある、だがだった。
「あの方については不審なことが多いです」
「他国の有能な人物がよく死にます」
「急死が多いです」
「事故なり急病で」
「そして急に主張を変えたり引退したりもです」
「多いです」
「私は政治には携わっていないが」
 国王だからだ、やはり連合では君主は政治には関わらない。関わるのはあくまで祭事なのだ。だからブータン王もこう言ったのだ。
「しかしだ」
「政治のことはですね」
「お聞きになられますね」
「だからこそですね」
「今も仰いますね」
「そうだ、あの方はだ」
 ブータン王の見たところだ。
「実際にだ」
「その数多くの謀略にですね」
「関わっていますね」
「そうなのですね」
「間違いない」
 こう言うのだった。
「かなり疑わしい、それどころではない」
「黒ですか」
「陛下もそう思われますか」
「あの方については」
「この言葉は公では言わない」 
 決してとだ、ブータン王はこのことも絶対だと述べた。 
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