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邪悪の権化

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第一章

                邪悪の権化
 全世界の悪の巣窟と言われる某ビッグエッグ。そこのオーナー席にこの男はいた。
 悪野巨人、人が考えられる限りの悪事を嬉々として行っているジャビット団を率いてこの世を悪に染めんとする極悪非道の輩だ。
 巨人は今オーナー席で手下共の報告を聞いていた。
「そうか、あの選手もか」
「はい、札束で頬を叩いてやってです」
 その手下はドス黒い笑みで巨人に報告していた、葉巻を吸いブランデーを飲み玉座に傲慢に座っている彼に。
「そうしてです」
「そうか、それは何よりだ」
「ではあの選手もですね」
「チームで使え、そしてな」
「成績が落ちればですね」
「お払い箱にしろ」
 巨人は傲然と言い放った。
「いいな」
「はい、使い捨てですね」
「所詮は外様だ」
 金で補強した選手はというのだ。
「だからな」
「役に立たなくなればですね」
「金は払ってやったんだ」
 それでというのだ。
「もういいだろう」
「はい、それでは」
「徹底的に使い潰してやれ」
 巨人は葉巻を吸いつつ言った、そうして。
 別の手下にだ、こう問うた、
「大阪はどうなっている」
「はい、今度は襟立女が行きます」
 その手下が巨人に答えた、暗く禍々しいオーラに満ちたオーナー室の中で。
「海から」
「そうか、若し作戦に失敗すればな」
「襟立女はですね」
「無能はジャビット団には必要ねえんだよ」
 巨人の口調が突然変わった。
「だからな」
「作戦に失敗すれば」
「襟立女もだ」
 その彼女もというのだ。
「遠慮なくだ」
「粛清ですね」
「俺の言う通りに出来ない奴は誰だってそうなんだよ」
 ジャビット団の者は誰でもというのだ。
「死刑だ、いいな」
「では」
「襟立女もそうしろ、所詮駒だ」
 手下はこう思っていた、そしてだった。 
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