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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第七十七話

「修学旅行?」

「うん。五泊六日でアメリカに行くんだ」

「へー…。やっぱり育さんと行くの?」

「まぁね。ただ羽川翼っていう天才と戦場ヶ原っていう病弱な子ともだよ」

「へぇ…ハーレムじゃん」

「いや、これが何というか。
僕と育と戦場ヶ原って子はなんか除け者扱いでさ。
羽川に引き取られたみたいな物なんだ」

「ああ、病弱っ子と教師を殴った不良か…」

「でさ、何かお土産の希望ある?」

「じゃぁ、ザ・ソース」

「?」

「世界一辛いソースだよ。
日本じゃ売ってないんだ」

「そんな物でいいのかい?」

「うん」

「わかった。買ってくるよ」

というのが数日前の会話である。





放課後、道場で稽古をした後の帰路。

四月も半ばで暖かいが、この時間はもう暗い。

さて、突拍子もない話題を振るが、『撲殺天使ドクロちゃん』というラノベを知っているだろうか?

え?知らない?

うん。ぶっちゃけ俺も概要しか知らん。

だがまぁ、簡単に言えばロリコンの主人公がロリ天使に撲殺されては蘇生するという内容だ。

先程までウィルバー・ナインを模して造ったバイク(ちゃんと変形するヨ!戦うヨ!)に乗っていた俺がどうしていきなりこんな話をしているかと言えば…

【頭蓋骨陥没/頸部切断】

【自己修復術式起動】

【魔法式ロード】

【コア・エイドスデータ バックアップよりリード】

【修復開始】



【完了】

対物障壁割られた挙げ句、正面から顔面ど真ん中をぶん殴られて頸が千切れたからだ。

障壁が破られた、っつー事はさっきの一撃は単純な物理的貫通力で対物ライフルを裕に越える。

「あー…、そっか、そっか…忘れてたよ」

ウィルバー・ナインを停め、降車。

後ろを向いた十数メートル先には…

「神原駿河……レイニー・デヴィル!」

雨合羽を着て、ケモノの腕を晒した異形。

『ひたぎクラブ』と『するがモンキー』。

この二つはセットで成り立つ物語だ。

前者が無ければ後者は起こらないのだ。

そして、俺は前者のメインとも言える目的…

『戦場ヶ原ひたぎからおもしかにを祓う』

を達成していた。

だが待って欲しい。

何故俺が殴られる?

俺とひたぎさんは恋仲ではないし、そのようなフラグも一切無い。

そもそも『するがモンキー』の発端は神原駿河の阿良々木暦への嫉妬心である。

暦さんがひたぎさんと無関係なのは三日前の口振りから確定だ。

だが、そんな事を考えている暇は本来なら無いのだ。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」

この世の物とは思えぬ雄叫びと共に、レイニー・デヴィルが駆ける。

「ファランクス」

今度は破られる事は無かった。

ガクィン!という轟音と共に、その拳がファランクスに阻まれる。

「ウォォォォォ…!」

防がれ、激怒するレイニー・デヴィル。

「どうした物か…」

ガキンガキンとファランクスを殴り続けるレイニー・デヴィルだが、逐次展開され、情報障壁も兼ねるファランクスを破るのは不可能のようだ。

常時展開していたのは、精々アンチマテリアルライフルくらいしか防げない。

それ以上の強度を持たせると、別の魔法に差し支える。

まぁ、先の一撃は恐らく魔法的…情報的な強化もあったのだろう。

視れば、案の定レイニー・デヴィルには強固な情報強化が、拳には貫通力高の情報が付加されていた。

『ますたー、反撃しないの?』

無理だ。神原駿河を傷付ける訳にはいかん。

『登場人物だから?』

それもあるが、何よりもコイツの叔母が面倒極まりない。

奴ならオースの穴を抜ける方法を持ってる可能性がある。

あぁ、あと付け加えると、ひたぎさんに何されるかわからん。

『で、どうするの?』

レイニー・デヴィルが満足…いや、諦めるまで障壁を殴らせる他あるまい。

そうして、一分程ファランクスを殴り続けたレイニー・デヴィルは、突破不可能という事を悟ったのか、突如攻撃の手を止め、後退した。

「諦めた…のか?」

距離を取ったレイニー・デヴィルは俺を強く睨み付け…

反転し、闇夜に消えていった。

「…………………………」

あぁ、面倒だ。

面倒極まりない。







メティス・サイトで周囲を警戒しながら、なんとか家に帰り着く。

「どうした物か…」

彼女を殺す、腕を切り落とす、というのは却下だ。

あと原作の手は使えない。

そもそも俺が殴られる理由が原作とは違うからだ。

原作では要するに色恋沙汰。

だが俺の場合は?

どうしようもない。

理由がわからないのだから。

「結局原作の『阿良々木暦』がやろうとした方法しかないのか…?」

つまり、レイニー・デヴィルに俺の抹殺を断念させる。

奴の攻撃を防げるのは先の攻防で解った。

「幸いなのはレイニー・デヴィルが夜しか動かないって事か…」

これが昼だったら、俺は衆人環視の中で魔法を使う事になる。

まぁ、よーするに…

「なんとかなるでしょ」
 
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