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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第六十五話

「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁ…」

「おい一夏」

「はぁ…はぁ…んだよ箒?」

「何故いきなり走ろうだなんて言い出したのだ?」

「お前が正月太りが気になるって言うから…でゅっ!?」

「次に言ったら張り倒すからな」

「あい…」

一月五日、俺と箒は街中をランニングしていた。

「それにしても一夏、お前は少し疲れすぎではないのか?」

疲れすぎ?

「はぁ…はぁ…そうか?」

「まだ一キロと少しだと言うのにそんなに汗をかいて」

あぁ…そういう事か…

「はぁっはぁっ…箒、耐えろよ」

「む?」

トゥワイス・グラビティ、キャスト。

「ぐぅ!?」

箒の歩みが止まった。

「なんだ…!これは…?」

「加重系魔法トゥワイス・グラビティ。
本来は拘束用だがトレーニングにも使える魔法だ」

「お前はこんな状態ではしっていたのか?」

「そうだけど?」

「………………………人外」

人外って…

「束さん程じゃぁないさ」

「姉さんがどうかしたのか?」

「あの人ナノマシンで全身強化済みだぞ」

「………は?」

箒がぽかんとした顔をした。

「骨の内外はEカーボンで補強済み、筋繊維ではナノマシンが疲労物質を即時分解。
大半の臓器も強化してるうえ、血中に酵素の数倍の効率のナノマシン流してるからスピリタスでイッキできるぞあの人」

「…………………私の周りには人外しかいないのか?」

「お前の勝負運も十分人外だがな」

トゥワイス・グラビティ、ディキャスト。

「さ、取り合えずここら一帯を一週しようぜ」

「あ、あぁ…」








「おーい!箒、あんまり先行するなー!」

「魔法を解けばいいだろう!」

箒が振り替えってバックステップで答える。

「おいバカ!後ろ!」

「え?」

案の定箒は誰かにぶつかって、お互い盛大に弾いた。

「言わんこっちゃない…」

箒のコア・エイドスプログラムを閲覧…

うん、大したケガじゃないな。

箒を起こし、ぶつかった人に手を伸ばす。

「大丈夫ですか?」

「え、えぇ…大丈夫よ、心配無いわ」

箒とぶつかったのは中高生の女子だった。

彼女は俺の差し出された手を掴もうとして、直前で止まった。

気になりはしたが、その止まった手を掴んで、立たせようと引っ張った。

「あれ?」

俺は彼女を立たせたが、彼女は勢いのままに俺に倒れかかった。

何故か?

解は簡単だ。

彼女が軽すぎた。

だから彼女の軽い体は、俺が引っ張った勢いに負けて、俺に倒れた。

「あのー?」

「ごめんなさいね、すぐに離れるわ」

中高生の女子…そしてその後ろには…

「なにかしら?」

いやいや、待て、待つんだ俺。

「あー…えー…その…」

あっれれー?おっかしーぞー?

いや、コナンの真似してる場合じゃねぇな…

目の前にいる中高生の女子、その後ろに居る"何か"…

「一つ聞いてもいいですか」

「………どうしたのかしら?」

「貴方の御名前を教えてください」

すると、後ろからプレッシャーが放たれた。

「おい、一夏…私という者がありながらその眼前で堂々とナンパとはどういうつもりだ?」

あー…たしかにそう取られても仕方がないようなシチュエーションと質問だったな…

首だけを箒に向け、諌める。

「箒、今少し真面目な話だから」

「………………いいだろう」

再び、中高生の女子に向き合う。

「どうして私の名前を知りたいのかしら?」

「貴方に似た顔を新聞でみたからですよ」

「そう。なら私の名前くらいわかってるんじゃないのかしら?」

そうきたか。

「では単刀直入に。貴女、戦場ヶ原ひたぎさんですよね?」

「…………ええ、そうよ」

「はぁー…」

やっぱりかぁ…

「なによその反応。いきなり溜息付かれると傷つくのだけれど」

「ああ、すいません。貴方に対しての溜息ではなくこのシチュエーションにたいしての溜息ですから」

「…………」

さてと…どうした物かねぇ…?

まず、ここで戦場ヶ原ひたぎという存在は物語シリーズの正ヒロインであるという前提で話を進める。

俺がここで取れる選択肢は幾つか有るが、大まかには二つだ。

彼女の後ろに居る"何か"を排除するかしないかだ。

まず排除した場合、物語シリーズの大幅な原作ブレイクが起き、先が全く見えなくなる。

排除しなかった場合、彼女は更なる不幸に見舞われる。

「なによ黙り込んで。もしかして私に見とれてるのかしら?
女みたいな顔して随分ませてるじゃない」

うわ、うぜぇ…

一瞬こんな奴不幸になれとか思ってしまった。

だけど、そんな事をすれば後味悪いしたぶん後悔する。

「戦場ヶ原ひたぎさん」

「なによ?」

「貴女は、今の状態から抜け出したいか?」

「…………何を言っているのかしら?」

「質問を変えよう。貴女は自分の"重み"を取り返したいか?」

「!?」

彼女が、初めて表情を見せた。

「言っておくと、俺には原因が見えているし、どうにかする事もできる」

「…に」

ん?

「貴方に…何がわかるというの!?」

「とりあえずアンタをどうにかする方法はわかるぜ」

「嘘臭いわね」

「おいおい、俺は貝木泥舟とは違うぞ」

「!?なぜ貴方がその名前を知っているのかしら…?」

よし!食いついた!

「答える義理は無いね。
というか早く決めろ。アンタの後ろの"蟹"をどうにかしたいかどうかを」

「………………」

「まぁ子供のお遊びと思って騙されてみなよ。
大丈夫、金は一切取らない」

「信じられると思ってるのかしら?」

「さぁ?まぁ、でも信じられるならば、清潔な服で今日の…そうだな…夜中の2時に篠ノ之神社に来い」

すると彼女は何も言わずに振り返って、歩いて行った。

「一夏、説明して貰えるか?」

「ああ、帰りながら話そう」

そうして、儀式に必要な物を思い浮かべながら、箒に事情を説明しつつ、ランニングを続けた。

 
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