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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第七十六話

side???

今日から中学生。

親友がやる新入生代表の言葉を聴く為だけに眠い入学式を耐える。

「『いじょうで、しんにゅうせいだいひょうのことばとさせていただきます』」

壇上の親友は、舌足らずな感じで新入生代表の言葉を締め括った。

どこからどう見ても背伸びしている小学生だ。

小さな体躯、後ろで束ねた長髪、くりくりした可愛らしい瞳…

どう見てもロリだがアレでも自分と同い年の男、それも格闘家にタイマンで勝てる漢なのである。

その後、教室に案内され、自己紹介やオリエンテーションがあり、放課後となった。

親友と、その恋人と親友の愛人(仮)に呼ばれ、共に下校しようとした時。

「君!少し待ってくれ!」

後ろから声が聞こえ、振り向くと、見知らぬ男子が親友の手を握っていた。

「?」

親友がコテンと首を傾げる。

こういった仕草の一つ一つが女っぽくて、愛らしい。

すると、その男子生徒は思いもよらぬ事を叫んだ。

「君に惚れた!俺の女になれ!」

俺と親友の恋人と親友の愛人(仮)は、男子生徒の言った事の意味がわからなかった。

親友は、ふるふると体を震わせ…

「おれはおとこだばかやろー‼」

男子生徒の手を振りほどき、リバーブローをかまして、踵を返した。

「かえるぞ!箒!弾!鈴!」

お、おう…




中学校生活二日目、SHR前。

「君が男でも構わない!付き合ってくれ!」

「ホモはかえれ!」

親友のアッパーによって、ホモは撃沈した。



身体測定

今日は全学年合同で身体測定だ。

この学校は体育館が2つあり、午前は第一で身長体重視力を、第二でシャトルランと50メートル走を除くスポーツテスト、運動場で50メートル走、午後に両体育館でシャトルランだ。

更衣室へ向かおうと、教室を出ようとした時…

「「弾」」

女子二名のシンクロした声に、振り向いた。

「どうしたんだ二人共?」

箒ちゃんと鈴、親友の恋人と愛人(仮)だ。

箒ちゃんは親友にぞっこんラブだし、鈴も親友に好意を寄せている(気付いてないのは本人達だけである)。

「弾、一夏を頼む。
一夏に何かあれば…」

すぅっと箒ちゃんの目が薄くなり、プレッシャーが放たれる。

「あの御手洗って奴が一夏に何かしようとしたら手足折ってでも止めなさいよ」

こちらはプレッシャーこそ無いが、随分過激だ。

「お、おぅ」






箒ちゃんと鈴に引き留められ、少し遅れて更衣室に入ると、バン! と大きな音が聞こえた。

何事かと思い、中に入ると…

「なぁ…いいだろ…?」

「ふぇぇ…」

壁ドンである。

少女マンガでお馴染み、女子がして欲しい行為ランキングの上位である"ソレ"。

問題があるとすれば、ここが男子更衣室であると言うこと。

そして…

「テメェェェッ!!!
俺の一夏に何してんだオラァァァァァッ!!!」

壁ドンされているのがっ!『俺の親友』だと言うことだ!

右腕を引き絞り!スリーステップで現場へ急行!

加害者の頬を…!

「どおぉぉりゃぁぁぁぁっ!!!」

ぶん殴る…!

バキィッ! と気持ちのいい音がして、ホモが吹き飛んだ。

「はぁ…! はぁ…!」

ホモはぶっ倒れて、ピクピクと痙攣している。

「一夏!無事か!?」

ロッカーにもたれかかっている一夏の肩を揺らす。

「だん…?」

「大丈夫か!?何もされてないか!?」

「だぁぁん!」

涙声の一夏に抱き付かれる。

その体は、俺の胸の辺りまでしかないくらい小さい。

筋肉質なのに柔らかいその体を優しく抱きしめる。

「おー、よしよし怖かったな…」

頭を撫でてやると少し落ち着いたようだ。

「だん…。て…」

そう言いながら、俺から離れた。

「ん?」

一夏が、ホモを殴った拳を掴んだ。

ジンジンと痛む…ヒビでも入ったか…?

すると、その拳が白魚のように華奢な手のひらで包まれた。

「ありがとな、弾。
すぐに、なおしてやるよ」

何を? と思う暇もなく、拳の傷が癒えていた、時を戻したように、始めから無かったかのように…

まるで、魔法のように。

「一夏…?」

「みんなには、ひみつだからな」

「お、おぅ」

「ちなみに、箒はこのことしってるし、鈴もたぶんしってる」

へぇ…

「大丈夫、俺はお前の事怖がったりしないからよ」

「ん…ありがと」

その後俺達は素早く着替え、身体測定へ向かった。

ホモに関しては風紀委員と保健委員が保健室へ連れて行った。

「………………弾?」

「アンタ…まさか…」

「待て!誤解だ!」

不安そうな一夏を落ち着かせる為、手を繋いでいたら、女子に在らぬ疑いを掛けられてしまった。

「これには事情があんだよ」

「ではその事情とやらを話して貰おうか」

ソレについては構わないが…今の一夏を一人にするのはなぁ…あ、そうだ。

「おい、鈴。少し一夏を見とけ。
箒ちゃんに事情説明してくるからよ」

「はいはーい。いってらっさーい」

鈴に一夏を預け、箒ちゃんと体育館の隅へ向かう。

「何かあったのか?」

「御手洗の奴が一夏に迫ってな。
怯えてたから御手洗を殴ってきた」

「奴は?」

箒ちゃんから殺気が滲む。

その手は固く握られ、怒りに震えていた。

「風紀保健両委員が保健室に連行したよ」

「そうか…」

「済まない、さっき言われたばかりだと言うのに」

「私達が止めたせいでもある」

あぁ、そうだ、あの事を聞こう。

「なぁ箒ちゃん。
一夏って超能力者か何かか?」

箒ちゃんの眉が少しだけ動いた。

「何故そう思った?」

「さっき、奴を殴った拳を、アイツが治してくれた。
皆には秘密と言ってたけど、箒ちゃんと鈴は知ってるとも言っていた」

「………一夏が明かしたなら、いいか…。
弾、これから聞く事は他言無用だ言えば…わかるな?」

「勿論だ」

「一夏は魔法使いだ。
それも別世界から転生して来た存在だ…。
解りやすい例で言えば、この前のパーティーの時、私と一夏に耳と尻尾があったのは、姉さんの薬ではなく魔法で使い魔にした動物を憑依させていたからだ」

「は…?」

魔法使い…? 転生…?使い魔…?憑依…?

なんだそれ? ファンタジー以外で聞いたことないぞ。

「弾、中学に入ってからの、昨日今日の一夏、少しおかしくなかったか?」

そういえば…そうだ。

女と間違われても、直ぐに手を出すような奴じゃない。

それに、男に壁ドンされて泣く程ヤワでもない…

「一夏は、魔法で自らの精神を律して来た。
ここ数年、ずっとな」

魔法で精神を律する…?

それってつまり自分の心を縛っていたって事か…?

「だが、中学に上がって、魔法に頼らず自分を律しようとしているらしい」

「あぁ、少し待ってくれ、自分を律するって具体的にはどうしてたんだ?」

「精神干渉系情動抑制魔法アマノハゴロモ…感情を押さえる魔法を使っていた。
だが、今まで魔法で押さえていた分…今の一夏は自分の感情を御しきれていない。
アイツは、確かに私達よりも長く生きた経験を持っているが、それ故の弱さとてあるのだ」

「つまり今のアイツは小学生並みの感受性だと?」

「ああ、そうだ」

成る程…道理で冷静沈着なアイツらしくない訳だ…。

感情が揺れやすい中、いきなり自分より大きな相手に詰め寄られたらなぁ…

「魔法を使っている間なら、感情よりも理性が優先され、どんな状況も打破できるが、今の一夏は焦りや恐怖で容易く崩される」

「幼児退行を起こす程にか?」

「……ああ」

そうか…なら俺がすべき事は…

「OK、アイツが感情を御せるようになるまで、俺が一夏を守ろう。
アイツには、借りがある」

「頼んだぞ…弾」












「よう…はずかしいところみせたな…」

「一夏…? お前………あぁ…そういう事か…」

「うん、箒からきいたんだろ?」

戻った俺を待っていたのは、"いつも通り"の親友だった。

「まぁ、すこしむぼうだったな。
ちょっとずつなれていくから、そのときはたのむぜ、弾」

「おうよ」

その後の身体測定では、身長体重以外において、一夏は超ハイスペックチートな身体能力を見せた。

曰く、枷を外したとか…

聞くところによれば、一夏は常に魔法で重力二倍、低酸素状態の世界を作り、生活しているらしい。

俺なら逆の事をするだろう。

そうまでして鍛える理由は…きっと、箒ちゃんを守る為だろう。

「ふふ…」

守られてるのは、騎士の方か…

「どうしたんだ?」

「いや、なんでもねーよ。
さ、帰ろうぜ、一夏。
箒ちゃんと鈴呼んでこい」

「ん、わかった」

トコトコと二人の元へ駆けていく親友を見ながら、想った。

「強くなりてぇなぁ…」
 
 

 
後書き
一夏のセリフが平仮名多めなのは、子供っぽさを表したかったからです。 
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