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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第六十二話

二学期が始まって少し経った辺りに、その出来事は起こった。

「一夏君!」

「どうした月日?」

登校してきた俺と箒を出迎えたのは月日だった。

「お兄ちゃんが!」

教室の前で、焦ったようにまくし立てる。

「お、おぅ、どうした?落ち着いてゆっくり話せ」

「お兄ちゃんが担任の先生を殴って退学になったの!」

は?

「月日、どういう事なのだ?
私はあの暦さんがそんな事をするとは考えにくいのだが…」

暦さんが、担任を殴った…?

何故?あの温厚な暦さんがそんな事をするとは考えにくい。

暦さんは正義に従う人だが…

正義?

待てよ、暦さんの正義とは何だ?

一般道徳、それと…

『大切な人を傷つけられた時』

大切な人。

暦さんの大切な人。

家族。

両親。

妹の月日と火燐さん。

そして、育さん。

育さん…?

育さんは改変によって原作の呪詛の塊のような人ではない。

待てよ?原作?リドル…ロスト…。

フォーミュラ。

「月日。暦さんは何か言っていたか?
例えばテストの点や学級会についてだ」

おうぎフォーミュラ。

彼女の名前がタイトリングされていないものの、彼女に関する三つの話の始まり。

暦さんの後悔が形を為した怪異の副産物である教室。

その『後悔』『自己批判』の原因。

学級会…

詳しい時系列は覚えていないが、ちょうど今辺りだろう。

「一夏君どうして知ってるの!?」

やはりか…

こうなれば俺は動かざるを得ない。

育さんは幸せになった。

だけど今、暦さんが不幸になっている。

改変を考え、実行した者として、その責任を果たそう。

「月日。今日の放課後にお前の家に行く。
暦さんと話がしたい」

「わ、わかった」

あ、そうだ。

「育さんはどうしている?」

「お姉ちゃんも学校休んでるよ」

ふむ…。

「月日」

「なに?一夏君」

「今、暦さんは悪としてみられている」

「………」

「だが安心しろ。暦さんは直ぐにでもヒーローになる」

「本当に?」

「本当だ」

ぽふぽふと月日の頭を撫でてやる。

そして…

「箒」

「何だ?」

「今回の一件。動くのは俺だけだ」

「何故だ?私は足手まといなのか?」

悲しそうな顔で、責めるように箒は言った。

「いや、そうじゃない。
今回の一件は少しばかり面倒なのでな」

「では尚更…」

「だからこそだ。
今回は中学という俺達とは別の閉鎖コミュニティが対象だ。
その上、暦さんの行動を正当化させるなら中学の担任を…教員を相手取る事になる可能性がある」

直接相手取る事もないのだが、間接的だろうと、大人を相手取るのだ。

「……暦さんとは私も会うからな」

と箒に言われた。

「それくらいは構わない。
あぁ、いや、言い方が悪かったな。
最終的に教員を相手取るのは俺一人でやる。
途中まではお前にも手伝ってもらう」

「わかった」

事前の役割はこれでいいだろう。

「さ、早く入らねぇとSHRはじまるぜ」

例の担任には少しばかり地獄を見て貰おうか。
 
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