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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第五十八話

「いっくぅぅぅぅぅぅぅぅん!」

「わぷ!?」

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『俺は屋台の間を通っていたと思ったら柔らかい何かが背中に押し付けられた』

な… 何を言っているのか わからねーと思うが…

おれも 何をされたのか わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 

クッションだとかお餅だとか、そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ…

もっと恐ろしいものの片鱗を、味わったぜ…

っていうか束さん帰ってたんだ…

「わー!二月ぶりのいっ君だぁ!」

「わ、ちょ、束さん!ここ人前ですって!」

束さんは、それを聞いてか、俺から少し離れた。

振り向いた俺は、絶句した。

「………きれいだ」

月とウサギをあしらった古風な浴衣。

そしてそれを着こなす神秘的な女性。

「て、照れるなぁ…」

「でも、その浴衣似合ってますよ」

「ありがとう、いっ君。
いっ君もその甚平似合ってるよ」

「ありがとう束さん」

やはり、恋人に褒められると言うのは嬉しい物だ。

「んー…でも…」

あ、なんか嫌な予感…

「うん!こうしよう!」

そういって束さんは俺に口付けした。

「んむぅ!?」

ここでやるか!?

慌てて認識阻害を全力で行使する。

ピチャピチャと、水音が響く。

束さんは一度唇を離して、言った。

「久しぶりに会ったんだからいいじゃないか。
それに、誰も気付いていないよ」

そうして、俺達は人混みの中で数分キスをしていた。











束さんが唇を離し、一歩下がる。

「はぁ…はぁ……ん…はぁ…」

俺は息も絶え絶えで、束さんの肩にしがみついていた。

束さんが一歩下がったので前のめりになったが、なんとか体勢を立て直す。

「うん!やっぱりいっ君はこっちの方が似合うね!」

「?」

似合う?こっち?何のこ…と…

「ふぁ!?」

自分の格好が、変わっていた。

「なんですかこれ!」

「え?見てわからない?振袖だよ」

青と紺の、月と夜空をモチーフにした振袖だった。

「おかしいだろ!」

こんなくだらん事にISの量子格納機能使ったのか…

「いいじゃんいいじゃん!似合ってるよ!」

「よかねぇよ!」

しかし…

「うにゅ!?」

束さんに正面から抱き付かれた。

「そーれパフパフ~」

「あ、や、ちょ、今は、まずいですって!」

俺が自らに掛けている精神干渉魔法"アマノハゴロモ"の解除条件は二つ。

一つは俺自身が解除する事。

1日に何度か解除するのだ。

でないと、心が平坦になり、下手をすれば感情が無くなってしまう可能すらある。

詳しくはGATEの番外編でも読んでくれ。

ん?何か今電波を受信したような…ま、いいか…

二つ目は……

「そうだねー!私とキスしちゃったもんね!
封印は溶けちゃったもんねー!」

束さんとのキスだ。

束さんに頼まれてこんな解除条件を設定した。

魔法科のオースみたいな物だ。

原作内でのオースは魔法力を抑えていたが、俺が使っているのは感情を抑える物だ。

そして魔法とは超常の力であって万能の力ではないのだ。

勿論、この魔法にもデメリットがある。

「いや!本当にヤバイんですって!」

そのデメリットとは感情を抑えていた分、解除した後に感受性が高まるという物だ。

つまり、ドキドキするのが隠せない。

「そうだよねー。いっつも性欲とか諸々押さえてるんだもんねぇ…
反動が来ちゃうよねぇ」

わかってるならやめて!

「でもやーめない。
だってその時のいっ君かわいいんだもん!」

そう言いながら、腕で俺を胸に押し付けながら、束さんは俺の髪の毛を弄っていた。

「うん!出来た!これで完璧だよ!」

メティス・サイトで見ると、見事なアップにセットされていた。

「さぁ!これで誰もいっ君とは気付かないよ!さぁ!二人でまわろう!」










二人で一通り屋台を回った俺と束さんは、人気の無い雑木林でキスをしていた。

「はぁ…はぁ…まだ…するんです…か?」

もう、何て言うか、脳が溶けそう。

「まだまだするよ。だって毎晩ディスプレイ越しには話してるけどさー、その時は触れ合えないじゃないか」

確かに、その通りだ…

だったら…

今度は、こちら側からキスをする。

「んむ!……ん…ふ…んっ…ぷは…いっ君も、ノって来たね…」

今度は束さんから…

お互いが溶けそうで、ずっとそっちに意識を割いていたから。

俺達は気付けなかった。

俺の肩に誰かが手を置いた。

その誰かに、ぐるんと振り向かされ、唇を奪われた。

「んぐ!?」

相手は、箒だった。

そのキスは、蹂躙するように激しい物で、俺はその場にへたり込んでしまった。

唇が離れ、箒は言った。

「こんな所で何をしていたんだ?一夏、姉さん?」 
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